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『宇喜多の捨て嫁』 [読書日記]

宇喜多の捨て嫁

宇喜多の捨て嫁

  • 作者: 木下 昌輝
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/10/27
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、下克上で成り上がる戦国大名・宇喜多直家。その真実の姿とは一体…。ピカレスク歴史小説の新旗手ここに誕生!! 第92回オール讀物新人賞受賞作。
木下昌輝作品は、今月中旬にご紹介した『決戦!大坂城』での真田幸村を描いた「日ノ本一の兵」に続いて二度目となる。今月は歴史小説も読んでみたわけだが、よくわかったのは、自分が土地勘のない地方や人物を舞台とする作品はちょっと読むのに苦労するということだった。戦国から安土桃山の時代の小説は今まで何冊も読んできたけれど、さすがに備前、美作の勢力配置図はよくわからない。しかも戦国時代にはありがちだが小さなエリアでもとにかく紛争が多く、しかも合従連衡、裏切り、寝返りの類が頻繁なので、何が何だかよくわからない。

羽柴秀吉・小寺官兵衛コンビによって平定される前の播磨も何が何だかよくわからない状況だったが、お隣の備前・美作もそんな感じだったようで、宇喜多直家が台頭して来る前はグチャグチャだった。宇喜多直家に関しては自分の娘の嫁ぎ先でも詭計をもって滅ぼしてしまうような人物で、秀吉・官兵衛ペアだけでなく西の毛利も手を焼いたと言われている。梟雄と一目置かれるようになるまでの直家を描いている本作品は、そうした意味では興味深いが、直家の調略のグロテスクさも際立っていて、難解だし途中で読むのを何度もやめたくなった。それでも最後まで読み切ったのはほとんど義務感だったが、これだけの梟雄の最後の安らかさを見ると、最後まで読んで良かったとも思える。

基本は短編集であり、その都度主人公は変わる。一貫して宇喜多直家は直接的間接的に登場するが、視点がその都度変わるし、かつ時間も前後するから、チャプターが変わるたびに話に入って行くには時間がかかる。それも読みにくさの一因にはなっていると思う。

今よりも日本の総人口が圧倒的に少なかったこの時代に、狭いエリアで領民を巻き込んでこんな勢力争いが繰り広げられていたというのは、今のように国民国家が形成された時代を生きている人間にはなかなか理解しづらい。それは戦国の世であれば播磨であろうと尾張であろうとどこであろうとさほど変わらない気がするが、なんでそうなっちゃったのかは一度何かで勉強してみないといつまでも理解できないでいることになってしまうかもしれない。勉強します。

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