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『エンブリオ』(上・下) [帚木蓬生]

エンブリオ (上) (集英社文庫)

エンブリオ (上) (集英社文庫)

  • 作者: 帚木 蓬生
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/10/20
  • メディア: 文庫
エンブリオ (下) (集英社文庫)

エンブリオ (下) (集英社文庫)

  • 作者: 帚木 蓬生
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/10/20
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
【上巻】エンブリオ―それは受精後八週までの胎児。天才産婦人科医・岸川は、人為的に流産させたエンブリオを培養し臓器移植をするという、異常な「医療行為」に手を染めていた。優しい院長として患者に慕われる裏で、彼は法の盲点をつき、倫理を無視した試みを重ねる。彼が次に挑むのは、男性の妊娠実験…。神の領域に踏み込んだ先端医療はどこへ向かうのか。生命の尊厳を揺るがす衝撃の問題作。
【下巻】「男性の妊娠」研究を国際学会で発表し、各国の賞賛を浴びた岸川。彼の高度な医療水準に、アメリカで不妊治療をビジネス展開する大企業が目をつける。最先端の技術と情報を盗むため、巨大組織が仕掛けた卑劣な罠。そして、それに対して岸川がとった恐るべき反撃策とは。岸川の持つ闇が徐々に暴走し始める…。生殖医療の暗部を鋭くえぐり、進みすぎた生命科学が犯す罪を描き出した戦慄の長編小説。
週末読書で一気に上下巻合計560頁の大作を読み切った。帚木作品ではよくあるのだが、最初の3分の2ぐらいまでは展開が極めて緩やかで、そこから一気に息もつかせぬ急展開に至る。上巻は国際学会での主人公・岸川の発表が脚光を浴びるまでが描かれる。モナコで行なわれたその学会の発表が転機となって後半の急展開に至るのだが、前半に存分に打たれた布石が後半になって非常によく効いてくる。国際医療ミステリーとしても十分に面白い。


ただ、僕は上巻を読み終わったところで下巻の最後の2頁を読んでしまったため、展開が読めてしまったのが残念。そもそも上巻の終盤でなんとなく岸川が学会に連れて行った同伴者が怪しいと気付いてしまい、その通りの結末になってしまったのはちょっと悲しかった。

医学的には倫理的にいろいろと議論が出て来そうな領域のテーマではあると思う。学界も法曹界も未開拓の領域なので、これだけの犯罪に手を染めてきた岸川が最後に生き残っているというのはそれはそれでありなのかもしれないが、爽快さだけではなく、ちょっとした後味の悪さは残った。確かに、それで救われた人も多いのであるが…。

長いコメントはやめておく。今、僕は自宅に積読状態で残してある蔵書のうち、明らかに日本に持って帰らない文庫本や新書を読み切るのに努力を始めているところである。帚木作品はもう1冊持っているが、これも近々読み切るつもり。
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コメント 1

jam

こんにちは〜(^-^)
帚木さんの作品、そういえばそうですね。
前半は緩やかに、そして後半、一気に加速する気がします。
先日やっと読み終えた『カシスの舞い』もそんなパターンでした。
残りの1冊は、何をお持ちなんでしょうか?
by jam (2010-03-19 13:21) 

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