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経験の体系化 [仕事が好き]

【自分の経験をまとめる】
昨日の記事でもご紹介した通り、僕は今、会社の大先輩Tさんの遺稿集を読んでいるところである。元々我が社の中でも学究肌の方だったので、ふだんから自分のやってきた活動を振り返り、それを文章にまとめて整理しておくことを自ら実践されていた。いわば自分自身の持つ暗黙知を文字という形式情報に変換して、誰でも活用できるようにする取り組みだったと思う。

残念なことに今から10年前にお亡くなりになってしまったが、Tさんが提唱されていた「事業経験体系化研究」は、名前は変わってもその理念を今に伝える取組みは社内でも続けられている。「事業経験体系化」という言葉自体は、社内で浮き沈みを繰り返し、別の言葉で言われることが多いが、よくよく見ていくと「事業経験体系化」のことを言っているのではないかと気づくのである。僕も今こうした作業に本格的に関わろうとしているが、別の名前で言われるこの取組みは、今の職場の中では「それは「研究」じゃない」とおっしゃる方もいて必ずしも十分な理解が得られているとは思えない。そういう人々の理解を得るのには、Tさんの遺稿の数々は非常に有用であり、読んでいて力づけられる思いがした。

5日(月)、会社の別の大先輩Yさんが訪ねて来て下さった。Yさんにはこれまた10年前の米国駐在時に現地でお世話になって以来、勤務地が重なったことは一度もないが、いろいろ気にかけて下さり、今はもう退職して広島方面の某大学で教鞭をとっておられる。

Yさんもまた、中央アジアのとある国に専門家として赴任されていた2年間のご経験とその中で感じられたことを文章にまとめられていた。これも1つの「事業経験体系化」だ。Yさんの今回の状況の目的は、その原稿を出版社に持ち込んで、書籍出版を検討してもらおうということだった。お話をうかがいながら、こうして会社の先輩の方々がご自身の経験を形式知化しようと努力されている姿には胸を打たれるものがある。見習わねばと思いつつも、忙しさにかまけてそれをちゃんとやっていない自分が恨めしくも感じることがある。

【まとめたものを形にする】
そのYさんが訪問された出版社の編集長さんを紹介して下さるというので、夕食をご一緒する大変貴重な機会をいただいた。僕はインドで関わった事業の1つについて、その立ち上げに至るまでの2年間の経験をそろそろ文章にまとめて記録に残しておかないかと当時これに関わった人々を口説いているところだが、そうした本は出版社サイドから見て取り上げて下さるのかどうか、感触を聞いてみたかったのだ。

結果を言うと、①お金を払って買ってまで読んでくれる人がどれくらいいるのか、想定購買層を限定してしまうほどテーマを絞り込み過ぎていないか、②原稿もない企画書段階では話にならず、先ずは原稿を書いて持ってくること、などとのアドバイスをいただいた。テーマを絞り込み過ぎずにある程度の購買者数を想定しようとすれば、単に関係者ひとりひとりが原稿を分担執筆してそれをホッチキス止めするのではなく、その事業に限定しないインドの特定社会問題の概観のようなものも加えて、最初から最後まで展開できるストーリーのようなものが必要だという。また分担執筆だと筆が遅い人に全体の作業工程が引っ張られるので、いつまで経っても原稿が出来上がらないというリスクもある。そして、1冊分の原稿を書き上げて持ち込まれれば、その努力に敬意を表し、出版社としては門前払いをすることはないのだそうだ。

こうした条件を総合して考えると、1人の執筆者が一気通貫で原稿を書き上げるのが本当はいいのだという。言い出したのが僕自身なので、そんな作業をやれる第一候補は僕なのだろうが、これまでの半年間でA4用紙120枚余りの原稿を書き上げるのにあれだけの時間と労力を投入した直後だけに、この点についてはすぐには覚悟が決められないでいる。せめて、僕自身が執筆分担で担当しようとしていた箇所ぐらいは早めに書き上げておくのもいいかもしれないとは思うのだが…。

原稿を寄せ集めるだけでは事業経験の体系化にはならない、体系的にするためには、関係者の経験を整理し、後の人たちが同じような事業の立ち上げを考える場合にいつ何をどうしたらいいのかがわかるような形になっていることが必要だ。ただ、出版サイドからすると、これでもまだ想定読者を絞り込み過ぎた内容だと見えるに違いない。売れる本にするためには、セクシーなタイトルをつけることから始まり、多くの人が読みたくなるような中味にしていく努力も必要なのだという。

今日は「事業経験体系化」に絡めて最近の出来事をまとめてみた。執筆に踏み切るかどうかは少しだけ考える時間が必要だが、取りあえずは出版社の方とのコネもでき、有意義な1日だったと思う。
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