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『日本人の知らない日本語』 [読書日記]

日本人の知らない日本語

日本人の知らない日本語

  • 作者: 蛇蔵&海野凪子
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/02/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
日本語ってこんなふうになってたのか!?
思わず「ほ~っ!」の日本語、再発見コミックエッセイ登場!
日本語学校に集まるマジメな外国人生徒たち。
そんな彼らの、外国人ならではの日本語の使い方やギモンの数々は、私たち日本人も知らなかった日本語の一面を教えてくれます。

年明けから新しい現地スタッフPさんを雇い入れることになっている。大学では英語を専攻し、日本に留学してそのまま日本の電気製品小売販売業に就職し、日本語能力検定(JLPT)1級を持っているという才媛だ。僕は面接段階で会っているが、僕らが普通にやっている会話の殆どが理解できるその日本語能力には恐れ入った。面接の過程でJLPT2級を持っている候補者にも面接したが、1級と2級とでは雲泥の差だというのが非常によくわかった。

本書の各章末にちょっとした囲みコラムがあり、その中でJLPT1級クラスの試験問題も幾つか紹介されていた。僕も文章家のはしくれだから、間違えることは殆どなかったが、JLPTとは別の面白問題として紹介されていた助数詞とか変体仮名、難読漢字のテストなどは僕にも全く手が出なかった。日本語教師の奥の深さを改めて痛感させられる。

「シカト」とか「ピカイチ」とか「ボンクラ」というのが任侠用語から来ているというのは僕も知らなかった。本書は実質的には漫画なので、含まれている情報量はあまり多くないが、それでも僕も知らなかった日本語表現の語源や語法、定義等が結構紹介されており、面白かったことは面白かった。あまり紹介するとネタばらしになってしまうので控えたいと思うが、日本にいる頃ファミレスやコンビニ、スーパーに行って耳にする度に違和感を感じた次の表現は、やっぱりおかしいと思う人がいるのだと知ってちょっとだけ嬉しかった。

「こちら、パスタになります」
これを外国人学生に聞かせると、「パスタになるんですか!? じゃあ、今は何?」って突っ込まれるそうだ。
正しくは「パスタでございます」

「お会計、千円からお預かりします」
これを外国人学生に聞かせると、「(擬人化された)千円から何かを預かる」という意味に取られかねない。
正しくは「千円お預かりします」
(以上、p.42)

話が脱線するが、インドに来てお店に入ると、すかさず店員さんが近付いてきて、ものすごい至近距離で客を凝視する。「May I help you?」と言われれば、「Thank you. I'm just looking around.(ありがとう。取りあえず見てるだけだから)」と答えて突き放すようにしているのだが、時々すごくしつこいのがいて、なかなか傍を離れようとしない。挙句の果てに言うのが次のようなセリフである。
「This is a radio.」「This is a T-shirt.」…
「そんなもん、見りゃわかるわっ!!」
って怒鳴りたい衝動に駆られる。そんなんは全然サービスと言わんだろう!!これと同じニュアンスを、日本人のレストラン接客係が言う「こちらパスタになります」には感じてしまう。

さて、それはともかくとしてこの本、そもそも誰に読ませたいと思って書かれたのだろうか。880円と聞いたら一種のコミック本と同じ感覚で買って軽く読んでしまってもいいような気がするが。インドで日本語を教えていらっしゃる日本語教師の方々がこのレベルのものまでをインド人学生から求められているとはちょっと思えないけれども、日本語の言葉がどのような語源から来ているのかを理解しておくことは確かに必要だろうと思う。

もう1つの可能性は、当然ながら1月採用予定の現地スタッフのPさんに読ませてみることだろう。真剣に「勉強になった」というような反応が返ってくるかもしれない。或いは、JLPT1級をクリアしているPさんにしてみれば本書の内容は「ああ確かに!」という笑い話のレベルのことに過ぎなくなっているかもしれない。どちらにしてもPさんには読ませてみたいものだ。
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降龍十八掌

わたしもこの夏にこの本を読みました。
ひらがなが何種類もあるというのは初耳でしたね。確かに万葉仮名はたくさんの漢字を使いますから当然なのですが。
古代の朝鮮・日本語であるカラ語・アイヌ語は南方・インドの影響が濃いのだそうです。
朝鮮語・日本語の文法がタミル語とほとんど同じなのは、昔の民族移動の名残のようです。
by 降龍十八掌 (2009-12-28 09:08) 

Sanchai

☆降龍十八掌さん☆
こんにちは。コメントとniceをありがとうございます。この本は、自分に日本語というものを振り返らせるきっかけにはなった1冊でした。
by Sanchai (2009-12-29 09:53) 

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