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インド-アフリカ・フォーラム・サミット [インド]

バンコク家族旅行から戻ってきました。また記事をアップしていきたいと思いますのでヨ・ロ・シ・ク[exclamation×2]
さて、本日の話題は、4月8日から9日にかけてデリーで開催されていた「インド-アフリカ・フォーラム・サミット」である。
シン首相、アフリカ諸国への援助拡大を表明
 4月8日、アフリカ諸国14カ国の首脳を集めた、第1回インド-アフリカ首脳会議がデリーで始まった。2日間の会議の冒頭で演説したマンモハン・シン首相は、アフリカ諸国へのインドの関与を今後さらに強化させるとの決意を示すとともに、開発援助金として5億ドルをあらたに拠出することを明らかにした。また、シン首相は、国際的な意思決定の場でインド、アフリカ諸国の意見が十分に反映されていない点を指摘し、国連や国際通貨基金(IMF)などの国際機関改革の必要性を訴えた。
 インドは現在の経済発展を維持するため、エネルギー資源の安定確保に努めており、原油や天然ガス、希少金属などを産出するアフリカ資源国との関係強化を急いでいる。アフリカ諸国が持つ資源に対しては、中国が90年代後半から権益確保に乗り出しており、出遅れた感のあるインドは、今回の首脳会議を足がかりとしてアフリカでの経済面での影響力を拡大したい考え。
 また、インド洋に面するアフリカ諸国と中国が緊密な関係を築きつつある現状は、インドにとって国防上の懸念材料になっている。そのため、セイシェルやモーリシャス、モザンビークなどと安全保障面での関係を深めることも重要な外交課題となっている。
 インドとアフリカ諸国はともに長い植民地時代を経験しており、インドはアフリカ諸国にとって経済発展のモデルケースとなりつつある。マハトマ・ガンディーは南アフリカで非暴力闘争を開始し、インドの初代首相、ネルーはアジア・アフリカ会議の開催に積極的に加わった。インドとアフリカ諸国の関係は歴史的に深く、今後、その関係をどのように発展させていくのかが注目される。
出所:インド・チャンネル
このフォーラムについて簡単にまとめてみた。

1)フォーラム・サミットの主催はインド外務省(Ministry of External Affairs)とインド工業連盟(CII, Confederation of Indian Industries)。

2)CIIのスポンサーリングにより、2日目(9日)にはビジネスフォーラムが開催された。アフリカのビジネス界の代表者がインドのビジネス界の代表者と会するもので、「フォーラム」と名が付いている以上、企業提携のマッチメーキング的位置付けで行なわれたと考えられる。

3)「サミット」の方はインド外務省が主催し、外相ないし次官級の政府代表が集まって意見交換する場であった。参加14カ国の内訳は、アルジェリア、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、ガーナ、リビア、ナイジェリア、セネガル、南ア、ケニア、ウガンダ、タンザニア、ジンバブエ。加えて南アフリカ開発共同体(SADC)、東南アフリカ共同市場(COMESA)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の代表も参加した。Hindustan Times4月9日の紙面では、コンゴ民主共和国のカビラ大統領、ガーナのクフォー大統領の発言が引用されている。この他にも、南アのムベキ大統領、タンザニアのキクウェレ大統領など、国家元首級の参加が報道されている。

4)加えて、4月6、7日には多文化コンサート、マルチメディアショーが開催された。主催はインド文化関係評議会(ICCR, Indian Council of Cultural Relations)。ICCRはサミット参加国からダンサーや演奏家を招聘した。

こうした中でとりわけ中心的なイベントだったのは3)のサミットであり、それが引用した記事のベースとなっている。インド政府のコミットした内容をまとめてみた(出所はHindustan Times)。

●アフリカ諸国に対する与信枠を54億ドルに倍増。

●最貧国向け特恵関税制度を通じてアフリカからの産品輸入に対して関税を撤廃し、市場を開放。

●市場開放の恩恵を最も受けると見られるのは、綿花、ココア、アルミニウム鉱石、銅鉱石、カシューナッツ、サトウキビ、一般衣料品、魚フィレ等。 

●インドの技術研修員受入制度(ITEC)を通じて年間1500人の研修生をアフリカ諸国から受入。

限られた新聞しか調べていないが、かなり大きく取り上げられていたニュースだと思う。コメンタリーも掲載されていた。Hindustan Times紙では、Chandra Mohan氏が、世界銀行のアフリカ担当エコノミストのHarry Broadmanが2007年秋に発表した書籍「Africa's Silkroad」を引用し、インド企業の対アフリカ投資がアフリカ産品を国際市場に繋げる役割を果たすであろうと期待を表明し、今後はアフリカ各国別の関係強化に向けた戦略策定がインドにとって必要になってくると述べている。この他にもRahul Sharma解説員がコラムを書いており、そこでもBroadmanが米国の外交誌フォーリンアフェアーズに寄稿した論文を引用して、インド企業のアフリカ進出は専ら民間企業中心か官民連携(PPP)の形態が取られている点は国営企業または中小企業が進出してアフリカで法人設立・登記を行う中国とは明らかに異なる商業戦略をとっていると述べている。中国は原材料を現地調達する代わりに本国から調達して原材料を持ち込むが、インド企業は垂直統合がそこまで進んでおらず、原材料は現地調達するか、或いは国際市場で調達するケースが多く、インドから物資を持ち込むことは少ないと強調している。

Africa's Silk Road: China and India's New Economic Frontier

Africa's Silk Road: China and India's New Economic Frontier

  • 作者: Harry G. Broadman
  • 出版社/メーカー: World Bank
  • 発売日: 2007/11/08
  • メディア: ペーパーバック

いずれの論調も、中国を強烈に意識しているのが印象的だ。中国も2006年にアフリカ諸国の首脳を北京に招いたサミットを開催している。当時北京におられた方に話を聞くと、北京の町並みとアフリカ首脳の訪中を歓迎する看板の多さに多くのアフリカ国家元首が大感激していたと聞く。インドとしても、鉱物資源や原油の供給源としてのアフリカの重要性は強くなるばかりであり、今回のフォーラム・サミットで政府間と企業間のレベルでの関係強化に弾みをつけるべきとの意見が一般的であるのがよくわかる。

そうした中で興味深かったのはTimes of India紙4月9日版に掲載されていた農業学者M S Swaminathan教授のコメントである。多くの関係者の関心が工業生産に向かうのに対して、Swaminathan教授はアフリカとインドが連携して穀物の生産性向上に取り組む必要性を強調している。両地域の農業科学者と農業生産者組織の代表とが協力して両地域の気候条件に合う穀物品種の研究開発に取り組み、それを国連機関や世界の農業研究者が支援し、品種改良や作付方法、灌漑や施肥方法に関するベストプラクティスが共有されていかねばならない。さすがはマグサイサイ賞受賞者、一味違ったコメントであった。
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