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毎週末のゴミ拾い実践 [ブータン]

9月30日から10月2日にかけて、ティンプーはツェチュ(大祭)の三連休となった。老若男女を問わず多くの人々がきれいに着飾り、タシチョゾンで繰り広げられる民族舞踊の観覧に出かけたり、はたまたブッダポイントで開かれていたジェ・ケンポへのプジャに繰り出したり、さらにそれらを見るためにインドから訪れる観光客がいたりして、ティンプーの街がいつもと異なる喧騒に包まれる中、10月1日(日)の朝9時、ブッダポイントの麓にある私立校ドルックスクールに集まった若者たちがいた。市民社会組織(CSO)「クリーン・ブータン」のボランティアたちだ。

ツェチュの最中であるにもかかわらず、彼らはここに集まってきた。ドルックスクールからブッダポイントまで、約4kmの上りの舗装道路を、沿道のゴミを拾いながら歩くのだ。コーディネーターによると、この日のボランティアの数はいつもよりも少ないという。やっぱりツェチュの日はお祭りに繰り出すボランティアも多いのだろう。

それでもこの日ゴミ拾いが開催されたのは、この取組みが毎週日曜朝の恒例行事となっているからだ。定例化している以上、続けなければいけない。かく言う僕自身、こうした活動が行われているのを知ったのは9月に入ってからのことだが、日曜朝をティンプーでゆったりと迎えられたのは数週間ぶりであり、それじゃ参加してみようかと思ってドルックスクールに向かった。少人数で4kmの行程をカバーするのも大変だなと思っていたが、意外と大勢のブータンの若者が集まっていたので驚いた。

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コーディネーターの説明を聞き、ゴム手袋とゴミ袋を渡されて、出発する。歩きながら彼女の話を聞いた。この取組みを始めてから、少しずつではあるが沿道のゴミは減ってきているという。根気よくゴミ拾いを続けてきた成果だろう。なんでこんなに若いボランティアを動員できるのかと疑問に思ったが、ボランティアをやりたいとクリーン・ブータンにコンタクトしてきた若者に、何人連れて来れるかと尋ねるのだという。その人数を聞きながら、参加してもらう活動の場所と日時を決めていく。ティンプーで日曜朝ならブッダポイント、土曜朝なら僕も参加しているティンプー・ランニングクラブの土曜朝ラン&ゴミ拾い(ルンテンザンパ警察本部前~メモリアルチョルテン)と決めている。

同じような取組みは、ティンプーだけではない。30日(土)にはパロのタクツァン僧院の登山道で行われていた。クリーン・ブータンの活動は、東部タシヤンツェ、タシガン、モンガル、西部ではハ、パロにまで及ぶ。クリーン・ブータンの常勤スタッフがいる県もあるが、サムツェ、プンツォリン、パロ等ではそこに立地するカレッジにボランティア学生グループがいる。こうして、クリーン・ブータンの活動は全国に及ぶのである。

それにしても、なんで若者はボランティアがやりたいとクリーン・ブータンの門を叩くのだろうか。それは、若者の内なる欲求でもある一方で、もっと重要なのは、都市を中心とした若者の失業問題があるのだという。やることがない若者は、時間を持て余すと余計なことを考えがちだ。極端なケースはドラッグやアルコールに走る。そんな余計なことを考えなくても良くするには、無心で何かに取り組める時間を作ればいい。それがゴミ拾いなのだ。

日本でもひと昔前に「掃除道」なるものがもてはやされた時期があった。自分自身で掃除に取り組み、周囲の環境の美化に努めれば、自分の心も洗われたような気分になれるという。クリーン・ブータンはそのブータン実践編という感じだ。
『掃除道』:http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2006-02-11-1
『半ケツとゴミ拾い』:http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2009-10-10

ただ、僕らは昨年末からティンプー・ランニングクラブの土曜朝ランにくっつけてゴミ拾いをやっているが、メモリアルチョルテンにお参りに行くお年寄りに「ほい、ここにも落ちてるぞい」と指さされると複雑な気持ちにもなったし、土曜の朝、対岸の学校に通学している小中高生が見て見ぬふりして僕らの横を通り過ぎて行くのにもやりきれない気持ちになることがあった。半年も続けていればブータン人の良心に訴えられて協力してくれる人も増えるだろうと期待していたが、全く増えず、つい最近まで外国人の僕らが主力となって細々と続けられてきたにすぎない。やることで自分の心が洗われるような効果があることは否定しない。でも、「なんでブータン人は参加してくれないのか、このモデルが拙いのか?」と自問を繰り返していた。

その僕らの活動にもクリーン・ブータンは理解を示し、9月以降毎週土曜日は協力してくれるようになった。ようやく、日本人の参加人数よりも、ブータン人の参加人数の方が上回るようになってきた。ゴミ拾いだけではない。本チャンのラン/ウォークの方にも頑張って参加してくれるボランティアが増えてきた。彼らの参加によって、僕らの細々と続けていた取組みも、新しい段階に入ったような気がする。黙々とゴミ拾いに努める彼らを見ていると、ブータンも捨てたものじゃないとも思える。

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ブッダポイントまでの行程、確かにゴミは少ない。でも、ペットボトルやビール瓶、缶のポイ捨てはむしろ目立つし、ティンプー谷を見晴らせる展望ポイントになると、やっぱりゴミは散乱している。もっとひどいのは医療廃棄物の不法投棄。バイオハザードの赤い袋が破れて飛び出していたのは、レントゲン写真だ。どこから出てきたのかは推して知るべし。捨てた張本人がその病院でないとしても、医療廃棄物の処理のあり方をしっかり決めないとこういうことが起きる。ゴミ拾いをやっていると、いろいろな問題が見えてくる。

約2時間半かけて、ようやくブッダポイントに到着。徳を積み、晴れた心で大仏にもお参り。クリーン・ブータンが手配してくれた昼食をいただき、僕らはブッダポイントを後にした。往復8kmのウォーキングは体にもいい。

日曜朝9時集合と決まっているこの活動、時間がある時はこれからも参加しようと思う。

なお、CSOクリーン・ブータンの活動については、クエンセルが土曜特集号K2で以前紹介しているので、こちらもご参照下さい。

きれいなブータンを夢見て
A CSO dreams a clean Bhutan
Kuensel、2017年5月14日、Dechen Tshomo記者
http://www.kuenselonline.com/a-cso-dreams-a-clean-bhutan/

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