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『武士道シックスティーン』 [誉田哲也]

武士道シックスティーン

武士道シックスティーン

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
「ようするにチャンバラダンスなんだよ、お前の剣道は」剣道エリート、剛の香織。「兵法がどうたらこうたら。時代錯誤もいいとこだっつーの」日舞から転身、柔の早苗。相反するふたりが出会った―。さあ、始めよう。わたしたちの戦いを。わたしたちの時代を。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち一本。
僕が高校1年時に高橋三千綱著『九月の空』村上もとか著『六三四の剣』(マンガです)を読んで高校剣道を続ける動機付けになったように、今の中高生が誉田哲也の「武士道」シリーズを読んだら、高校時代の部活動の励みにもなるのではないかと思う。久々に日本に帰って書店で剣道の教本を物色していて感じたのだが、以前よりも教本の点数が増えた気がする。売れるから店頭販売されているのだとしたら、一時に比べて剣道の競技人口は増えているのではないかと思う。

いったん始めた物事がその後続けられるかどうかは、その節目節目でいい出会いがあるかどうかにかなりの部分支配されると僕は思う。僕が小中高と剣道を続けられたのはその時々に様々ないい出会いがあったからである。厳しい先生にかかり稽古で吹っ飛ばされながらも、後ろから「ファイト、ファイト」と大声を張り上げて背中を押してくれたチームメイト、道場の近くのコートや体育館でテニスやバレーの練習をしていたマドンナ、僕よりも入門が後なのに年上だからと先輩面して罵詈雑言を浴びせてきた上級生―――そういうのをひっくるめて剣道を続ける動機になっていたと思う。大学で剣道を続けなかったのは進学によってそれまでの人間関係をいったんリセットし、稽古を再開するきっかけがなかったからだ。逆に、社会人になってから稽古を再開できたのは、米国駐在時代に素晴らしい先生の指導を受ける機会があったからである。無論僕が言う「出会い」とは人との出会いだけではない。いい書物との出会いや、いい試合、いい視聴覚コンテンツとの出会いというのもある。

そうした出会いは多分に偶然に左右されるところもあると思う。だから、僕が自分の子供達に剣道をやって欲しいなと期待していても、始めるきっかけを与えることはできても、稽古を続ける動機が得られるかどうかまでは僕ではコントロールできない。

さて、本日ご紹介の『武士道シックスティーン』は、剣道をやってない人には「剣道面白そう!」と思っていただけるのではないかと思うし、剣道をやっている人には「そう、その通り!」と頷けるシーンが幾つも出てくるので、モチベーションの持続というのに相当貢献できそうな気がする。ストーリー展開としてはありがちで、驚きの結末というわけではない。逆に、そもそもが全国レベルの女性剣士である香織もそうだが、中学から剣道を始めて頭角を現す早苗にしても、そりゃ出来すぎな話でリアリティに欠けるような気はしてしまう。

ただ、剣道に関する記述は的を得ており、読んでいるだけで剣道を多少学べるような気はした。特に、僕が中高生の頃にちゃんとできなかった「間合い」とか「中心を取ること」の意識付けがちゃんとなされていて、こういう小説と中学か高校の時に出会っていれば、自分の部活動での稽古も少し変ったものになったのではないかと思う。(但し、鍔ぜり合いや体当たりからの引き技で1本を取るシーンが妙に目立った点については、引き技は1本になりにくいと当時も今も思っている自分にとっては相当に違和感があった。)

このシリーズ、『セブンティーン』『エイティーン』も発刊になっている。わざわざ買って我が家の蔵書を増やして家族の顰蹙を買うようなことはしないつもりだが、図書館で見かけたら借りて続きを読んでみたいと思う。(当然、今回も近所のコミセン図書室で借りて読みました。)
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