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『家族往来』 [森浩美]

家族往来

家族往来

  • 作者: 森 浩美
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2013/01/16
  • メディア: 単行本
内容紹介
弟が突然仕事の帰りに訪ねてきた。結婚の報告とともに言われたのは「姉ちゃん、コロッケ作ってくれないか」。実はコロッケには姑にいじめ抜かれて苦労した亡き母と、幼き姉弟との切ない思い出があった(「コロッケ泣いた」)。胸を打つ家族の情景。著者の家族シリーズ第6弾!
兼ねてから述べているように、近所の図書館の蔵書にはそれぞれ特徴があって、この作家の作品ならどこどこというのがある程度は決まっているように思われる。例えば、三鷹市立図書館でも、辻内智貴作品は駅前分室の品ぞろえが抜群に良いし、森浩美作品なら本館である。逆に、うちの近所にあるコミセンの図書室は、規模の割には重松清や海堂尊の品ぞろえが良いが、辻内智貴や森浩美の作品はまったく置かれていない。

それなのに、この森浩美の近刊本は、なんとコミセン図書室の新着本の棚で発見した。ここのところ専門書の読み込みが続いていたので、週末の息抜きに読んでみようかと思い、コミセンで借りることにした。

収録短編数は8編なので、1編当たり30頁程度と、朝風呂だとかトイレのひと時とかを利用して1編また1編という感じでどんどん読み進めていける。先週末は結局忙しかったこともあって週末だけでは読み切れなかったけれど、週明けに持ち越した分量も大したことなく、あっという間に読み終えてしまった。中高生以上向けの読み聞かせ、ラジオドラマなどにはちょうど良い長さの作品が多い。元々森作品は高校入試の国語の問題で使用されるものも多いそうで、なるほど読んで少しばかり言外の意味を想像させる作品が多いという特徴がある。リストラだったり、家業の業績悪化だったり、離婚だったり、嫁姑の関係のこじれだったり、父と娘の関係だったり、家族の間では話題になったり問題として持ち上がったりすることがいろいろある。それを「ああまだこういう切り口があったか」と唸らされるような状況設定で描いていくので、ある程度のインターバルを取りながら読むのにはちょうど良い短編集が多くなっている。今回は、

この本で、著者は以前に書いた作品の続編的な物語や、以前登場した人物を再登場させるという仕掛けをほどこしたとあとがきで述べている。そういう連作短編を書く作家ではなかったので、このあとがきは不意打ちに近い。どの作品が過去のどの作品と繋がっているんだろうか。収録短編の1つ「心のくしゃみ」に出てくる母娘は、どこかで登場していたかもしれないなと思うのだが…。あと、場面設定が二子玉川になっている作品は、以前もう1つあったように記憶はしているが、今さら以前の森作品を読み直してみる気にもなれず、仕掛けを見破るスリルは、暇な時のためにとっておきたい。

さて、本書の収録作品の中でも特に泣かせるのはやはり「コロッケ泣いた」であろう。

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