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プナサンチュ水力発電事業の遅延 [ブータン]

プナサンチュ第1、第2水力発電所、完工遅れる
Punatsangchu I to be delayed to Dec 2022 and Punatsangchu II till Sept 2019
The Bhutanese、2017年3月4日、Tenzing Lamsang記者
http://thebhutanese.bt/punatsangchu-i-to-be-delayed-to-dec-2022-and-punatsangchu-ii-till-sept-2019/

2017-3-4 PHPA1.jpg

【ポイント】
プナサンチュ第1水力発電所(1200MW、以下P-1)は、これまで2019年7月完工見込み、プナサンチュ第2水力発電所(1020MW、以下P-2)は2018年12月完工予定として工事が進められてきた。しかし、2月に事業体(以下、PHPA)よりブータン政府に提出された報告書で、前者は2022年12月まで、後者については2019年9月まで完工が遅れる見通しであることが初めて示された。

特に、P-1は当初2016年11月完工とされていたものが二度目の下方修正となり、しかも今回の3年半の延期により、2018年7月から始まる第12次五カ年計画期間中、年間106億ニュルタム規模の収入機会を失うことになる。

P-1は、元々の提案では現在の建設地とは別の場所でダム建設が提案されていた。しかし、より多くの発電量を確保できる新たな場所でのダム建設がPHPAより提案され、2009年に前政権が閣議承認して、工事が始まった。着工時点で、既にインド地質調査所が、ダム建設予定地の右岸の岩盤が弱いことを指摘していたが、PHPA及び施工監理を請け負ったインド系コンサルタント2社は建設を進め、ブータン政府もこれを認めてきた。

この右岸は2013年7月以降度々崩落を起こし、今回の遅延報告も、この右岸地質の調査と地盤強化に時間を要することが理由とされている。P-2の遅れは、2016年1月に起きた水路トンネルの天井崩落事故の後処理に伴うもの。

ブータン政府は、既に第12次五カ年計画ガイドライン最終案を2016年12月26日に閣議承認しており、この中で、第11次計画期間の財政赤字198億ニュルタムから、50億ニュルタムの黒字に転換するとの財政収支見通しを示してきた。歳入は1290億ニュルタムから2512億ニュルタムに倍増するとの見通しであった。しかし、その後にPHPAより提出された工期遅延の報告により、財政収支の黒字転換は第12次計画期間の終盤まで遅れることになり、期間全体では赤字となる可能性が出てきた。

このため、増収を前提とした強気の支出計画も見直しが余儀なくされる可能性がある。

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記事の内容はざっとこんな感じだが、このタブロイド誌の同日付の論説がふるっている。「水力発電事業の遅れ(Hydro delays)」と題した論説で、次のように述べている。

Bhutan’s political leaders and even our society for that matter have great regard for what external ‘experts and professionals’ tell us. This is okay in certain circumstances but it also does not mean that we ignore common sense or throw all caution to the wind.[...] The ‘traditional bureaucratic wisdom,’ that hydro debts are ‘self liquidating’ may not hold if we are not more careful and continue leaving our future in other more ‘expert’ hands.

「国の将来がかかっている事業を外部の専門家に丸投げするな」
―――名言じゃないですか! この出来事から得られる教訓は、この論説にある指摘に尽きると僕も思う。自立を国のビジョンに掲げるなら、自分の目で見て、自分で考えないと本当の意味での自立にはつながらない。自ら試行錯誤を経験し、経験値を高めていかないと、信頼できる建造物など作れない、質の高い土木工事などできない。

タグ:水力発電
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