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『大河ドラマ読本』 [テレビ]

大河ドラマ読本 21世紀のNHK大河ドラマを大特集! (洋泉社MOOK)

大河ドラマ読本 21世紀のNHK大河ドラマを大特集! (洋泉社MOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2016/01/25
  • メディア: ムック

NHK大河ドラマに便乗した本は、毎年年末年始になるとたくさん出る。今年は『真田丸』ということで、真田幸村(信繁)にちなんだ本をたくさん書店で見かけた。また、たとえ真田家に直接関係する話でなくても、戦国から安土桃山時代、そして江戸時代初期を扱った書籍は、ここが書き入れ時とばかりに抱き合わせで店頭に並ぶ。

毎年そうした「大河協奏曲」が奏でられる中で、ちょっと翻ってみて、「昔の大河ドラマってどうだったんだろうか?」という疑問がわいてくることがある。僕が日本にいる時よく聴いていたTBSラジオ『荻上チキ・Session 22』では、3月頃だったか、金曜日の特集で、歴代大河ドラマのナンバーワンを決めようという面白い企画をやっていたことがある。視聴者の投票の結果、栄えある第1位は『平清盛』だった。僕もこの結果には大いに納得で、視聴率は低迷したとはいえ、『平清盛』はこのわかりにくい時代をうまく表現し、源氏と平氏の対称性を見事に描いたとても優れた作品だと思っている。

これを見てれば平清盛に対する評価は大きく変わったと思う。僕らはどうしても源義経の大活躍に目が行きがちだし、古くは『草燃える』の国広富之、もっと最近なら『義経』のタッキー(滝沢秀明)演じる源義経を見て、戦上手の美男子をイメージしがちだが、実際の義経はけっこうな不男で、女好きで、当時の戦のルールを無視したえげつない戦い方をした。壇ノ浦で平氏方の舟に次から次へと飛び移り、舟の漕ぎ手を斬るなんて、反則もいいところだったらしい。『平清盛』では義経を神木クンが演じたので、イケメン云々の話はまだあったかもしれないが、僕たちの平氏に対する偏見を解消し、よりバランスの取れた源平の見方に変えてくれたのが大河ドラマだったといえる。

同様に、僕は意外と『花燃ゆ』も買っている。これも視聴率が低迷し、ボロクソ言われた作品だったけど、もしこの作品が、全編を通じて、楫取素彦と美和の心の絆を描いた物語だという目で、もう一度作品全編を見直してみたら、面白いものが見えてくるかもしれないし、僕にとっては、明治初期の群馬の様子を少しでも垣間見れたというのは収穫ではあった。

さて、本日のムックの紹介をさて置いて、僕の好きな大河ドラマの話に行ってしまって申し訳ない。ここで本題に戻す。

本書は、確かに『真田丸』に便乗して出された本であることは間違いないが、その割には『真田丸』に割いている紙面は少なく、2000年代以降に扱われた大河ドラマの中の1つという位置付けで見ている。とはいってもその取扱い方にはちょっとメリハリがあって、編集サイドで多分思い入れが強かった作品が、幾つかフィーチャーされている。『龍馬伝』、『新選組!』、『篤姫』、『天地人』、『義経』がそれで、それ以外の21世紀大河作品とは明らかに扱い方に差がある。

先に断っておくと、僕が21世紀以降にちゃんと見ていた大河ドラマというのは、『北条時宗』、『利家とまつ』、『新選組!』、『功名が辻』、『平清盛』、『八重の桜』、『軍師官兵衛』、『花燃ゆ』である。これをご覧いただけばわかる通り、僕はムックの編集部が特だしした5作品のうち、まともにみていたのが『新選組!』しかない。いくつかの作品は、僕自身が海外駐在していたために見損ねたというのもあるが、仮に日本に住んでいたとしても、『篤姫』や『天地人』あたりを見ていたかどうかは疑問だし、『武蔵MUSASHI』は、吉川英治の原作は高校時代に読んで大河ドラマを楽しみにしていたけど、最初の1カ月で嫌になってしまい、見なくなってしまった。僕は市川新之助も米倉涼子も嫌いで、どうしてもついていけなかった。(僕にとっての武蔵と通は、いつまでも萬屋錦之助と入江若葉なのです。)

そんなわけで、僕のご贔屓の作品とはちょっとズレがあるラインナップだったけれど、編集部が軽めに取り上げたからといって作品自体に言及がなされていないわけでもないから、僕はこれはこれで結構楽しんで読むことができた。今は大河ドラマも見れない国で暮らし始めているので、大河が見られる日本の視聴者が羨ましい。今や時代劇というのが風前の灯となっていて、民放で時代劇を見ること自体が非常にまれになってしまっているのが悲しい。

視聴率が取れないからかもしれないが、歴史にしっかりとした光を当て、若い人にも歴史をちゃんと知ってもらうことは、NHKに限らずテレビの役割なんじゃないかと思う。歴史や固有の文化の価値を非常に重んじる国に住んでいると、歴史をないがしろにしている今の民放の姿がもどかしい。

NHKはこの点ではそれなりに頑張っている。総合テレビだけをとっても、大河ドラマだけじゃなく、『タイムスクープ・ハンター』や『歴史秘話ヒストリア』、『ファミリー・ヒストリー』などはとてもいい番組だし、最近は朝ドラでも幕末ぐらいから作品で取り上げられるようになり、『あさが来た』なんて、毎日見てたら、いつ頃からカレーライスやビールが日本に登場したのか、ちょんまげから散切り頭になったのはいつ頃からなのか、よくわかったりして結構勉強になる。

この点に関してだけは、「NHKファイト!」とエールを送りたいと思う。

タグ:NHK
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