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「1日8件」の恐怖 [ブータン]

ティンプーの動物咬傷、1日8件ペース
Thimphu records eight dog bite cases a day
Kuensel、2017年7月17日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/thimphu-records-eight-dog-bite-cases-a-day/

2017-7-17 Kuensel.jpg
《県別予防接種・不妊化件数、ティンプー以外では南部の県が多い》

【ポイント】
ティンプーでは、今年初めから6月末までの半年間で、1,484件の犬咬傷が報告されている。これには飼い犬、野犬双方が含まれる。1日平均8件の犬咬傷が起きていることになる。うち飼い犬に咬まれるケースは20件に1件程度で、大半が野犬による咬傷である。

ティンプー市内には、2016年9月末現在の数字で約4,800匹の犬が生息する。市民からの苦情を受け、全国犬頭数管理・狂犬病抑制プロジェクト(NDPM/RCP)では、主要都市において年2回の予防接種・不妊化措置を実施している。ティンプー市の場合、今年1回目の措置は4月と5月に実施され、市内の犬の74%をカバーしたという。639匹に予防接種・不妊化を行ったが、うち537匹は野犬だった。

2016年までのデータでは、2009年6月から2016年9月までにティンプーでの予防接種・不妊化措置のカバー率は46%から68%にまで上昇した。野犬の頭数を安定的なものにするには、不妊化措置のカバー率は最低70%は必要で、ティンプーの場合はこのレベルには到達しているという。但し、予防接種・不妊化の効果はすぐには発現せず、時間がかかると見られている。

NDPM/RCPレポートによると、2009年2月から6月までのパイロットフェーズに2,846匹、2009年9月から2012年6月までの第1フェーズに34,141匹、さらに2012年7月から2015年6月までの第2フェーズに24,006匹の予防接種・不妊化措置を行った。現在、同プロジェクトは第3フェーズに入っており、2015年7月から、2018年6月までを取組み期間と定めている。

現在、同プロジェクトでは、地域単位での犬認知のプログラムを試行的に導入しようとしている。各コミュニティがその地域の犬について責任を負うという仕組みで、餌を与えるだけでなく、病気やけがを負った犬がいれば、コミュニティの責任としてその治療を行うというものである。

NDPM/RCPプロジェクトの課題として、犬人口の抑制、ペット所有者の無責任、生息域の管理、犬捕獲活動への支援の少なさ、資金制約等が挙げられる。生息域をコントロールできれば、人口も抑制できるが、犬が餌とする生ごみの管理がいい加減だと、野犬はそれを求めて動き回ることになる。また、無責任に餌を与えてしまうことも問題で、市内サブジバザール周辺では、利用者が餌を与えるせいで、縄張りに踏み込んだと思われた通行人が犬に咬まれるというケースも起きている。犬を捕獲するのも大変な作業であり、予防接種・不妊化カバー率を100%にするのは難しいと言われている。

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ちょっと計算してみたところでは、ティンプーでは、20人に1人が過去1年間に犬に咬まれたことがあるということになる。この記事、犬咬傷の被害者の最年少は1歳で、最年長は89歳とか、58%は男性だとか、まあ余計なことも載せているのだけれど、そんなことよりも、いつ、どこで、どのような状況で咬まれたのか、1人でいたのか数人でいたのか、そんなデータが欲しいところだ。そう思ってこのプロジェクトのレポートが公開されていないかを調べてみたのだけれど、よくわからなかった。

僕も常に犬に吠えられる恐怖を感じながら、朝ジョギングやウォーキングをやったりしているのだけれど、明確にわかるのは、野犬にはそれぞれ縄張りがあって、領域侵犯を冒す犬には容赦なく攻撃が待っているということ、犬もその点はよくわかっているので、僕ら通行人を追いかけても、ある程度のところまで追跡すると、そこで追いかけて来なくなるのである。ただ、ちょっとズルい犬もいて、少し長い距離を移動したい時には、通行人にコバンザメのように張り付いて、自分に危害が及ぶリスクを軽減しようとする。お陰で人間が攻撃の対象となることもあるわけで、本当にたまらない。この国では、健康管理も命がけだ(なんか変な言い方だが)。

お陰で、どのあたりがアブナイ野犬グループの縄張りなのか、どのあたりが縄張りの境界域なのか、何となくはわかってきた。石を握りながら走るとか、こちらも仲間を募って一緒に走ったり歩いたりして数的優位を作るとか、自衛手段もとりあえずは確保しながら恐る恐るやっているところだが、朝いつも同じコースを走ったり歩いたりしていると同じ犬に出くわすこともしばしばあり、向こうもこちらを認識してくれたのか、無視して放っておいてくれるようにはなった。油断すると危ないので、依然注意は必要だが。

それにしても、「地域の犬は地域で責任持て」という政策もどうなのかなと思う。自分達には政策遂行能力がないと言っているのと同じように聞こえるし、野犬軍団の生息域を考えると、商業地やホテル街、官公庁等、利用者の間にいちばんコミュニティ意識がないところに野犬は多く生息している。それに、自分は餌など与えていないという人と可哀想だから、あるいは可愛いから、あるいは生ごみを処理してくれるからと言ってホイホイ餌を与えてしまう人が、協働できるかといったらそれも違うだろう。

なんだか考えが纏まらない中でグダグダ書いているが、最近なんでもファブラボにくっつけるようにしているので、ファブラボがあるのならこんなことできないのかというアイデアを最後に載せておく。(パクっていただいて構いません。誰かがやってくれることが大事なので。)

1)野犬を片っ端から捕まえて予防接種・不妊化措置を施しているのなら、その時に彼らに超小型GPSデータロガーを装着させる。そして、そのGPSから飛ばしたデータをどこかで集中管理し、地図上にプロットするアプリを開発する。そうすると、スマホ持っている人は、今どのエリアを通過するのは避けるべきかどうかの判断がしやすくなる。野犬軍団がこちらに近づいてくる時には警報を発する。そうれば、ヤバい時には道端の石でも拾って身構えることもできる。その気になれば野犬軍団の生態観察だってできる筈である。縄張りとか行動範囲とか、経験値ではなくエビデンスベースで示すこともできるだろう。ついでに言えば、GPSデータロガーもファブラボで作れる。ただ、犬の頭数を考えれば量産できる体制を考える奴がいてもいいと思う。他でも生かせるし。

2)野犬に取り囲まれた時に、犬の嫌がる超音波を発信して退散させるデバイス。これは既にインドのファブラボで作られた試作品があるので、それをベースにブータン用にカスタマイズすれば、割と簡単にできてしまうのではないかと思う。但し、この方法、自分は良くても近隣にいる別の人に危害が及ぶ可能性があるので注意が必要。

3)不幸にも咬まれてしまった時に、近隣のどこの医療施設に行けばワクチン接種が可能なのか、ワクチン在庫があるのかどうかも含めて、すぐに教えてくれるアプリ。

野犬の強制移動や殺処分などはこの国ではできないのだから、野犬とも共存できる人間側の適応策を考えておかねばならない。それなら、彼らの行動を把握して、不幸な事態を未然に防ぐ、人間側の工夫も必要なのではないかと思う。
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