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『流れ星が消えないうちに』 [読書日記]

流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

  • 作者: 橋本 紡
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/06/30
  • メディア: 文庫
内容紹介
忘れない、忘れられない。あの笑顔を。一緒に過ごした時間の輝きを。そして流れ星にかけた願いを――。高校で出会った、加地君と巧君と奈緒子。けれど突然の事故が、恋人同士だった奈緒子と加地君を、永遠に引き離した。加地君の思い出を抱きしめて話さない奈緒子に、巧君はそっと手をさしのべるが……。悲しみの果てで向かい合う心と心。せつなさあふれる、恋愛小説の新しい名作。

気付いたらこの作品は映画版が公開されていた。公私にわたって今の僕の置かれた状況からいうと、これから1、2週間の上映期間のうちに映画館に足を運ぶのはとてつもなく難しい。我慢しきれずに先に原作を読んでしまうことにした。今年初めに『アゲイン-28年目の甲子園』で犯した過ちを再び繰り返すリスクを多少気にしながら。『アゲイン~』の時は、原作を先に読んでから映画を観たら、映画が原作に忠実過ぎて映画の感動が薄れてしまったのだった。

『アゲイン~』の時にも告白した通り、僕は2年ぐらい前から髪型がショートカットの波瑠さんのファンであり、だから『アゲイン~』も映画館で観た。『流れ星が消えないうちに』の奈緒子役も、波瑠さんにはピッタリだと思う。そういう、ちょっとわけありでセリフの少なめのイメージの方が波瑠さんには強い。だから、今人気のNHK朝ドラ『あさが来た』で、おでこ丸出しにしてセリフも多いあさを見ている方が慣れるまでには時間がかかった。

映画の宣伝動画でもご覧下さい。三鷹・武蔵野でロケをやられているとの噂だったけど、この短い予告動画の中にも、三鷹駅西の跨線橋の上で明らかに撮影されているシーンがあり、ますます映画見たさが募った。
―――でも、目下の大事な仕事は、月末までに論文を書き上げることなのですが。



映画のことはともかくとして、肝心の原作の作品の感想も述べさせてもらいたい。

高校から大学にかけての若い人たち向けの恋愛小説としてはいい作品でしょう。以前も書いたかもしれないが、親しい人の突然の死が残された人々にもたらす影響を描くのは重松清がよく使うモチーフだけど、重松作品では恋愛的要素が描かれることが少なく、従って恋人との死別を残された相手がどう受け止めてその後どう生きていくのか、恋人の死をどう乗り越えていくのかを描くことも殆どない。そこの部分に見事に食い込んだのが橋本紡のこの名作だというわけ。賛否両論はあると思うが、僕はいい作品だと思う。

高校時代、あるいは中学時代であってもいいが、こういう告白の仕方ってやってみたかったなと憧れる。フォークダンスで自分が気になっていた子と組む順番が回ってくるのをすごく気にした感覚というのもすごくよくわかる。

ただですねぇ、僕はこの主人公・奈緒子の父親と同い年だから、親の目線で娘とその恋人との関係を見てしまうのである。奈緒子と巧が既に大学も卒業して、社会人になってからの話であるなら僕にもわかる。本人たちの責任で行動してもらえればよいと思う。

でも、これ大学生でしょ? 奈緒子も巧も、ちゃんと自宅で暮らしているわけでしょ? 元カレの加地も含めて、高校から大学にかけて、こんなに頻繁なお泊り愛って親としてどうよ? 父親の仕事の関係で両親と妹が九州で暮らしている間に、東京の自宅の留守を守ってくれている娘が、その家をそのような場として使っていたというのを知って、父親として受け止められるのだろうか。一度や二度ならまああるかなと思うけど、ここの登場人物、もっと頻繁にそれをやってたわけでしょ? 自分の娘がその年齢に近づきつつある今、これやられたらオヤジとしては泣きます。かなり耐えられない話である。

それに、この作品、大学生を主人公に据えている割には大学でのシーンがほとんど出てこない。自宅周辺の割と狭い地域の中で話が完結してしまっている。なんか違和感あるなぁ。どんな大人になっていくのだろうか。

お陰でこの作品、映画にしたらロケ地がかなり限られた地域になる。ますます映画館に行きたくなってしまった。

タグ:三鷹 橋本紡
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