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『家族ずっと』 [森浩美]

家族ずっと

家族ずっと

  • 作者: 森 浩美
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2012/04/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
累計30万部を超す著者の家族小説シリーズ、第五弾。ひと月前に再婚した夫には女の子の連れ子がいる。まださん付けで呼ばれる私は授業参観の日が近づき、遠慮と希望が入り交じった複雑な気持ちになる。そして母の日が来て……。「ピンクのカーネーション」など、親子のあり方を見つめる8編。
先週、集中して読書をしたいと思って駅前の図書館に2時間ほどこもったことがあったが、その際に同じフロアにあった文学文芸の書架を何気なく物色していて、森浩美の新作が所蔵されているのに気がついた。善は急げだと思ってすぐに借りて、週末から週明け15日(月)朝にかけて読み切った。8編が収録されていて区切りが良いため、朝、お風呂で湯船につかりながら1編、トイレで踏ん張りながら1編、出勤前に1編、帰宅後、夜、消灯前にもう1編――といった具合にコツコツ読み進めることができる。

毎回書いていることだが、森浩美作品は、目線が僕らと同世代の父親または母親であることが多く、そこが作品に入っていきやすいのだと思う。同じ家族を扱っていても、重松清の作品は子供の目線から描かれていることも多いし、また僕らと同じ40代の男性または女性が主人公だったとしても、その視線が子供達に注がれるだけではなく、年老いた自分達の父や母に注がれるという作品が多い気がする。家族を主題にしつつも、森浩美の場合は描かれている作品のパターンが決まっている。だから、マンネリ化する危険性が常にあるように思う。(但し、僕ら同世代の男性にしても女性にしても、心理を掴んで描写する手法は、森作品の真骨頂である。)

そう考えると、個人的な印象論になってしまうが、森作品にしてはちょっとハズレが目立った短編集だという気がした。序盤に収録されていた「ピンクのカーネーション」は確かにいい話で、読んだらウルッと来た。同じ感想を持たれる方は多いだろう。でも、その後がいけない。後続の作品に「ピンクのカーネーション」ほどは心に響いて来なかった。

その理由の1つは、父親に対して大学生や高校生の娘が投げかける心ない言葉や、妻の言動、逆に立場を変えて母親の家事での献身に対して夫や娘・息子が吐く思いやりのほとんど感じられない言葉など、今どきの家族の会話ってこんなに思慮に欠けるものなのかと、違和感を感じたからである。(我が家ではここまで極端な事態はあまり経験したことがない。)最近の子供たちは、父親や母親に対してここまで言っちゃうんだろうか。そう思うと少し寂しくなった。勿論、森作品でおなじみの、少しだけ明るい未来を想像させるエンディングにはなっていたものの、十分な後味の改善には繋がらなかった。個人的な見解に過ぎないが。

ただ、舞台として吉祥寺、三鷹、武蔵境、武蔵小金井あたりがよく登場するのはちょっと嬉しい。

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