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『世界でいちばん長い写真』 [誉田哲也]

世界でいちばん長い写真

世界でいちばん長い写真

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/08/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
内藤宏伸は中学3年生。去年まで大の仲良しだった洋輔が転校したことで、すっかり塞ぎ込んでいた。やりたいことも、話したい相手もみつからず、すべてがつまらない。写真部にはいちおう籍をおいているけれど、同級生で部長の三好奈々恵に厳しく作品提出を迫られ、けれど、撮りたいものもみつからない。そんなある日、宏伸は、祖父の経営する古道具屋で、1台の奇妙なカメラを見つける。それは、台座が1回転して、360度すべてを1枚の長い写真に納められるという風変わりなものだった。カメラとの出会いをきっかけに、宏伸は「世界で一番長い写真」を撮りたいという思いを抱き始める。でも、それだけの長さ、撮りたいと思える被写体って、なんだろう?!
連休入り前に、借りている本は読み終えて返却しておきたいと思い、今週に入って慌てて読んだ1冊。展開が心地よくて一気に読めた。この内容なら今どきの文系男子中学生には読んでみて欲しいと思う。誉田作品の中では、『武士道』シリーズに近い描き方で、読後感もこれに近いものがあった。

引っ込み思案であまり目立たない主人公が卒業を控えた全校イベントを企画し、生徒から推されてリーダーとして仕切るに至るまでの姿は、我が子供達にも同じような体験をしてくれたらと思えるもので、ついでに言えば僕が中学3年の頃に生徒会室や音楽室で何をやっていたのかも思い出させてくれた。放課後に生徒会室で会議をやったり、或いは謝恩会の準備で音楽室でバンド演奏の練習をやって、6時過ぎに暗くなってから自転車で帰宅するといった僕の経験は、本書を読めばうちの子供達にも想像してもらえるものだろう。(但し、僕は一緒に残っていた女子生徒を家まで送っていくという経験は中学時代には一度も経験したことがないが(苦笑))。本書を読んで懐かしかったことは懐かしかったのだが、読者としての僕の年齢は本書をじっくり味わうのをあまり許さない、読むのに恥ずかしさもあるので、とっとと読んでとっととメモしておくしかない。うちの子供達には是非とも読んで感想を聞かせてくれることを期待したい。

誉田作品としては『国境事変』を読んだばかりだったので、警察・公安を舞台としたハードな小説と中学を舞台としたソフトな小説と、誉田哲也という作家の幅の広さには驚かされる。主人公が中学生だからといって喋り方がここまでチャラいのかというので戸惑いも覚えるし、従姉のあっこや写真部長の三好、陸上部の安藤といったキャラの立った割と美人系の女性が周囲にいるというのもそんなにあり得ないと思うのだが、小説とはかくなるものなのだろうね。

カテゴリーに読書「日記」と銘打っているので少し余談を述べておきたい。最近、うちの子供達が江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズや有川浩『図書館戦争』を借りて来て時々読んでいる姿を見かけるようになった。学校の文庫に星新一の作品を何冊か見かけたと教えてくれるようなこともあった。そうです、そんなところからでもいいから、小中高生の頃にはできるだけ多くの作品を読んでくれたらとオヤジは期待しています。読者としての適齢期を逃すと、オジサン・オバサンになってからでは恥ずかしくてゆっくり味わえない本というのもあるのだから。
タグ:誉田哲也
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