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ファシリテーター養成講座 [自己啓発]

一時帰国も大詰めを迎え、徐々に憂鬱な気持ちが増してきた。インドに戻るのはいいにせよ(家族はそうでもないらしいが)、仕事に戻るのは嫌だという気持ちが強い。いきなり連日残業と休日出勤になりそうな気配で、仕事のことを考えると気持ちが落ち込む。今のような仕事じゃない形でインドに行けたらどれだけ楽しいだろうと思う。

普通、一時帰国といったら本社に出向いて関係部署との打合せというのをやる社員が多い。管理職ならなおさらだろう。でも、僕はどうしても行く気が起きなかった。今回は「健康管理休暇」という制度を使って僕達家族は一時帰国をしている。しかも30日間の権利をまるまる消化したのは家族だけで、僕は僅か18日間だったし、たとえ18日でもどうなることかと直前までハラハラさせられた。だから、権利を使えなかった残りの12日間はちゃんと働いたのだから、一時帰国したら本社にはなるべく近付かないようにしようと僕は心に決めていた。仕事から距離を置くことが最高の「健康管理」だと本気で信じている。

だからといって仕事を完全に忘れていたわけではない。僕が嫌なのは会社の仕事に関する部分であって、顧客とは全く関係がない。普段メールでしか連絡を取っていなくて顔を知らない多くの関係者の方々にお目にかかる機会はこんな時しかない。だから、会社には出頭しなくても顧客と想定される方々は積極的に訪問した。活動報告会もその一環だと思っている。

また一時帰国は新しい知識やアイデアを詰め込む格好の機会でもある。僕は今年から大学院に入りなおして博士論文の制作に取り組むことになったので指導教授を訪ねて研究指導を受け、日本でしか入手できない資料や文献を仕入れて帰るというのもあったが、その他にも、自分のアンテナに引っかかってきた講演会のようなイベントには顔を出したし、息抜きの読書の他にも仕事で役立ちそうな本を読んだりもした。

前置きが長くなったが、そうした、「18日間でできる新境地の開拓」ということでいえば、この一時帰国の最大の目玉だったのは、いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク(あいあいネット)参加型開発研究所が共催された「マスター・ファシリテーター養成講座」の基礎コース(全4回)の受講だった。講師は参加型開発研究所の中田豊一さん。5月には日本経済新聞夕刊にある人物紹介の連載で取り上げられた方である。僕はインドでの仕事の関係で中田さんとは会社でお目にかかって懇談させていただいたことがあるが、今から10年くらい前に関わっていたネパールの森林保全プロジェクトの関係で同じ会議に同席させていただいたことがある。それより何より、中田さんは僕が昨年まで10年近く会員になっていたシャプラニール=市民による海外協力の会で1980年代にバングラデシュ駐在員をされていた方である。
人間性未来論―原型共同体で築きなおす社会

人間性未来論―原型共同体で築きなおす社会

  • 作者: 中田 豊一
  • 出版社/メーカー: 竹林館
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本

現在、僕は上記の中田さんの著書を読んでいる。本書はファシリテーションそのものを扱っているわけではないが、中田さんが関わってこられた国際協力の世界や、講座の中で度々紹介されているファシリテーションの達人・名人にも言及されており、じっくり読ませてもらっている。

僕がそもそもこの講座を受講しようと考えた理由は幾つかある。第一に、僕の職場では「ファシリテーション万能論」に対して懐疑的な意見が多い。僕自身はファシリテーションだけで実績を挙げている事業もあるので、条件さえ揃っていれば万能論はある程度は当っていると思っているが、その仮説が正しいのかどうかを確認したかった。第二に、僕はあまり最近のブログにはあまり書いていないが、職場で自律的な問題解決のプロセスがなかなか起きてこない、インド人スタッフが口では立派なことばかりを言っても実際の行動がなかなか起きないことに強い不満を抱いていて、職場のリーダーたるべき管理職の僕がどう振る舞えばスタッフの行動変革が起きるのか悩んでいたからである。そして第三には、これは今の仕事とは関係がないが、いずれ日本で行われているまちづくり・村づくりの取組みに住民の立場から参画していくに当って自分がどう振る舞えばいいのかを考えてみたかった。

これら3つのニーズは、4回の受講を通じてある程度はクリアになってきたと思う。今回の受講に当っては5万円もの受講料を納めており、そこで学んだことをブログのような公の場で詳らかにすることは控えたいと思うが(多分主催者もそれを望んでないと思うし)、十分に元は取れたと思う。各回の受講の後、日常生活の中で「インタビュー型ファシリテーション」の手法を何度か試してみたことがあるが、そうすることで普段はなかなか聞き出せない相手の本音やなかなか気が付かなかった事実が明らかになるというのを体験した。こういうことを実際経験すると、人に対して物を尋ねるという行為が億劫ではなくなるし、なかなか見えなかった自分の住む地域の問題を明らかにしていく上で、インタビュー型ファシリテーションは相当な威力があるのではないかと思いたくなる。「万能」云々はともかくとして、かなり「有効」ではあると思う。

中田さんは、「伝える内容(メッセージ)と伝え方(方法論)が一致していれば、ファシリテーションは万能」と仰っていた。また、ファシリテーションの研修で、例えば受講者が20人いるとすれば、その中から1人か2人がちゃんと理解してマスター・ファシリテーターになれれば、その後はこのマスター・ファシリテーターが自然にそれ以外の人々に対しても気付きを促していくだろうとも仰っていた。

また、インタビュー型ファシリテーションだけではなく、ワークショップにおけるファシリテーションというのも考えられると思う。今回は一緒に参加した受講者の中に地方自治体の職員の方もいらして、具体的な事例に基づいて検討してみる機会も得られた。僕は自分がそうした自治体主催のワークショップに住民の立場で参加するとしたら、どういう情報が事前に欲しいか、住民負担を期待している自治体側に対して住民側がどう考えるか、そしてどう振る舞うか、等を考えながら講義に参加させていただいた。

職場に復帰して最初にファシリテーションを行う場はどうしても社内での会議ということになるが、どう振る舞うか、どのような質問を参加者にぶつけてコミットメントを引き出していくのかについては、学んだことを思い出しながら試行錯誤をしていきたいと思う。

それにしてもこの1回3時間のコース、最後の2回は22日(日)12時30分から19時まで、途中2回の休憩は挟んだが一気に行われたので大変だった。でも、とりあえず全日程を終えることができ、達成感もあった。18日間という限られた時間の中で、「これはやりました」と胸の張れるものを、活動報告の他に手に入れることができたわけで、今回はホントに時間を有効に使えたなと思う。

聞くところによると、このコースは年々、回を重ねる毎に徐々に進化してきているそうである。僕の受講した6月開講の4回コースは4人しか参加していなかったが、このコースはお薦めであり、今後もできるだけ多くの方に受講していただけたらと強く思う。

【補足】
以下は講座の中で紹介された参考文献である。全部読んだわけではないが、少しずつ読んでいこうと思っている。
ファシリテーション入門 (日経文庫)

ファシリテーション入門 (日経文庫)

  • 作者: 堀 公俊
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 新書


ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ)

ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ)

  • 作者: 堀 公俊
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本


問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座 (Best solution)

問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座 (Best solution)

  • 作者: 堀 公俊
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 単行本


今すぐできる! ファシリテーション (PHPビジネス新書)

今すぐできる! ファシリテーション (PHPビジネス新書)

  • 作者: 堀 公俊
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2006/11/18
  • メディア: 新書


ワークショップ―新しい学びと創造の場 (岩波新書)

ワークショップ―新しい学びと創造の場 (岩波新書)

  • 作者: 中野 民夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/01
  • メディア: 新書


ファシリテーション革命 (岩波アクティブ新書)

ファシリテーション革命 (岩波アクティブ新書)

  • 作者: 中野 民夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/04/05
  • メディア: 単行本


人やまちが元気になるファシリテーター入門講座―17日で学ぶスキルとマインド

人やまちが元気になるファシリテーター入門講座―17日で学ぶスキルとマインド

  • 作者: ちょん せいこ
  • 出版社/メーカー: 解放出版社
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本


地域づくりワークショップ入門―対話を楽しむ計画づくり

地域づくりワークショップ入門―対話を楽しむ計画づくり

  • 作者: 傘木 宏夫
  • 出版社/メーカー: 自治体研究社
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 単行本

 
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