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『武士道エイティーン』 [誉田哲也]

武士道エイティーン

武士道エイティーン

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
高校時代を剣道にかける、またとない好敵手。最後の夏、ふたりの決戦のとき。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、いよいよ天王山!わたしたちは、もう迷わない。この道をゆくと、決めたのだから。
この週末のイッキ読み小説―――。

この週末、「北多摩中学校吹奏楽祭」というのに我が長男が出場するというので応援に行ってきた。中学に入ってできれば剣道をやって欲しいなというオヤジの淡い期待に反し、入学した公立中学には剣道部自体が存在せず、結果長男が選んだのは吹奏楽部。だったら僕が社会人になって最初にいただいたボーナスで買ったテナーサックスを再活用してくれないかとも期待したが、担当することになったのはトランペットだった。

まあそれもいいかなと思う。僕に似て出不精の途を着実に歩んでいるのが気になって仕方がないので、吹奏楽部のような集団で1つのことに取り組む、練習を積み重ねないと成果が出ないような活動に、夏休みに入っても毎日出かけていく我が息子に期待も膨らむ。今回の吹奏楽祭での演奏曲は練習開始したのが1週間前らしく、本人は「未だ吹けない」といい、先輩から「吹けないなら吹き真似しとけ」と言われてそうとはわからぬ程度に演奏に加わってはいたので、心配したほどの出来ではなかったと思う。本番はもう少し先らしいので、それまでに練習をもっと積み重ねて、仲間と達成感を分かち合う経験を是非ともして欲しい。

それにしても、北多摩地区だけで吹奏楽部を持つ中学校がこんなにあるというのは驚きだった。長男の吹奏楽、長女のピアノ、次男の剣道と、違うジャンルで取り組んでいるものが取りあえずはあるというのは、親として忙しさはあるものの、自分自身の知見を広げるにはメリットもあるかもしれない。

さて、本日読了した小説とは無関係の話題で書き始めた今回の記事。話を戻そう。

香織と早苗のライバル関係もいよいよ3年目。成長を遂げた2人がいよいよ高校総体で相まみえる。但し、福岡の強豪校に在籍する早苗は個人戦・団体戦ともに出場というわけにはいかず、また有力な先輩が卒業した香織の学校は団体戦としては辛うじて全国大会出場というレベル。自ずと両者の対戦は団体戦の緒戦ということになるが、そこで難しいのは団体戦で両者が対戦するには両校の選手の出場順の思惑が一致する必要があるという点だ。そこを上手く繋いだのが香織の師匠・桐谷玄明と早苗の学校の吉野監督を関係付けるエピソードである。

3部作も最後の方に来ると、その前に敷かれていた伏線から、クライマックスのシーンがある程度イメージできるようになる。幾つかの伏線が上手く香織対早苗の団体戦での対戦に収束し、さらに個人戦決勝での香織対レナの対戦に上手く繋がっていく。伏線だけやたらと敷かれていながらそれが結末に向けて生かされていない作品が多い中で、実にうまく纏められている3部作だと思う。全国大会レベルで戦うなんてのは雲の上の話ではあるが。

平正眼対中段の構えとか、平正眼対上段の構えとか、実際に平正眼の構えを稽古や試合中にやったことがある人ならすごくイメージしやすいと思う。僕自身は米国駐在時代に上段の剣士とは何度か稽古をしており、試合でも対戦したことがあるが、最近構えについていろいろ考える中で、なんとなく平正眼っぽい構えに変えて稽古に臨んだことが何度かある。結果は小説の中での田原美緒の記述の通りで、簡単に中心が取られてメンを打たれやすくなった。この歳にして今でも構えについては模索中だ。

それと、「引いた時にはまっすぐ下がらない」というのは最近参加した稽古で先生から指導を受けたことで、早苗の動きというのはそういうのが言われずとも出来ていたのだというのがようやくわかった。3部作の最後の方に来て、早苗の動きというのがやっとイメージできるようになってきた気がする。

登場人物の成長が3年間にもわたって描かれ、しかもそれが武道の道を極めんとする一途な思いで貫かれているのはそれはそれでわかりやすく受けやすいストーリーだと思うのだが、高校時代そこまで求道一途な剣士ではなかった僕としては、高橋三千綱著『九月の空』の主人公・勇の、ひたむきだけれどもそのひたむきさが剣道だけに向いていない生き方の方が共感を覚える。全国大会はおろか県大会でもせいぜい4、5回戦ぐらいのレベルの多感な高校生剣士の方がありがちだなと思うし…。
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藍色

てっきり完結編と思い込んで読んだのですが、
それにしては中途半端な感じがしました。
外伝でも何でもいいので、期待して待ってます。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
by 藍色 (2013-05-17 17:16) 

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