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『花咲舞が黙ってない』の原作 [池井戸潤]

新装版 不祥事 (講談社文庫)

新装版 不祥事 (講談社文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/11/15
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
ベテラン女子行員はコストだよ―そう、うそぶく石頭の幹部をメッタ斬るのは、若手ホープの“狂咲”こと花咲舞。トラブルを抱えた支店を回って業務改善を指導する花咲は、事務と人間観察の名手。歯に衣着せぬ言動で、歪んだモラルと因習に支配されたメガバンクを蹴り上げる!新ヒロインの活躍が痛快なオフィス名編集。

新装版 銀行総務特命 (講談社文庫)

新装版 銀行総務特命 (講談社文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/11/15
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
帝都銀行で唯一、行内の不祥事処理を任された指宿修平。顧客名簿流出、現役行員のAV出演疑惑、幹部の裏金づくり…スキャンダルに事欠かない伏魔殿を指宿は奔走する。腐敗した組織が、ある罠を用意しているとも知らずに―「総務特命担当者」の運命はいかに!?意外な仕掛けに唸らされる傑作ミステリー。
先週から日本テレビ系列でドラマ『花咲舞が黙ってない』が始まった。『半沢直樹』以来の銀行を舞台にした池井戸潤作品だし、NHK朝ドラ『ごちそうさん』終了後の杏さんの主演ドラマということもあって、開始からある程度は視聴率が稼げるだろうと見られていたドラマだ。平日午後10時の放送時間帯だと、最近の僕では帰宅して見るのは間に合わない可能性が高いが、ビデオ録画しておいて週末にでも見ようかと考えてはいる。

先週、月曜日から海外出張に出かけていた。またしても中米だったので、月曜に成田を出発してそのまま月曜お昼の到着となる。そして月曜から木曜まで働き、木曜深夜出発の給油時間込みで17時間のフライトで、成田に戻ってきたのは土曜日の朝だった。時差ボケに加えて出張先が海抜2200メートルの高地だったこともあり、眠りが浅く、夜何度も目が覚め、頭痛にも悩まされた。日中の仕事に加えて、別の仕事も持ってきていたので夜や早朝もホテルの自室で仕事した。その仕事も木曜日にある程度片付いたので、帰りのフライトは仕事のことは一時忘れようと考えた。そこで、ホテルを出発する前に小説の電子書籍を2冊ほど購入して、機内で読んでしまうことにした。こういう時だけは、電子書籍リーダーKindleを持っているのは便利だ。

選んだのは、『花咲舞が黙ってない』の原作である、『不祥事』と『銀行総務特命』の電子版。元々前者は主人公が花咲舞なので、ドラマの原作としてそのまま生かしうる設定だと思う。舞台は本店事務部の臨店検査チームで、主に検査で見るのは銀行営業店の預金、出納、テラーといった業務である。そういうチームが営業店を巡回していたのは一時銀行営業店勤めをしたことがある僕にはしっくりくるところがある。でも、後者で描かれているような総務部の特命チームが実在するのかどうかについては僕にはよくわからない。銀行組織の中に不正や犯罪を調べる調査班を常設しなければならないというのは、行員の母数が大きくて扱う金額も大きいメガバンクだったらあり得るかもしれないが、なにせ僕が勤めていたのは地方銀行だから。

それにしても、ドラマに登場する花咲舞が支店の花形テラーだったという設定からスタートするのであれば、どうやったら総務部特命のような仕事にまで関わるようになるのだろうか。銀行でのキャリアパスとして、テラー出身者が融資絡みの巧妙な不正操作を見破らなければならない部署に行くことなんて、あるとはとても思えない。そもそも、この2作品は、舞台となっているメガバンクが異なるし、共通して登場するようなキャラは1人もいない。(強いて言うなら「白水銀行」というライバル銀行は共通して登場するが。)なので、この2作品をくっつけて1つのドラマに仕上げるのは相当至難の業だと言わざるを得ない。

それに、この2作品、テーストがかなり違う。『不祥事』の方は、タイトルは仰々しいが内容的にはコメディ的要素も含まれ、まさに『花咲舞が黙ってない』のドラマにうってつけの世界なのだが、『銀行総務特命』の方は、はるかにサスペンス性が強く、重厚感が漂う作品だ。ある程度は守秘義務を伴う行内調査チームを描いていて、花咲舞のような直情径行型のキャラとは雰囲気がなかなかフィットしないような気がする。ドラマのプロデューサーは、このテーストがあまりに異なる2作品を、どうやってつなぎ合わせようとしたのだろうか。ドラマでの今後の展開を見守るしかない。

僕も1990年代はじめは銀行員で、営業店勤務していたので『不祥事』で描かれる風景はイメージしやすかった。当時はかろうじてバブルが続いていた頃で、現在ほどリストラ、コストカット云々はなかったので、作品ほど極端な話は僕は直接経験したことがないが、時代の違いなのでしょうかね。逆に、『銀行総務特命』の世界は、僕は垣間見る前に僕は銀行を辞めてしまったのかもしれない。

しかし、池井戸潤さんが描く銀行は、派閥争い、罪のなすり付け、左遷等等、とにかくイメージが悪い。ストーリーとしては痛快だが、ワルばっかりというレッテルが銀行に貼られないといいけどと、今も銀行で働いている僕の元同僚や同期の方々のことを慮って僕は心配している。

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