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インドの「南南協力」(太陽光発電編) [インド]

「ベアフット・カレッジ(Barefoot College)」―「裸足の単科大学」の名を持つ大学がラジャスタン州にあるというのは、かなり以前に何かの拍子に耳にしたことがある。また、この大学のことは、先日読んでいた『Making India Work』にも出てきていた。また、その創始者であるバンカー・ロイ(Bunker Roy)氏の名前も、耳にしたことがある。

そのロイ氏が、太陽光エネルギーを開発に利用する試みで評価され、今年のロバート・ヒル賞(Robert Hill Award)を受賞することが同賞を主宰するグローバル・ソーラー・コミュニティ(Global Solar Community)によって発表された。この専門家ネットワークは、今週末にドイツのハンブルグで第24回欧州太陽光エネルギー専門家会議(European Photovoltaic Solar Energy Conference)を開催するが、その場でロイ氏は同賞を授与されることになっている。The Hindu紙が9月29日付第5面で紹介している(「Global honour for barefoot wonder Bunker Roy: For his outstanding contribution to the use and promotion of solar energy for development」)。

記事によれば、同賞は故ロバート・ヒル博士(1937‐90)にちなんで設けられ、太陽光に関して、技術、政策といった様々な側面から優れた業績を上げた人に授与されるという。特に、太陽光エネルギーを利用して生活の質を高める試み、特に電力供給が難しい遠隔地域において健康や生活の安心、経済活動の活性化に寄与した取組みに対して高い評価が与えられるのだそうだ。

今回の選考理由として、事務局側では、ロイ氏の革新的な「ベアフット・アプローチ」を挙げている。これは、世界中にある遠隔地域のアクセスが難しい村落において太陽光を用いた電化を推進する試みで、ラジャスタン州アジメール県ティロニア村にあるベアフット・カレッジに、アフリカやアジア、南米の途上国から研修生を集めて技術者となるべく指導を行なう。しかもこの研修生は主に女性であり、女性が農村の太陽光電化を支えると読んでの人材育成だ。今ではそのアプローチは世界の800ヵ村を越える村々の3万世帯の家族に電力を確保するに至っている。太陽光発電を導入することで、住民は灯油や軽油、ろうそく、トーチ用電池、木材等にかける費用を節約することができる。その規模は1ヵ月5ドルから10ドル程度であると見られている。

BarefootCollege.jpg

ベアフット・カレッジでは、教える側の教員もエンジニアも書かれた教科書は使わない。代わりに、彼らは身振り手振りの組み合わせや視角、聴覚を用い、さらにはパーツを特定するのに色で識別されるといった特殊な手法を用いている。ここで研修を受けたお婆さんが、今では充電コントローラー、インバーター、ソーラー・ランタン等を組み立てや修理も自由にできるようになってきている。これらの研修生が各国に持ち帰った技術知識により、技術的にも財政的にも自給自足が可能なソーラー電化のモデル村が、インド、ブータン、アフリカ、アフガニスタン等で既に形成されているという。

外国から研修生を受け入れる以上、各国での候補者選考とインド政府の入国査証発給が大きな問題となるが、前者については世界太陽光コミュニティ(World Photovoltaic Community)のネットワークが女性の候補者の推薦を行ない、後者に関してはインド政府の南南協力の推進主体であるITEC(Indian Technical Economic Cooperation)が支援を行なっている。インド渡航に係る航空賃とベアフット・カレッジまでの交通費、及び6カ月間の研修に係る滞在費用は、いずれもインド政府が負担している。

2010年末までには、通算140人の女性がベアフット・カレッジでの研修を修了している見込みで、これによってアフリカの最貧困国は全てカバーされることになるのだという。

…とまあ記事の要約はこれくらいにしておいて、この記事を読んでふと疑問に思ったことがある。アフリカの途上国から140人程度の人を集めてきて、6ヵ月の研修を行なうことで、どれくらいのインパクトを各国にもたらすことができるのだろうか。勿論、インドと違ってアフリカの国々は国としては規模が小さいので、1人の研修生といえども国に与える影響はインドの場合とは異なるのかもしれないが、いったい、受講終了した研修生が帰国して1人でどれくらい頑張っておられるのかというのはやっぱり疑問だ。文盲(illiterate)の候補者を選んでいるということからしても、そもそもそれほど大きな影響力がある候補者を選んでいるとも思えない。

アフリカにいらっしゃる方、アフリカに関心を持っておられる方、各国の太陽光発電の普及に関し、インドの影響など耳にされたことがある方は、是非このブログにコメント下さい。
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