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『メンバーの才能を開花させる技法』 [自己啓発]

メンバーの才能を開花させる技法

メンバーの才能を開花させる技法

  • 作者: リズ・ワイズマン、グレッグ・マキューン
  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
全米ベストセラー『Multipliers: How the Best Leaders Make Everyone Smarter』待望の邦訳
「著者たちは、重要だがまだ研究が不十分な現象──優秀なリーダーはメンバーの知性と能力をどう解き放っているか──を解明することに見事に成功した。この実践的な本は、情報経済のなかでリーダーになろうとするすべての人の必読書である。」――C.K.プラハラード 元ミシガン大学ロス経営大学院特別教授

異動の時期を迎え、3月は読書の量が極端に落ち込んだ。離任する僕を送別する会が連日催される一方、現所属先では「やることはやっていけ」とばかりに仕事はやらされた。直接的な僕の後任は5月にならない来ないため、仕事をやりながら後任に引き継ぐというわけにもいかない。そんな中で海外赴任前のオリエンテーションは必須だから受けろと言われる。僕の頭の中を文章化する作業も同時並行でやらなければならない。僕の会社人生の中で、これほど予定がぎゅうぎゅうに詰まった1カ月は他には例がない。

そんな状況の中で前から積読にしてあったこの本を通勤途中の電車の中で主に読んだ。1つには今の所属先でのマネジメントのあり方に対する複雑な思いがあり、もう1つには次の部署では初めて自分が組織のトップになるので、改めて自分が取るべき作法を確認しておきたかったということ、さらに付け加えるなら、僕がこれまで29カ月の間、毎月行ってきた研修の講師としてしゃべって来た内容を文章化するにあたり、参考文献として付け加えておこうという考えもあった。

本書の構成はいたってシンプルで、著者はこの中で「増幅型リーダー(Multiplier)」と「消耗型リーダー(Diminisher)」の概念を提示し、前者はメンバーの知識を引き出して組織の中に伝染力のある集合知を築くことで、メンバーは最大限の能力を発揮し、消耗型リーダーに比べて2倍の能力を手に入れることができると主張している。逆に、消耗型リーダーは自身が全知全能の神であり、チームのメンバーが自分の意にそぐわぬ仕事ぶりだと全否定してしまい、そのうちにメンバーはやる気を失い、チーム全体でのパフォーマンスに悪影響が出るという。増幅型リーダーがメンバーの天賦の才を引き出すことができるのは、好奇心旺盛で学習意欲が高いせいであり、その第一歩はメンバーに対して「質問」だけを繰り返すことだと主張している。

「増幅型リーダー」と「消耗型リーダー」――それぞれに、思い当たる人が僕の職場にはいるが、前者は意外と目立たないが、後者の人はけっこう多く、しかもそれがかなり目立つ。自分の席に部下を呼びつけて大声でダメ出しやったり、多分そうすることで、自分の考え方を周囲にも伝えたいのだろうと思わなくもないが、叱られ役に対するフォローがないと、彼/彼女は潰れる。また、そのリーダーの上司にあたる人が、そこらあたりをちゃんと理解してないと、そのリーダーは有能な部下として上から評価されるかもしれないが、実はチーム内に不協和音をまき散らしているという実態が把握できていない。最低の組み合わせになってしまう。


僕は、自分が去ることになる今の部署への未練はもうないので、最後の人事評価面接では結構弾けた苦言を自分の上司にあたる人に対して行った。早期退職者を出したこと、結果をそのまま受け入れるのでなく、なぜそうなったのかをもう少し考えて欲しい、あなたが信頼しているあの中間管理職は、パワハラまがいの接し方をその早期退職者にしていたのですよ。辞めた人だけではなく、不満を抱いている人は他にもいますよ…。

自分の身の回りを見渡してみると、「消耗型リーダー」に属すると思われる人にもいろいろなパターンがあるように思える。おそらく、増幅型リーダーと消耗型リーダーを対極に置いて、その間に多くの管理職が存在するのだろう。また、読みながら感じたのは、ある人が前の部署では増幅型リーダーとして振る舞えたとしても、別の部署に行って新たに組んだチームでは、消耗型リーダーになってしまうこともあり得るというリスクだ。いや、ひょっとしたら、同じチームの中においても、あるメンバーとの対人関係では増幅型として振る舞えても、別のメンバーとの関係においては消耗型になってしまうということだってあり得るということだ。

皆、頭の中では「増幅型リーダー」が理想だとわかっている。それなのに、ややもすると「消耗型リーダー」に豹変してしまう。それがなぜなのか、もうちょっと深く掘り下げて欲しかった。僕の反省を1点だけ挙げるとすると、これまで一緒に仕事してきたチームのメンバーの中に、自分のやっている仕事の内容をどうにもうまく説明できない人がいて、ミーティングの場で事実確認の質問を繰り返してるうちに口調が詰問調になってしまい、場の空気を冷やかなものにしてしまったことが何度かあった。そう、本書が提唱しているような質問の繰り出し方も、一歩間違えるとくどくなり過ぎて、メンバーの才能を開花させるには至らないという事態も考えられるのではないかと思うのである。

とはいえ、本書は、一国一城の主となる僕にとっては時々我が身を振り返る指針となるような本だと思う。

中日ドラゴンズの落合元監督は、監督就任時に、「現有メンバーの各々がもう10%レベルアップすれば優勝を狙える」と言った。その通り、落合・中日は2004年のシーズンを見事に優勝で飾り、その後も上位を争う常勝チームとなった。僕らの仕事は与えられた戦力の能力をどれだけ引き出し、どれだけ各自をレベルアップさせるかにかかっている。スタッフの数を増やすことなど簡単にはかなわないわけで、やれることはチームメンバーに気持ちよく働いてもらい、いいパフォーマンスを引き出すことなのだろう。そうポジティブに考えて新しい職場には向かいたいと思う。

Multipliers: How the Best Leaders Make Everyone Smarter

Multipliers: How the Best Leaders Make Everyone Smarter

  • 出版社/メーカー: HarperCollins e-books
  • 発売日: 2010/06/03
  • メディア: Kindle版

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