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『家族の分け前』 [森浩美]

家族の分け前

家族の分け前

  • 作者: 森 浩美
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2011/05/18
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
『家族の言い訳』シリーズ第4弾!初めは照れくさく、そのうち面倒くさくなり、いつしか伝える言葉も忘れてしまった。夫婦同士、親が子を、子が親を思う気持ち。大事な思い。けれど、確かにそこにある。家族の絆、再生の物語。
あまり公に披露するような話でもないが、くせ毛の僕は朝風呂派で、毎朝早起きして6時頃から約30分間湯船に浸かることを日課にしている。多少開始時刻は後ろにずれるが、このパターンは週末であってもあまり変わらない。湯船にゆっくり体を浸し、お湯が冷めないよう蛇腹式のふたをなるべく締めて過ごす。長時間浸かっていればそれなりに汗も出てくるし、体も芯から温まる感じがする。

どこで聞いたかは思い出せないが、お風呂を勉強の場としている人もいる。蛇腹のふたをしてその上に本でも広げれば、体を温めながら30分程度の読書タイムにすることはできそうだ。勿論、風呂掃除の直後とか、誰かが先に風呂に入ったりしていると、ふたも濡れていて本の置き場に困る。従って、風呂で読み物をやるなら、朝をおいて他にはない。

但し、体が完全に目覚め切っていない朝に風呂で専門書など読んでいたら眠気が襲ってくるのは当たり前のことだ。僕は従って、専門書を風呂で読むことは少なく、多くはストーリー展開によっては読んでいて逆に目が覚めるような小説を読むことにしている。20分程度で読み切れる短編小説ばかりを収録した作品集なんてベストだ。

森浩美作品は、そうした状況で読むのには適している。1話がだいたい40頁程度なので、1風呂1話ペースで読めるわけだ。30分という時間は、1時間単位で仕事を考えている僕にとっては短すぎる。そのため、30分程度のまとまった時間であれば、風呂であろうがなかろうが、小説を読んで過ごすことが多い。通勤電車もちょうど30分程度の乗車時間になる。逆に、コーヒーショップは1時間単位で考えているので、小説を読むよりもちゃんとした勉強や仕事の時間に充てている。

繰り返すが、森浩美作品は、30分程度の余った時間をつぶすにはちょうど良い分量の短編を平均8編収録したというものが多い。しかも、それらが日常生活のなかでも意外とありがちな話を当たり前の感覚で描いているので、スラスラ読めるのである。

だが、ここ半年ぐらいの間に森浩美作品を何冊も読んでしまったので、彼の作風もだんだんパターンがわかってきてしまったような気がする。ほぼどの作品にも言えることだが、仕事にせよ、夫婦関係にせよ、家族親戚との関係にせよ、最悪で八方ふさがりの状況から話はスタートし、さらに事態は悪化する方向に展開するが、最後にちょっとしたきっかけがあって、この先はちょっとだけ明るくなるかもしれない、そんなポジティブな「その後」を示唆して読者をホッとさせて終わるのである。

このパターンがわかってくると、読んでいて新鮮さに欠ける。薬も慣れてしまうと効かなくなるのと同じで、同じ作家の作品を読み過ぎると、先のストーリー展開が見えてしまい、ワクワク感が乏しくなるのが残念だ。たまに劇薬も欲しいななどと考えてしまった。実際の人生に、劇的な展開などそうそうないというのはわかっているが、読者が小説に求めているのは「あるある感」に基づいた共感ばかりではなく、実際の自分の生活では味わえないようなスリリングな展開とバラ色の結末だったりもする。閉塞感が漂う今の自分の生活を、どうやったら変えられるのかのヒントだったりもするのだ。

閉塞感を与件として大きくは変わらないけど今よりは少しだけ良いかもしれないという程度の未来を示唆されても、嬉しくもない時もある。

スミマセン。森浩美作品を今まで一度も読んだことがない人がこのブログの記事を読んでも、その作品を読もうという気になれないかもしれないですね。でも、多分、一度も読んだことがない人、いや普段あまり小説は読まないというような人であれば、僕はこの作品は薦める。
タグ:森浩美
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