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『古市くん、社会学を学び直しなさい!!』 [読書日記]

この書評を読者の皆さまがご覧になる頃には、僕もブータンに戻る機中の人となっています。お陰さまで、1週間弱という東京滞在の間に、ある程度は体調を回復させることができたと思います。やるべきこともほぼやり終えました。自分のブータン滞在も折返し地点を通過したと思っているので、やりかけの仕事は形にする一方、そろそろ次のステップに向けた準備も始めないといけないかなと思っています。その布石も打てた1週間でした。

古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)

古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)

  • 作者: 古市 憲寿
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/10/18
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
「社会学って、何ですか?」気鋭の若手社会学者・古市憲寿のあらためての問いに、日本を代表する12人の社会学者たちが熱く答える。社会学は、役に立つのか? 社会学は、誰のためにあるのか? 社会学者には、今、何ができるのか―? 私たちが現在抱える諸問題に、研究者たちがそれぞれの専門分野から切り込みながら、社会学の面白さ、難しさ、社会学こそが教えてくれる「ものの見方」を伝える。社会学の新たな入門書。

この短期間の一時帰国中、僕は積読状態で放置してあった本を4冊、自宅の書棚から抜いて携行した。うち2冊は往路の移動中に読み終え、既にブログでもご紹介した。最後の1冊は復路の機内でただ今読み込み中である。そしてその間、東京での滞在中に読むために、もう1冊持って来ていたのがこの1冊である。古市さんがどんな人なのか、僕はそんなに知らない。テレビに出演してはKYな発言をしてネット上で叩かれる、そんなことがあったようだが、何しろテレビ出演しているところを見たこともほとんどないので、その点についての論評は控える。

今回はただ単純に、古市さんが12人もの社会学者と対談するというので、コスパ良さそうだからと購入したが、なにせブータンでやっている自分の仕事は関係もないし、自分も社会学専攻じゃないもので、結局読み始めることもできずにそのまま半年以上放置してしまった。ブータンに再度持って行く気にはなれないので、東京にいる間に読んで、コメントもアップしておくことにした。

僕は今までお付き合いのあった研究者の方を見ていて、「社会学」と「文化人類学」の違いがよくわからなかった。どちらもレヴィ・ストロースは読むらしいので、それがもっと僕を混乱させる。だから、古市さんが対談の相手への第一声で必ず「社会学って何ですか」と尋ねて、社会学の定義を確認しようとしている点はありがたいと思った。それぞれ言い方は違うけれども、共通している点も多いと感じられる。

また、多くの社会学者が、必読書として同じような書籍を挙げられているのも興味深かった。確かに僕らの学生時代も古典を読むというところにあまり重点が置かれていない授業やゼミを取ってきたので、アカデミックな「芯」のようなものを学生時代に形成できたかどうかは疑わしい。特に、僕は一部の識者が「大学アカデミズムの衰退」というような言い方をして批判している1980年代に大学生をやっていた口なので、我々の世代の物足りなさは自覚しているつもりでもある。(何も好き好んでそういう道を選んだわけじゃないので、その責任の一端はもっと前の世代にもあると開き直りたいところだが。)

今の大学は社会とのつながりを学生時代から持つことが求められるが、その一方で、今でないと読めない知の大作というのも多く、それを読み込むのに時間をかけることも必要不可欠だと、自分の学生時代の反省の念も込めてここで述べておきたい。

未だ院生の身で、博士号を持っていない著者が、「社会学者」を名乗ることの是非はともかくとしても、僕が感心したのは、12人の社会学者との対談に臨むにあたり、著者が対談相手の著書をほぼ読み込み、理解と疑問点を明らかにした上で臨んでいる点である。しかも、これら社会学者の多くが言及している「古典」にも通暁した上で普通に対談している。僕は社会学を勉強したことがないので、どれくらい深い議論がされているのかはいまひとつ理解しきれていないが、少なくとも本書に収録された対談を読めば、そこで言及された書籍が書かれた背景がわかり、何から読んでいけばいいのかもわかる。

社会学を勉強する際のエントリーポイントとして本書がどうかと言われるとよくわからないが、少なくとも、ここで出てきた本を読む前のガイドブックとしては本書はありだろうなと思う。

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