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『2022-これから10年、活躍できる人の条件』 [読書日記]

2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)

2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)

  • 作者: 神田 昌典
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/01/19
  • メディア: 新書
内容紹介
「あと数年で会社はなくなる」、「中国は2025年まで発展、日本は2020年以降、崖から転がるように落ち込む」、「iPhoneは2016年に製造終了」……本書で語られる、衝撃的な予言の数々だ。 客観的にみれば、日本を取り囲む状況は、真っ暗。にもかかわらず、「これからの日本は、チャンスに溢れている」と著者は言い切る。しかし、それは「今希望を描き、行動を起こす」ことを選んだ人のみ。つまり、今この瞬間のあなたの選択こそが、これから10年、活躍できるか、後悔する人生を送るかのターニングポイントなのだ。
「これからの10年はどうなる?」、「日本人だけがつかめるチャンスとは?」、「若手ビジネスパーソンが今、すべきこととは?」、「30代・40代の役割とは?」……答えはすべて、本書の中にある!
カリスマ経営コンサルタント・神田昌典が満を持して送る渾身の人生論、ついに完成。

2ヵ月ほど前、何か別の本を購入するついでに、なんとなく勝った神田昌典の著書。僕は元々食わず嫌いなところがあって、こういう超多作の人の本は読まないことにしている。ましてやわざわざ金を払ってまで買って読むわけもない。それでも読みたきゃ図書館で借りればいい、そう思っている。

それでも本書を買ってしまったのは、タイトルに惹かれたからで、ましてやブログで本書を紹介されている方がいらしたのをたまたま読んだからでもあった。民主党と野田政権が迷走している一方で、自民党や公明党が支持できるかといったらそういうわけにもいかない。選挙で投票したいような候補者もいない中、僕らは自分達の身は自分達で守っていかなければならない。これまで僕らを含めた古い世代の人々がさんざん公費を使ってやってきたことのつけは、確実に子供達の世代に跳ね返ってくる。原発を作ってしまったつけも、環境を壊したつけも、全て次の世代の子供達に受け継がれていく。そんな中で、親の庇護もなく生きていかなければいけない子供達に、生きて行く力をどうつけさせるのか―――。

究極的には本人達に委ねられる答え探しだとは思うが、親としては何らかの指針、方向性ぐらいは示してあげたい。そういう意味では子供達本人が本書を読めばよい。僕ら親の世代としては当然読んでおいてそれらしい含みを持たせた誘導はするかもしれないが、後になって子供達が本書を読んでみて、親の意図を確認してくれたらいいのではないかと僕は考えた。本書をわざわざ金を出して購入した理由を敢えて挙げるとしたら、そんなところだろうか。子供達が僕の書棚を眺めてみて、ぱっと気になるタイトルの1冊には違いない。

読み応えのある本であることは認める。ただ、基本は著者がこれまでに読んだ文献の受け売りで構成されている。歴史の70年周期説も、人口動態予測から今後の経済動向を見るのも、利益追求型からNPOによる産業化も、セルフ・オーサーリング・マインドも、いずれも原典がある。著者は自分が元々持っていた問題意識に対してクリアな答えを見出せるきっかけを与えてくれたのがそれらの原典だと認めているが、オリジナリティがある考え方では必ずしもない。しかも、著者が引用している文献に書かれていることや紹介しているイニシアチブがベストだとどうやったら実証できるのか。著者が第5章のエクスフォーメーションの重要性を示す事例として持ってきているのは米国発祥のTEDだが、何故TEDなのか、他に事例はないのかという説明はあまりされておらず、著者がたまたま知り得た事例を持ってきたに過ぎないのではないかといううがった見方もできてしまう。(勿論、フォトリーディングの日本での先駆けとなった人で元々多読な人だから、幾つかの選択肢を比較考量した上でのベストの選択を本書に盛り込んでいるのだろうとは思うが…)

著者の「インフォメーション」と「エクスフォーメーション」の議論は、僕らがよく言う「インプット」と「アウトプット」というのによく似ている。最大の効果的学習法は人に教えることだというのも僕らは経験的によく知っており、要は人に対して話す時にはそれなりの目的意識を持った勉強を心がけるのでいちばんよく覚えられるということだ。ブログのようなアウトプットの手段もそうで、ブログがなければこんなに本を読んだりもしていなかったと思う。(僕には他に職場の自主勉強会のような読書会という手段もあって、これも強制的に自分に文献を読ませるのには大いに役立っている。)

人口動態を持ち出した時点で、これから消費が伸びる成長産業が「健康」、「医療」、「介護」、「旅行」、「スポーツ施設」、「宗教」などであると著者が述べるであろうことは想像できてしまった。論拠としていた文献が僕らがよく引用する有名なやつとは違っていたので、その点では意外感はあったが、結論としては予想の範囲内だった。

これに限らず、著者が脚注で出所を明らかにしている文献は、一度読んでみたいと思った。

ここまでこれから社会に出る我が子供達の視点で述べてきたが、2022年までの向こう10年間は、僕自身も働き続けなければいけないので、近未来を見通すことは僕にとっても重要だ。そういう意味でいうと、会社における自分と、社会における自分を考えるのにも本書は示唆を与えてくれた。この部分を書き始めると僕のことを知っている方々に要らぬ詮索をされるので、具体的に書くのは割愛したいと思う。

いろいろなところにある良質の文献やアイデアを持ってきて持論に加工してアウトプットするというやり方が展開されている本書は、一見すると「しっちゃかめっちゃか」という言葉で形容することができそうだ。まあ各論の部分ではそれらの多くは支持できるものであり、誰もが読んでみて損はない。ただ、アイデアのつまみ食いのようなことが行なわれているため、一見すると全体としてのまとまりが良くないという印象も受けた。著者の意図はこれからの10年間をどういう年齢層で過ごすのかによって意識の持ち方にも違いがあり、例えば今後40代で過ごす人は第6章だけ読めということになるのだろう。そういう、対象読者層を年齢層で輪切りにして、別々の章を割り振るというやり方なら、読者はそれぞれ興味のある章を読むだけでもいい。章毎のまとまりはそこそこあるので、わかりやすい読み物にはなるだろう。

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