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『夏への扉』 [読書日記]

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: ロバート・A. ハインライン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。

今月初旬に星新一の生涯を扱ったルポを読んだ際、なんとなく、ハインラインのSF小説を読むなら今だろうなという思いがして、急に読みはじめた。僕がハヤカワのSF文庫など読むのは高校時代にクラスメートから貸してもらってエドモンド・ハミルトンの「キャプテン・フューチャー」のシリーズを何冊か読んで以来ではないかと思う。SF文庫自体は、僕が学生時代にアルバイトしていた神田の某大型書店で何度も棚で見かけ、その中にはアーサー・クラークとか、アイザック・アシモフ、H. G. ウェルズなどの、気になる作品が陳列されていた。

ハインライン作品もその中の1つ、特に『夏への扉』は、まるでSFとは思えないさわやかなタイトルが印象的だった。それから25年あまりが過ぎ、今年になってようやく、「ロバート・ハインライン」が再び僕のアンテナにヒットしてきたのだ。

タイトルの響きからはあまり想像しづらいが、これは未来小説だった筈である。1970年を過ごす主人公ダンが、友人や恋人に裏切られて嫌気をさしてコールドスリープで30年後の西暦2000年に再び目覚める。そこで、コールドスリープに入る前の周囲の状況からすると説明がつかないような出来事にいくつも気付き、2000年当時既に軍が密かに開発を試みていたタイムマシンを利用して過去に戻って現在と過去の間に横たわっていた矛盾を解きほぐすという話。

これだけ見てわかるように、著者は1970年代にはコールドスリープが実用化されていると予想し、2000年にはタイムマシンも試作品だけど出来上がっていて、時間旅行が一応できる状況にはなっているという予想をしているわけだ。著者がこの作品を発表したのは1956年らしいので、1970年の姿にしても、2000年の姿にしても、予想に過ぎない。また、作品発表当時の米ソ間の緊張の高まりが背景にあってのことだろうが、「六日間戦争」というのがあって東海岸の都市が既に壊滅しており、70年当時、米国の首都がコロラド州にあることになっている。

こうして、著者の未来予想がどれくらい現実のものになっているのかを考えながら読むのは楽しかった。タイムマシンはともかく、コールドスリープは海堂尊の小説でも出てくるし、意外と実現は近い未来かも。

ただ、僕はこのSF小説の読み方で大きな反省を強いられた。

今回初めてスマホで電子書籍版をダウンロードして会社からの帰りの通勤電車の中で読んでみたのだが、画面が小さくて一度に表示できるページの文字数が極めて少ない。序盤のものごとのスローな進展がストーリー全体の中でどういう位置づけにあるのかが掴みにくく、読み進めるのに非常に時間がかかってしまった。焦れた僕は、他の読者の感想・レビューをチラ見して、読み続ける勇気をもらった。皆さんおっしゃるように、終盤の進展が速く、しかも「ド」が付くほどのハッピーエンド。その面白さは読むには十分値する。

でも、小さなディスプレイのスマホは、読書には全く向かない。キンドルの方がよっぽどましだけど、いずれにしてもその本の全体の中で今読んでいるページの位置づけというのは、電子書籍では把握がしづらい。電子書籍の弱点をまざまざと見せつけられる読書となってしまった。

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