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『なきむし姫』 [重松清]

なきむし姫 (新潮文庫)

なきむし姫 (新潮文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/06/26
  • メディア: 文庫
内容紹介
霜田アヤは、二児の母なのに大のなきむし。夫の哲也は、そんな頼りないアヤをいつも守ってくれていた。ところが哲也は1年間の単身赴任となって、アヤは期間限定のシングルマザーに。そこに現れたのは幼なじみの健。バツイチで娘を育てる健は、夫の不在や厄介なママ友に悩むアヤを何かと助けてくれて……。子供と一緒に育つママの奮闘を描く、共感度満点の愛すべきホームコメディ。

久々の重松作品である。昨年は結局、『アゲイン~28年目の甲子園』しか読んでない。『ファミレス』、『ゼツメツ少年』、『一人っ子同盟』と続いたハズレ感から立ち直れてないのである。

とはいえ、新刊が出たら読みたくなるのが、このブログ開設当初から作品を読み続けている重松ファンの悲しい性。年末にブックオフに大量の本の買い取りを持ち込んだ際に、代わりに購入した1冊が本日ご紹介の『なきむし姫』であった。

この冬休みはカレンダー通りで、年末年始のお休みは6連休だった。訳あって東京で過ごしたが、お陰でほぼ計画通りの生活を送ることができ、少しだけ時間の余裕もあったので、小難しい専門書よりも、文庫版の小説でも1冊読もうかと考え、『なきむし姫』を選択した。空いた時間にリラックスして読むにはちょうど良い分量と内容だ。そして、少し前までの重松作品なら当然のように感じられた、ちょっと幸せな気持ちになれる読後感を久々に味わうことができた。『ファミレス』のスラップスティック感は読んでて腹が立ってきたから。

ただ、「ちょいハッピー」ぐらいの感じでしかなくて、冷静に考えたらアヤさんの泣き虫ぶりが克服されたという感じはないし(元々そんなに泣き虫という感じでもなかったけどね)、過保護ママの留美子さんの暴君ぶりにも変化があったとは思えない。僕はこの留美子さんをギャフンと言わせるようなカタルシスが欲しくて読み進めたけど、結局成長してない。そして、相変わらず重松さんは登場人物に付けるニックネームのセンスがイマイチだ。

それでも、長男の文太クンの成長ぶりだ。最後の章でのクラスのまとめ方、そしてそれを黙って見守ろうとした健の姿勢には感動する。参加型の問題解決のお手本を見るようで、久しぶりに重松作品を読んで目頭が熱くなるのを感じた。最近の作品ではほとんどなかったことだ。はじめのうちは、健に対しては留美子さん同様、『ファミレス』的なうざったさを感じてイライラしっ放しだったが、最後の章だけはものすごく良かった。救われた気がした。

最終章を読むためだけに、読み進めることをお薦めしたい。


余談ですが、哲也が関西に単身赴任させられて携わった「プロジェクト」の中身、何だったんだろうか。接待以外には具体的な言及がなく、哲也がGWや夏休み、クリスマスを返上してまで関わらされた仕事っていったい何だったのか、ほとんど想像がつかなかった。

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