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企業型請負農業の萌芽 [ブータン]

未活用の政府の土地を農業用に整備する
Clearing unused Gov’t land for agriculture
Kuensel、2016年9月21日、Rajesh Rai記者
http://www.kuenselonline.com/clearing-unused-govt-land-for-agriculture/

2016-9-21 Kuensel.jpg

【ポイント】
8月に正式発足した農業機械公社(FMCL)のサービスの1つが、未活用の政府用地を農業用に整備することである。その一例が、ダガナ県ニチュラ郡ガントカ(ダラガオン)地区の5村にある合計200エーカーの土地である。

FMCLはこうした土地を政府から借り受け、整地を行って灌漑施設も整備し、稲作やトウモロコシ畑に転換する。FMCLの保有する農業機械も用地整備のために活用される。野生動物の侵入を防ぐ電気柵も設置される。こうして作付可能な農地に転換した後、いずれはこれを地元農家の青年グループに引き継いでいく計画。

FMCLのプロジェクトで傭上されるのは地元の人々であり、既に雇用創出効果も確認されている。ゾウのような野生動物の心配もすることなく、安心して農作業に従事できるのが売り。

FMCLはこうした請負農業をいずれは全国展開していく計画。

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FMCLの請負農業(contract farming)の話を最初に聞いて、なんだかピンと来なかった。日本だったらよく耳にするバイオマスを活用した域内資源循環による地域開発だが、FMCLがバイオマスの研究開発に取り組むと聞いても、なんでバイオマスなのかがよくわからなかった。FMCLは農業機械の効率的な貸出サービスを行うために、政府の政策として公社化された組織なんじゃないのかと…。

ところが、よくよく話を聞いていくと、「なるほど」と思わされる点が多い。

今、この国では耕地面積が頭打ちどころか、若干の減少傾向にある。農民が耕作を放棄した土地が目立つようになってきているのである。耕作を放棄してしまう理由はいくつかあると思う。1つは、農業の担い手となり得る若い世代の人たちが、農村を出て都会に出て行ってしまっていること。日本で昔見られた過疎化のような兆候が既に起きており、残された農家の人たちからすると、取りあえず自分たちが生きていくのに困らない程度の作付はなんとか維持して、あとは無理して畑仕事やらなくてもいいかとなる。日本はそこを機械化でかなり補ってきたが、傾斜がきついこの国での農作業は、機械化なしには維持が困難だが、農家に農機を購入するインセンティブも余力もない。

もう1つは野生動物の侵入。特に南部は、お隣りの国から入ってきたゾウに農地を踏み荒らされて、危なくて耕作を続けられない、ところによっては村人全員が避難を強いられているような土地もあるやに聞く。いずれにしても、こうした課題への対処は個々の農家のレベルでは取り組むことは難しい。

だったら日本でも見られる企業の農業への参入を認めればどうかとなるが、ネコの額のような段々畑をプールしても、規模の経済はなかなか働かないので、あまり魅力的なソリューションとはいえないという。

そこで出てきたのが、FMCLのような半官半民の組織が農業請負うという発想らしい。記事にもあるように、FMCLが農業を請け負うのは、政府から借り受けた土地である。この土地を農地に転換・整備していくのに大量のバイオマスが出る。これを肥料とか燃料とかに再活用できるようにしたいというのが、FMCLのスコープの中に入っているのだろう。日本で行われている間伐材を利用したバイオマス発電のようなものは参考になるかもしれない。

当然、こうした農地整備と農業経営の過程で地域の雇用も生まれるだろうし、農地整備の過程で作られた灌漑や電気柵といったインフラも、近隣の農民への波及効果も期待されるだろう。

始まったばかりの取組みなので、今後も紆余曲折が予想されるが、今後も見守っていきたい。

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