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『投資家の企業のためのESG読本』 [持続可能な開発]

投資家と企業のためのESG読本

投資家と企業のためのESG読本

  • 作者: 足達英一郎・村上芽・橋爪麻紀子
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2016/11/11
  • メディア: 単行本
内容紹介
「ESG投資」「ESG経営」という言葉がメディアに頻繁に取り上げられるようになりました。「E(環境)」「S(社会)」「G(ガバナンス)」の要素を投資や経営に取り入れるとはどのようなことなのか。なぜ、ここにきて注目されるようになったのか。これから、ESGは投資や経営に根付いていくのか――。ESGと最前線で向き合ってきたアナリストが、ESG投資の過去、現在、そしてこれからを分析するとともに、企業のIR部門はESG投資家に対してどのような情報開示を実施するのが有効なのかを提示します。ESGを体系的に解説した初の書籍です。さらに、「ダイベストメント」や「グリーンボンド」「インパクト投資」「持続可能な開発目標(SDGs」など、ESGを理解するために有効な40のトピックスを取り上げ、簡明に解説します。

実はこの本の共著者3人のうち、1人は知り合いである。本を購入して著者略歴を見るまで気付かなかったが、そういえばFacebookで1年ぐらい前に本を出したことを書いてたなと思い出した。その当時はピンと来なかったESGに、今は関心を持ったから、そういう目で既刊本を調べて行ったら、知り合いが共著で出してる本に巡り合ったというわけ。

なぜ今頃必要になったのかというと、1カ月後に迫ったGNH国際会議の発表で使う参考文献を確保しておきたかったからである。残念ながら、どういうテーマで発表するのかはここでは言えない。ブログで自分が思い付いたオリジナルのアイデアを書き記しておいたら、それを某大学の研究者にパクられて論文を書かれてしまったという苦い経験をしたことがあるからだ。その時は、論文の指導教官から、「先に論文にしなかったお前が悪い」と大目玉を喰らった。先生のおっしゃる通りだ。自分こそがオリジナルだと思っているネタを、こういう公の場で詳らかにするのは、良い場合と悪い場合がある。

そんなわけでここでは発表テーマは書かないが、ESG投資のプラットフォームビジネスのようなものを、アイデア段階ながらも会議の場で提案してみて、会場からのコメントをもらってさらにブラッシュアップしようというのが僕の狙いである。ただそのためには、たとえコンセプトが詰まっていなくても、10月末までに主催者に論文を事前提出しなければならない。

今月の大仕事はまさにこれだ―――。


ESG投資のプラットフォームを作るのが話の中心だけに、ESG投資家やESG経営を試行する企業というのは参考情報というのに過ぎない。ただ、僕らの提案しようとしているアイデアが本当に僕らのオリジナルなのかどうかは疑ってみておく必要があるとも思ったので、できるだけ参考文献は集めておいた方がよいと考えていた。しかし、8月までの僕は、その参考文献の探索を別のキーワードを使って行っていた。発表の趣旨からしてそれが正攻法だったからだ。しかし、キーワード検索でもなかなか「これは」といういい文献にヒットせず、7、8月をいたずらに過ごしてしまっていた。

そこにたまたま、日経新聞1面の広告欄で「ESG」という言葉を見かけた。これは本当にたまたまで、仕事で一時帰国して自宅で購読していた日経新聞を読んでなかったら気付かなかったし、11年前に在籍していた部署で一時的に「社会的責任投資(SRI)」のことをかじってなければ、「ESG」という言葉にピンと来なかっただろう。それで慌ててキーワード検索をかけて、最初にヒットした良さげなタイトルの本書に出会った。入門編としてはちょうど良い読み物になっている。また、GSIA(世界持続可能投資連合)、日本サステナブル投資フォーラム、IIRC(国際統合報告評議会)、SSE(持続可能な証券取引所イニシアティブ)、WFE(国際取引所連合)等、次にリサーチをかける必要がある組織の情報がかなり含まれていたので、次に進む重要な足がかりを与えてくれた本となった。

ここから先は、読みながらマーカーで線を引いた箇所の引用を少しだけ載せておく。

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一種のブームの様相を呈している日本のESG投資だが、それが着実に定着するかについては、筆者は決して楽観視はしていない。突き詰めていくと、それは内発性の多寡の問題にたどり着く。

世界で最初にESGという言葉が登場したのは、2006年4月のことである。この年、国連は、世界の投資家や運用機関に向けて、「世界規模の課題にもっと目を向けてほしい」という呼びかけを行った。国連の使命(ミッション)は、世界規模の紛争、気候変動、人権侵害というような問題を解決することにある。この呼びかけの具体化が、安倍総理の演説にも登場した「責任投資原則」という文書で、趣旨に賛同する投資家や運用機関等は、この原則に署名するという仕組みが採用された。この原則の全文には、「環境上の問題、社会の問題および企業統治の問題(ESG)が運用ポートフォリオのパフォーマンスに影響を及ぼすことが可能である」という考え方が盛り込まれ、第1項は「私たちは投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を組み込みます」となった。(中略)ESGという言葉を生み出した国連のさらなる期待は、「それでもなかなか企業行動は変わらない。ならば投資家と運用機関が変われば、企業は変わるのではないか、そうすれば世の中は変わる」というものだった。

世界では、責任投資原則は2006年4月の制定から10年を経過した今、317のアセットオーナーと1046の運用機関が賛同の署名を果たす大きな存在となった(2016年10月17日現在)。

多くの投資家がSRIに対して有していた「投資によって得られる金銭的収益を犠牲にして、自らが考える社会的正義を実現しようとする特殊な行動だ」「金銭的収益の最大化を目指す正統的な投資とは別世界のもので、自分たちは手を出すべきではない」という固定観念が、時代遅れになってきているということでもある。

要するに、企業の活動がネガティブな影響を「社会」や「地球」に及ぼすなら、そうしたネガティブな影響をできるだけ抑制することが企業のためにもなる。企業の活動がポジティブな影響を「社会」や「地球」に及ぼすことができるなら、そうしたポジティブな影響をできるだけ発揮することが企業のためになるという、「起業の健全性」と「地球や社会の健全性」との相互依存性が、徐々に認識されてきた。

実はESGブームとも言える状況が、単なるブームとして終焉してしまうときこそが、地球や社会にとっては絶望的な事態を迎えるということなのだろう。

ESG投資家といっても、日本国内では、コーポレートガバナンスのみを重視する投資家が半数以上を占めるのではないかと想像する。

英国で責任投資を推進するNGO、ShareActionが2016年3月に発表した機関投資家向け調査結果では、その62%がSDGsに沿った投資活動によって大きなリターンを得られることを期待しているという。

現在では徐々にテーマの広がりを見せ、EやSの側面の共同エンゲージメントも欧米では増加している。責任投資原則は署名機関に対し、共同で投資先企業にESGをテーマとするエンゲージメントを行う「クリアリングハウス」サービスを提供しており、その利用件数も増加傾向にある。

GPIFの中期目標において「株式運用において、財務的な要素に加えて、収益確保のため、非財務的要素であるESG(環境、社会、ガバナンス)を考慮することについて、検討すること」という一文が公表された。

サステナビリティ報告基準を策定するグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)は2013年にG4サステナビリティ・レポーティング・ガイドラインを発行するに当たって、こうした「マテリアリティの原則」の適用をプロセスのなかに明示した。このため、マテリアリティ選定は多くの日本企業によって実践され、その効果もCSR報告書やサステナビリティ報告で開示されるようになった。

2009年、潘基文国連事務総長により設立された持続可能な証券取引所イニシアティブ(Sustainable Stock Exchanges Initiative:SSE)は、フォーブス誌で、「世界でもっともサステナブルなアイディア」の一つに選出された。SSEは国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)、責任投資原則(PRI)が合同で推進するイニシアティブであり、証券取引所に投資家、企業、監督当局の共同で学習しあうプラットフォームとしての役割を持たせることを推進するものである。(中略)SSEに参加する証券取引所は責任投資や上場企業のESG情報開示およびESGパフォーマンス向上を奨励するというコミットメントをする必要があり、2009年の設立から2016年8月時点までで57の証券取引所がSSEのパートナーとして公表されている。

世界持続可能投資連合(Global Sustainable Investment Alliance:GSIA)は、環境や社会問題などへの取り組みを考慮して企業向け投資の可否を決めるサステナブル投資を普及するための国際機関である。アメリカのUSSIF、カナダのRIA、イギリスのUKSIF、オランダのVBDO、オーストラリアのRIAA、香港のASrIA(2015年に解消)といった世界の主要地域を代表するESG調査機関が中心となって立ち上げた組織であり、世界の主要な資産運用団体、年金基金、非政府組織などの運用関係者も加わっている。2012年には、GSIA初となる報告書「Global Sustainable Investment Review 2012」を発表し、世界の主要地域におけるサステナブル投資の現状が取りまとめられた。

2016年4月にはインデックス開発大手のMSCI社が、社会課題や環境課題に対処する製品・サービスを提供する企業によるMSCI ACWI Sustainable Impact Indexを発表した。

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さて、本書を読んで、次なるリサーチへの足がかりもできたことだし、10月はもっとこのテーマを深めていきますよ!!
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