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『何者』再読 [読書日記]

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)

  • 作者: 朝井 リョウ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/06/26
  • メディア: 文庫
内容紹介
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

今週1週間、当地は三連休もあったのに僕は論文と大格闘中だったので、ブログの更新が滞ってしまっている。久々に何を書こうかと考えたが、僕に残された週末の自由時間があと1時間しかない中で、パッと書けるものとして『何者』を取り上げる。

今日から映画『何者』が公開される。3年3カ月前に原作読んだ時は、正直あまり読後感のよろしい作品じゃなかったし、今回読み直してみても、この作品自体には少なからず恐ろしさも感じる。うちの子どもたちもあと何年かしたら就活時期を迎えることになるが、今の時代の就活ってこんな感じなのだというのを臨場感を持って知るには、こういう作品を映画で見るのは良いことなのではないかと思う。

SNSの恐ろしさについては、本書を最初に読んだ時に書いたブログでかなり語っているのでそちらもご覧下さい。

今回、なんで再読に踏み切ったかというと、少し前に『何様』を読んだのが発端だ。この日のブログで僕はこう書いている。「『何者』を読んでから3年半が経過し、ほとんど登場人物のことを、「光太郎」以外忘れてしまっていたことが、『何者』と『何様』をつなげてみる作業を困難にしている。登場人物が誰が誰なのか、「光太郎」以外全然思い出せず、こりゃ『何者』をもう一度読み直さないと朝井クンサポーターとしては納得がいかないところだ。」 これが動機ということになる。

SNS上で公開モードで書いていい内容と、その時に実際に思っていたことは違うというのはよくあることだが、本音の部分まで匿名のアカウントで公開するっていう感覚にはやっぱり違和感あった。僕も公開していいような身の回りの出来事はFacebook、同じ身の回りの出来事でもあまり詳らかにしない方がいい僕自身の思いとか、日々の行動とかはミクシィの日記で限定公開で書いている。ミクシィの場合は足あとが残るが、読んでいるのは3人ぐらいの人だとわかっている。さらには、書く内容によって公開範囲を変えるという措置も取っている。それでも、一般公開と限定公開の線引き、限定の程度に関する線引きには悩むことが多い。

さらに難しいのはブログで、これは公開範囲を変えることができない全開バリバリなので、書く記事の内容である程度の調整をしていかないといけない。一応匿名になっているけれども、読む人が読めば僕の素性などすぐにわかってしまう。「もしかして〇〇さんてブログやってらっしゃいません?」と直接訊かれたこともあるくらい。だから、言葉遣いは相当に気を配らないといけないし、どこまでなら書いていいのかを考えるのは結構大変である。

個人的には2つもツイッターのアカウントを作ってツイートに時間を費やすようなことはあまりやらない方がいいと思う。アカウントをチェックするために毎回トイレにこもられちゃ、本当に急を要する人の迷惑だし、そんなことやって歩きスマホをやられちゃ危険だし、人と話している途中でスマホのチェックなどやられようものなら、こいつ話聞いてるのかと怪訝に思うだろう。あまり良いことではないのである。それとも、そういうのを受け入れざるを得ない世の中に既になってきているということなのだろうか。

でも、本書を読んで好感持てるのは、ツイッターはやってても、アカウントは1つしか持っていない(らしい)光太郎や端月であり、そもそもSNSをやってないサワ先輩だったりする。もっと言えば、作品中での影は最も薄い登場人物であるサワ先輩がいちばんまともに見えてしまう。

とはいえ、『何様』を先に読んで光太郎と端月の「その後」を『何者』で読む格好になったので、この2人には共感できるところが多かった。なるほど、そうつながっていくのかというのがよくわかった。一方で、同じく『何様』にスピンオフ作品が収録されている理香と隆良については、それらと今回の話がうまくつながらなかった。理香ってこんなに饒舌だったんだっけ?という感じで。

もう1回『何様』読み直そうかな。というのが今の思い。また、前回の記事の繰り返しになるが、出版社に入れた光太郎が、忘れられないという荻島夕子さんと再会する話というのを是非朝井クンには書いてもらいたいと強く期待したい。
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