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『中間層消滅』 [持続可能な開発]

中間層消滅 (角川新書)

中間層消滅 (角川新書)

  • 作者: 駒村康平
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2015/03/06
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
年間可処分所得201万円~999万円。これが日本の中間所得層である。今、戦後の日本社会を支えてきたこの中間層が消滅の危機に陥っている。このままでは中間層は消滅し、戦前のような金持ちと貧乏人だけの社会になる。一億総中流といわれた日本の分厚い中間層を再構築するための処方箋を提言!

この本は今年春に発売されてしばらくして文庫や新書をまとめ買いした際に含まれていた1冊なのだが、その後約半年積読状態にして、11月にようやく読み始める決心をした。この間読まずに積読にしていた理由は、あまりに簡素な装丁もさることながら、駒村先生のこれまでの著書を多少は読みかじっている経験者としては、データを駆使されているのは流石だなと思いつつも、生データではなくデータの加工の度合いが素晴らし過ぎて、かえってハードルを上げてしまっているところがあるように思う。例えば、2つのトレンドを1つのグラフで示すのに、左側の目盛と右側の目盛を使い、片や棒グラフ、片や折れ線グラフで示すといった手法がよく用いられるが、僕は意外とこの手のグラフを読むのが苦手で、そこから何が言えるのかというのを理解するのに時間がかかる。挿入図表が多いことはページをめくるスピードが速くてすぐ読み終われるのではないかと思われるかもしれないが、僕の場合はそんなことはない。図表の理解に時間がかかり、かえって読むスピードが鈍る。図表が多いのも良し悪しだ。

ではなぜその本を11月に読んだのかというと、必要にかられたからだ。最近のブログの記事のどこかで書いたかもしれないが、先週末に都内某所で開催された学会で僕は発表する機会を与えてもらい、そのために11月末までに英語5000語程度を目安に論文を提出するよう主催者から課せられた。僕は10月末までは別の学会発表で忙殺されていて、実際に11月末提出の論文の執筆にとりかかれたのは月半ばを過ぎてからのことだった。そもそも論文の構成がなかなか固まらず、しばらくは参考文献の読み込みに精を出した。その時に読んだ1冊がこの本。

結局、参考文献リストに挙げるほど参考にはしなかった。その一方で、9月に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成への取組みは日本国内でも求められている。目標の中には社会保障制度とか人間的な仕事と職場環境とか、あるいは相対貧困、所得水準に代わる主観的福祉水準(subjective well-being)とか、日本国内でも取り組める余地が相当ありそうなゴール&ターゲットが含まれている。だから、日本が今置かれた状況というのを理解するためには、こういう統計データを駆使してうまく説明されている本は有用だと思う。なんとなくそうなんだろうなと思っていたことを、こうしてエビデンスとして示されると、課題山積で暗い気持ちにはなるが。費用対効果はけっこう高い1冊。

ただ、これが日本のSDGsとして取り組まなきゃならないことだとわかってはいても、実際にやれることはそんなに多くないというのも痛感させてくれる。行政にお客様のように頼るのではなく、地域社会の自主的な互助組織を活性化していく必要性が、本編だけでなく対談でも強調されている。結局のところは地域福祉に頼らざるを得ないところに苦しまぎれな我が国の窮状と識者の「万策尽きた」感が漂っていると思うのは僕だけだろうか。でも、そこから始めないといけない、行政(公助)だけではなんともならないので、自助、共助、互助を地域で組み合わせていくしかないんだろう。

それはそうと、冒頭でも言及した論文執筆と学会発表、いずれも無事に終わりました。論文提出から学会発表までの間に海外出張があったりして、かなり慌ただしい数週間でしたが、それが終わったことで、今週は連日忘年会でストレス発散しております。帰りが遅いため、ブログがなかなか書けませんでした。お許しください。

写真 (2).jpg
《TEDみたいな状況で発表やったわけです…》


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