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ブータン人留学生が見た出稼ぎブータン人 [ブータン]

楽して得られるものなんてこの世にない
There is no free lunch
Kuensel、2018年5月4日、Pelden Nima(名古屋大学大学院農学研究科)
http://www.kuenselonline.com/there-is-no-free-lunch/

4月中旬にトブゲイ首相が訪日した際、首相が上げたFacebookの書き込みに、日本在住の技能実習留学生がクソ長いコメントをしていた。首相は政府の海外雇用促進制度を使って日本で働きながら勉強しているブータン人の若者と面会し、外国の不慣れな環境の中で頑張る若者たちを激励した。そのことがFacebookに書かれていたのだが、コメントは同じように日本に来ているブータン人からのもので、日本での生活が非常にお金がかかり、首相も単に激励するだけじゃなくて、現実を知って欲しいという批判的な内容だった。何にどれだけ出費がかさむかを細かく列挙していて、それが長くなる原因だった。

それもあったのだろうが、同じく日本に留学中のブータン人大学院生が、それに対する反論めいた内容の寄稿をした。「ただ飯なんてありえない」と題したこの投書は、クエンセル1ページ分の紙面の中に、10個以上の知らない単語が出てきて、大学院生ともなるとこんな難解な単語を頻繁に使うのかと驚かされた。多分、今まで読んだクエンセルの中で、1ページ当たりの知らない単語の数が最も多い記事である。前後関係で意味が想像できるものもあったが、わざわざそんな難しい単語を使わなくても、もっと簡単な単語で言い換えても良かったのにと思う。お陰で僕自身読むのを何度か諦め、このブログを書くのに時間もかかった。何度か躊躇した挙句、週末を利用して、辞書を引きながら読み切った。

この投書の1つのキーワードはcomplacency(ひとりよがり)であろう。投稿者は、ブータン人のひとりよがりをこんな形で表現している。
正直言って、私たちは波の穏やかな海を航海している国民だと言っても過言ではない。我々は、物事はそうあるのが当たり前だと受け止め、ボールが落ちてくるのを待って、一晩で突然リッチになるような機会を待ちわび、豊かになり、夢物語の中で迷子になってしまう。 これが私たちの中に、切っても切れない自己満足を生み出す理由となっている。

それに対して、投稿者は同じ研究室に属する同僚の姿を見て、日本人の不屈の闘志についても語っている。
自分のチャンピオンスピリットをかけた闘いであるか否かに関係なく、私は自分の研究室の同僚が時に挫折するのを目撃してきた。彼らは泣きたい時には泣いていた筈だ。しかし、彼らそこから必死で這い上がってくるのである。日本の成功の秘密はそんなところにあるのだと私は気付いた。

僕らがブータン人に「失敗を恐れるな」「大事なのは失敗から何を学び、同じ過ちを繰り返さないかだ」「簡単に成功が手に入るわけではない、成功の陰には幾多の失敗もある」等と当地で言っても、それが腑に落ちる人はそうそう多くはない。「日本は発展しすぎているのだ」というひと言で片付けられ、だから支援して欲しいという依存心がすぐに顔を覗かせる。

僕は個人的には技能実習生制度はあまり好きではないのだけれど、日本に行ったら行ったで、石にしがみついてでも3年頑張って来て欲しいとは思っている。ブータン政府の人はよく、「ネパールのようになるな」と口にする。でも、先週見てきたカトマンズは、震災の爪痕はいろいろなところで見られるけれど、飲食店やショーウィンドウの数がものすごく増えていたので驚いた。出稼ぎで日本とか外国に行って、資金と知識を得て戻ってきて、それで起業したという人が多いのだろう。そういう、歯を食いしばって異国で働き、母国に戻ってひと旗上げるという根性が、ネパール人にはあるように見えた。「ネパールのようになるな」というのも結構だが、ことこの点に関していえば、ネパールから学んで欲しいと思える。

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