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『デジタル・ディスラプション』 [仕事の小ネタ]

DIGITAL DISRUPTION

DIGITAL DISRUPTION

  • 作者: ジェイムズ・マキヴェイ
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/08/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
「第3の産業革命」に乗り遅れるな!MAKERS時代に勝ち残るマインドセットとビジネスモデル。

この前、隣町の市立図書館の書庫を物色していて、何となくピンとくるタイトルだったので、予定外だったけど借りて読んでみることにした。元々借りようとしていたのは前回ご紹介した『オープン・サービス・イノベーション』だったのだが、趣旨としては本書もよく似ている。デジタル技術を用いたオープン・サービス・イノベーションのことを「デジタル・ディスラプション」(Digital Disruption)―――デジタル時代の創造的破壊モデルと本書では呼んでいるのだと理解した。

 あなたの会社が売っているのは、もはや単なる商品(あるいはサービス)ではない。現在、商品はトータルな商品体験の中心にあるのだ。これに気づかないと、たとえあなたの賞品の方が優れていたとしても、よりよい商品体験を提供するデジタル。ディスラプター――デジタル時代の創造的破壊者――に出し抜かれるだろう。
 フォレスター・リサーチ社の同僚であるハーリー・マニングとケリー・ボーディンは、著書『Outside In: The Power of Putting Customers at the Center of Your Business(アウトサイド・イン――消費者をビジネスの中心に据える力)』の中で、顧客の経験はビジネスの将来を左右するもっとも大きな力であると述べている。しかも、その経験は単純な商品だけでなく、その商品に関連するあらゆるものに及ぶ――トータルな商品体験なのである。(pp.157-158)

だから、出て来る事例がiPhoneだったり、Amazonだったりするのは当然のことである。書きぶりとしてはこちらの方が叙述的でわかりやすいケースもある。ただ、そうした「当たり」の記述がある一方で、若干期待外れの記述もある。

例えば、デジタル・ディスラプションはデジタル化されていない産業にでも革命を起こしうる。どんな商品やサービスのいかなる側面にもディスラプションを起こせる。デジタルなものを対象とし、デジタルな手段は用いつつも、商品や設備といった実体のあるもののディスラプションを加速すると著者は主張する。僕はこの辺の記述こそ、冒頭の本書紹介にも出て来る「MAKERムーブメント」に通じるものだと期待したが、出てきた事例は正直イマイチだった。デジタル・ディスラプションは従来のディスラプションと比べて100倍のイノベーション力を生み出すと著者は強調する。ネット社会でつながることで、イノベーターとなり得る人の数は10倍以上に増え、一方でコストは10分の1以下になるとすると、イノベーションの破壊力は従来の100倍以上になるという。

すなわち、【タダのような値段でも働きたいと思っている人々+安価な製品を提供するための成熟した比較的障害の少ないインフラ=競争力のあるディスラプション】(p.30)という公式になるが、これがデジタル化された社会では、人も多いがコストは安いので、破壊力が大きくなるのだという。たとえ小中学生であっても、たとえ元手がなくても、今日デジタルを使って小さな一歩を踏み出せば、明日にはディスラプティブな結果が得られるのだという。

また、先ほど引用した「トータルな商品体験」の記述でも、僕の理解はこれはデジタル技術がなくてもできる部分が相当あるのではないかと思うが、本書で著者が具体例として列挙しているデジタル的要素――会社のウェブサイト、フェースブック・ページ、アプリなど、商品をデジタル環境へと広げるあらゆる要素――というのは若干のこじつけ感が否めない。そういう、例示がややこじつけっぽいと感じる記述が多いのは少し気になった。

著者の主張は、一刻も早く読者の勤める会社でもデジタル・ディスラプションを導入しようという点にあるのは明らかで、そのためのハウツーが挙げられているが、真っ先に言っているのは、障壁となっている社の方針とか、慣習を変えることだという。経営幹部のコミットメントは勿論だが、経営幹部水彼が、自社のどの方針や慣習が障壁となっているかを判断し、それらを排除するのに積極的に関与していく必要があるという。これは会社の規模が大きければ大きいほど重要で、大きな組織になればなるほど部門間の壁を乗り越えるのは難しいという。

我が社のように、社員数が2000人を超えていると、デジタル・ディスラプションを起こすのはとても難しいらしい。先は長いなぁ。

本書の中には、無駄な記述やこじつけっぽい記述が結構あるように感じたが、どこかキモかといったら、216ページから始まる「デジタル・ディスラプションを起こすステップ」に関する記述だろう。

How?――自分自身にデジタル・ディスラプションを起こす
 自社の方針と慣習を改善することで、デジタル・ディスラプターの思考法を持っていることを証明。
(1)創造的破壊を経営幹部レベルの優先事項に位置づける
(2)部門間の壁をすべて特定し、これらの障壁を避けながらデジタル・ディスラプションへ到達する
  計画を立てる
(3)小規模な改革チームをつくり、ディスラプションのチャンスを見つけさせる
(4)潜在的競争相手をすべて洗い出し、彼らから学ぶ

Who?――顧客から始める
 顧客重視のスキルを身につけ、新しい商品体験を開発できるようになる。
(1)自分が満たせる、または満たすべき顧客の根本的欲求を特定する
(2)顧客の立場になって、彼らが次に求める利益は何かを考える
(3)顧客にとっての隣接領域のリストをつくり、自社で実現できる可能性のあるものを特定する

What?――トータルな商品体験をつくり上げる
 次に提供すべき大きな体験を以前よりも早く低価格でつくり上げる。
(1)自社の商品体験へとつながるデジタルな橋をかける
(2)まったく無料、ほぼ無料、実質的に無料なデジタル・ツールを使う
(3)選り好みせず積極的に提携する
(4)従来とは異なる指標で測定する
(5)失敗を予想し、受け入れる

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