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『アリアドネの弾丸』 [海堂尊]

アリアドネの弾丸

アリアドネの弾丸

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
東城大学病院で再び殺人事件が!「この事件はすべてが不自然すぎる。絶対にどこかがおかしいんだ」東城大学病院に導入された新型MRIコロンブスエッグを中心に起こる事件の数々。さらには、病院長に収賄と殺人の容疑がかけられてしまう!殺人現場に残されていた弾丸には、巧妙な罠が張り巡らされていた…。不定愁訴外来の担当医師・田口公平が、駆けつけた厚生労働省のはぐれ技官・白鳥圭輔とともに完全無欠のトリックに挑む。
久し振りに海堂尊作品を読んだ。1年前に『ブレイズメス1990』以来じゃないか。最近TVドラマなんて滅多に見ないから情報に疎かったのだが、只今毎週火曜日夜22時からフジテレビ系列で『チーム・バチスタ3』が放送されており、その原作本が『アリアドネの弾丸』というわけ。
*番組公式HPのURLはこちらから!
 http://www.ktv.jp/dangan/index.html

ただ、主題は同じだが、原作とドラマとでは全く展開が違う。展開だけではなく、登場人物のイメージが全く違う。東城医大病院法医学教室の笹井先生は、原作では男だが、ドラマでは小西真奈美が演じているし、宇佐美捜査官は原作ではかなり怪しい土佐弁を話す警察庁のベテラン捜査官になっているが、ドラマでは福士雅治が演じている。同じく警察庁の北山審議官というのも、原作では退職間近の元高級官僚という設定だが、ドラマでは現役バリバリだ。原作では余計なキャラが相当に出て来ているので、それを整理したらドラマはこんな形のストーリーになるのかなと思う。それぞれ別の話だと考えたら、2度楽しめます。

個人的には原作の方が好き。ドラマはドラマで作られ過ぎているような印象を受けてしまう。原作の結末を知っていたからといっても多分役には立たないだろうが、AIの技術的なところを謎解きのトリックに使えておらず、ただのミステリーになっているところがドラマの好きではない点だ。

しかし、原作の方も医療ミステリーとしては『チーム・バチスタの栄光』以来で面白かった。多分誰もが『チーム・バチスタ~』との比較でこの作品を評価するだろうが、火喰い鳥・白鳥君の「ロジカル・モンスター」ぶりは初登場の『チーム・バチスタ~』からするとトーン・ダウン気味だし、彦根や桧山シオン、桜宮の一族を登場させる意味があったのかどうかもよくわからない。要するにキャストを生かし切れていないと感じるところが多かったのだ。まあ、それはここんところの海堂作品に共通して感じる粗さなのだけど。せめて本にする前に編集段階で雑な部分については解消しておいてほしいものだ。

僕自身、このところ海堂作品はご無沙汰だったので、次々と新しいキャラが登場する度に、「あれ?これ誰だっけ…」という疑問が湧いてきて、頭の中がゴチャゴチャになってしまった。間が開き過ぎて人物相関図を忘れてしまったのが悔やまれるといえば悔やまれる。昔読んだ作品を今さら読み直す気にもなれないし…。

そう考えたら、主要登場人物の数をもう少し絞り込んで、それぞれの背景についてしっかり描き込んで欲しいという気もする。極北市民病院の破綻と再建の話が出てくるが、そもそもこれを描いた『極北クレイマー』は朝日新聞出版社から出ており、今回の宝島社とは異なる。出版社が異なるような作品の間でキャラの使いまわしをするのであれば、それなりの背景説明をして欲しいと正直思う。或いは、出版社毎で登場人物をグルーピングして作品にも登場させるような工夫をしてくれてもいいかもしれない。

いい加減、「ジェネラル」速見を再登場させてくれないかなと思う。
タグ:海堂尊
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コメント 2

PACS

電子カルテは手書きカルテより便利だし、含めっている情報も多いし。
患者と病院、両方ともにとっていいものですね~
確かに科学進歩のおかけです。

by PACS (2011-12-14 18:35) 

Sanchai

電子カルテの話など、ひとことも書いていないんですけどね。
by Sanchai (2011-12-14 19:49) 

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