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ティンプーにファブラボ [ブータン]

ティンプー・テックパークにファブラボ開設
Thimphu Tech Park to have digital fabrication lab
BBS、2016年11月9日、Phub Gyem記者(ティンプー)
http://www.bbs.bt/news/?p=63445

2016-11-9 BBS.jpg

【ポイント】
ティンプー・テックパークに市民向けデジタル工作工房「ファブラボ」ができる。時期は来年6月。デジタル工作は、コンピューター制御された工作機械を操作して様々な製品を製作できる製造プロセスのことをいう。ファブラボが開設されれば、ブータンの研究者やビジネス業界関係者の利用が期待される。

このラボは、様々な背景の人々が集まって協働するワークスペースや、デジタル工作教育の場として運営される予定。学生やデザイナー、発明家、起業家等が集うリソースセンターとして機能していく。これを利用することで、人々は3D造形も含めて様々な材質のものをデザインし、「プリント」することができる。

慶應義塾大学の渡邊助教授は、「自分が地元の人々や専門家と議論してきた感触として、野生動物や犬を農地や家に近寄らせないようにするための超音波発生装置のようなデバイスの開発は1つの可能性としてあり得る」と述べる。.同教授によると、ファブラボはこうした多くの可能性に道を開くことになるという。「特にティンプーでは、仕事を探している若い人が多いと聞く。そういう若者は、ファブラボに来て起業の種を探すことができる。」

ファブラボ・ブータンは、マサチューセッツ工科大学や慶應大学、コペンハーゲン大学からの支援を受けてラボを開設する予定。MITはラボスタッフの専門技術の向上や機材の提供で協力し、コペンハーゲン大学は招聘プログラムを通じて研究者や学生の技能向上で協力する予定。

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ファブラボの話はこのブログで僕自身も度々取り上げ、ブータンの文脈でもここにファブラボがあることによるメリットの大きさについては強調してきたところであるが、11月に入り、ブータンにおけるファブラボの話がメディアを度々賑わせるようになった。

その嚆矢となったのはJICAの所長が11月5日(土)付のクエンセルへの寄稿で、「ブータンをものづくりの国(Fab Country)にしていこう」と呼びかけたことである。この寄稿は、ファブラボ・ブータンの招聘によりその翌日からブータン入りされた慶應義塾大学の渡邊助教授と徳島研究員の現地調査と軌を一にするものである。クエンセルはさらに、11月7日(月)の社説で、「我々の創造力をかきたてるために」と題してJICAブータン事務所長の寄稿を取り上げ、「必要なのはそれを可能にする環境(enabling environment)だ」と訴えた。クエンセルの社説は、ブータンで前日に起きた出来事を取り上げて解説する場合が多いが、一投稿者による寄稿を社説で取り上げるのはこの半年見ている感じでは極めて異例である。

"Let's make Bhutan a Fab Country"(11月5日)
http://www.kuenselonline.com/lets-make-bhutan-a-fab-country/

"Harnessing the Power of Our Creativity"(11月7日)
http://www.kuenselonline.com/harnessing-the-power-of-our-creativity/

さらには、ブータン国営放送(BBS)が、11月7日(月)夜の番組で、ファブラボ・ブータンの方と、慶應大学のお二人、それにJICAの所長を交えた25分間の座談会を放送、そして、9日(水)の夜のニュースでのファブラボ・ブータン開設報道へとつながっていく。

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ファブラボ・ブータンと慶應大学のご一行は、ティンプー市役所でキンレイ・ドルジ市長を表敬し、さらにはツェリん・トブゲイ首相とも面会している。お二人ともエンジニア出身なので、話は弾んだに違いない。少なくとも、若者の雇用対策という面では、為政者の問題意識との整合性はそれなりに高いと思う。

ただ、ティンプーにファブラボを作り、それがとても魅力的で若者を惹きつけるようなものがあるのだとしたら、むしろ若者のティンプー滞留に拍車をかけることになるのではないかという気もしてしまう。ネットへのアクセスと、ものを作るノウハウと、そして起業に向けたマインドがあれば、日本だって地方で起業する若い人がいるわけだし、何もティンプーにいなくても、地方からの発信だってできなくはないと思う。ものづくりを可能にする環境が地方にもできることも大事なのではないかと思うのである。

それ以前に、この国の若者の創造性というところは、育っていくのには時間もかかるのではないかと気になった。若者に限るわけではないが、この国では上から言われたことをやるのに人々が慣れきっていて、自分から考えて行動し、新しいものを作っていく、それでのし上がっていくという発想を持つ人はあまり多くないのではないかと思う。ファブラボを作って、「じゃあ、皆さん何か作ってみて下さい。機械の操作の仕方は教えます」と急に言われても、何を作ったらいいのか思い付かないという人も大勢いる。上から「あなたファブラボに行きなさい」と言われれば素直に行く人は大勢いるが、行って何かできるようになるには、問題を発見するのを手伝えるようなファシリテーションができる人も必要かもしれないなと思う。

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