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『何様』 [朝井リョウ]

何様

何様

  • 作者: 朝井 リョウ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/08/31
  • メディア: 単行本
内容紹介
生きていくこと、それは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。光を求めて進み、熱を感じて立ち止まる。今秋映画公開予定『何者』アナザーストーリー集。
光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。
理香と隆良はどんなふうに出会って暮らし始めたのか。
瑞月の両親には何があったのか。拓人を落とした面接官の今は。
立場の違うそれぞれの人物が織り成す、`就活'の枠を超えた人生の現実。
直木賞受賞作『何者』から3年。いま、朝井リョウのまなざしの先に見えているものは――。

収録作品(関連人物)
『水曜日の南階段はきれい』(光太郎)
『それでは二人組を作ってください』(理香、隆良)
『逆算』(サワ先輩)
『きみだけの絶対』(ギンジ)
『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』(瑞月の父)
『何様』(?!)

ただの前日譚、後日談におさまらない、『何者』以後の発見と考察に満ちた読み応えのある最新作品集。

表紙の想定を最初に見た時、すぐに『何者』のスピンオフだとピンと来た。『何者』が直木賞を受賞してから3年半が経つが、この秋、その映画が公開される。それに合わせて、『何者』の主要登場人物にまつわる前日譚、後日談で、これまでに朝井クンが書いていたもの、そして書き下ろしたものを集めてできた短編集ということになる。この作品も、僕が9月に一時帰国できていれば、1冊買ってこちらに持って帰ってきていたに違いない。

だが、仕事の方がひと段落して、久しぶりに何もない週末を過ごしたとき、手持ちぶさたで本でも読もうかと思い立ち、電子書籍版に手を出してしまったのが読むきっかけとなった。

収録されている「水曜日の南階段はきれい」は舞台が僕の母校と思われるので昔から好きで、以前、『何者』を読んだ時に、あ、これはあの高校3年生で学校の中庭でゲリラライブをやってた光太郎の4年後の話だとピンと来た。朝井クンが僕の母校を卒業する頃には校舎は建て替えられているため、ディテールの部分では僕の記憶と合わない箇所もあった。ただ、建て替えられる前の校舎でも、海外留学制度の掲示は生活指導室前の廊下の壁に貼られていて、挑戦するしないで逡巡した経験が僕にはあるし、学校正門を出て駅までの約3キロの「街道」は、電車通学の生徒がたむろしながら下校していき、途中のラーメン屋とかで時間を潰す姿があった(僕の時代は当然コンビニでおでんとおにぎりというのはありません。)

だから、「水曜日の南階段はきれい」が収録されていると知っただけで、無条件に購入したくなった。

この短編集に、「それでは二人組を作ってください」も収録されているのを知り、これも『何者』のスピンオフだったのかと今更ながらに気付いた。2年前に出た『この部屋で君と』と題したアンソロジーに収録されていた朝井作品で、この時はあまり良い印象を持っていなかった。そもそもこの作品が『何者』の前日譚、理香と隆良の同棲生活のきっかけを描いたものだと言われても、なにせ『何者』を読んでから相当な時間が経ってしまっているがために、ほとんど思い出せなかった。

まあ、スピンオフ作品であろうがなかろうが、1つ1つの作品は、それぞれが独立した短編だと思って読んでも十分楽しめる内容だ。それも所々に朝井クンにしか描けない豊かな表現が垣間見える。ほぼ1作品に1カ所は、「この描写すげえ」と舌を巻く箇所がある。ものの見方が常人の僕なんかとは比べものにならない。僕の母校でどういう高校生活を送っていたんだろうか。

ことほど左様で、『何者』を読んでから3年半が経過し、ほとんど登場人物のことを、「光太郎」以外忘れてしまっていたことが、『何者』と『何様』をつなげてみる作業を困難にしている。登場人物が誰が誰なのか、「光太郎」以外全然思い出せず、こりゃ『何者』をもう一度読み直さないと朝井クンサポーターとしては納得がいかないところだ。

映画版、スピンオフ、そして原作『何者』―――今が書き入れ時だ(笑)。

タグ:就活
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コメント 1

多聞

初めまして。南階段は「最後の恋」に収録されてましたよね。自分も好きでした。母校が小説のモデルなんて羨ましいです。
by 多聞 (2016-10-04 23:22) 

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