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今いるメンバーで「大金星」を挙げる [読書日記]

世界剣道選手権2日目は女子の個人戦と団体戦が行われた。まあいずれの試合も日本代表は確実に上位進出するだろうと思っていたので、僕は大会本番に至るまでに何らか自分が関係したことがあるチームをお応援することにした。うちの会社の剣道部の稽古にも来てくれたセルビア代表やポーランド代表、それに米国駐在時代に通っていた道場から創設20年目にして今回初めて代表選手を輩出した米国、剣連に知り合いがいるチリ等である。

結果は個人も団体も日本代表が優勝したが、いずれも準優勝は韓国代表で、こと女子に関しては韓国の躍進が目立った。韓国代表選手の試合ぶりを見ていて思ったのは、相当腕っぷしが強そうだということ。竹刀まわしが異常に速いから、つばぜり合いから迂闊に体を離すと簡単にメンやコテを喰らいそうだ。つばぜり合いが長すぎて両者反則というのはわかるが、韓国選手にだけ反則を課す判定もどうかなという気はした。脱線ついでにもう1つ言うと、審判もうちょっと決然と自分自身の判断で旗を上げて欲しい。1人誰かが上げると、時間差置いて次々と他の審判が旗を上げるのを見ていてちょっと見苦しかった。世界レベルの大会だと正確な判定も難しいのだろうけど。

話を戻すと、韓国代表の躍進は印象的だったとして、応援していた代表選手も頑張ってはいた。セルビア女子は1名だけだったので、出場は個人戦だけだった。予選リーグは1勝1敗で、負けた相手は決勝まで行った韓国選手だったから、0-0で延長戦まで粘っただけでも大したものだと思う。ポーランド女子は個人戦では2人が決勝トーナメントに進出。トーナメント1回戦で姿を消した。団体戦も、オランダには惜敗したものの、中国には大逆転勝利、決勝トーナメントには行けなかったものの、こちらもいい剣道をしていた。

米国代表は、応援していた選手はこれまた予選リーグで1勝1敗。負けた相手が日本人だったから、この結果は致し方ない。団体戦の方は僕が会場を出た後の話だったので見ていないが、ベスト4だったらしい。この辺は予想通りの力を発揮したと言えそう。

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《女子個人戦、予選リーグ開始》

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《女子決勝が日本人対決でなく日本対韓国になったのは初めてのことらしい》

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『剣道 世界一への戦い』 [趣味]

ご存知の方も多いと思うが、昨日から東京の日本武道館では、第13回世界剣道選手権が開催されている。初日の男子個人戦は、ベスト4に残った4名のうち3名が日本代表で、結局網代忠勝選手が、昨年の全日本選手権の覇者・竹ノ内佑也選手を破って優勝した。僕は会社を休んで会場で観戦していたが、決勝トーナメントのベスト16をかけた対戦で、ポーランドのBosak選手が韓国のSung選手に逆転勝ちして韓国の牙城の一角を崩した瞬間は、場内割れんばかりの大喝采だった。韓国が弱かったわけじゃなく、欧州勢が強くなってきたんだと思う。韓国も日曜日の団体戦は本気モードで挑んで来るだろうし、日本代表が個人戦でよく頑張ったからといって、団体戦の良績は必ずしも保証されないと思う。応援しっかりしないと!

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《緊張高まる武道館前》

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《華やかな開会式の様子》

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《決勝トーナメントの様子》

今週は僕自身が世界選手権ウィークで、昔米国駐在時代に何度か一緒に稽古していた旧知の方々が米国代表の応援のために来日され、うちの道場にも稽古に来て下さったし、また欧州のセルビア、ポーランド代表チームは、いろいろなご縁があってうちの会社の剣道部の稽古会にもご参加下さり、剣を交わしながら親交を深めさせていただいた。幸いなことに、両チームとも個人戦では決勝トーナメントに2、3人を進出させ、ポーランドのBosak選手はベスト8、セルビアのMilocevic主将はベスト16にまで勝ち上がった。毎回、日本と韓国、米国代表選手等でベスト8は占められてしまう中で、この成績はかなり良いと思う。

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《二刀流対逆二刀の激レアな対戦!これが決勝トーナメント緒戦で実現》

世界選手権は世界中の剣道愛好家が集まるお祭りのようなものでもあり、変わった構えをとられる剣士もたまに見かける。日本国内のいつもの大会よりも明らかに多いのは上段の構えをとる選手であるが、二刀流という選手もいる。それが予選リーグを勝ち上がって、決勝トーナメント初戦でなんと二刀対逆二刀というなんともレアな1戦が実現した。お互いに決め手を欠き、決勝トーナメントとも思えないガチャガチャチャンバラやってるような試合だった。20分近く戦っただろうか、観客の目をくぎ付けにした一戦だった。

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『世界を動かす-ケネディが求めた平和への道』 [仕事の小ネタ]

世界を動かす-ケネディが求めた平和への道‐

世界を動かす-ケネディが求めた平和への道‐

  • 作者: ジェフリー サックス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/05/09
  • メディア: 単行本
内容紹介
丹羽宇一郎氏(前中国大使)「現在の世界の指導者と学識者に欠ける国際平和への「知と勇気と行動力」。混迷の時代の今だからこそ、我々はこの本から学ぶ必要がある。」
御厨貴氏(東京大学名誉教授)「ケネディは「言葉の剣」で世界の平和を紡ぎ出した。喫緊の課題である「持続可能な開発」にも、この教訓がきっと生かせる。」
ベストセラー『貧困の終焉』のサックス教授がJFKの珠玉のメッセージに託して私たちの目指すべき道を熱く語る。巻末にケネディ大統領による演説4篇を日英対訳で収録。


昨日の報道で、先月27日から続いていたニューヨーク国連本部の核不拡散条約(NPT)再検討会議が、1ヵ月近くに及んだ議論をまとめた成果文書を採択できないまま22日に閉幕したと報じられた。中東を「非核地帯」とする構想をめぐる加盟国の対立が解消せず、全会一致での文書採択に失敗したのだという。会議の決裂は、停滞気味の核軍縮に悪影響を及ぼすおそれがある。

この手の国際会議が不調に終わって成果文書を採択できないで終わるケースってどれくらいあるのだろうか。僕らと意外に身近なところでいえば、今週、ニューヨークでは、2016年から30年までの世界の開発課題を達成すべき目標の形で示す「持続可能な開発目標(SDGs)」に関して今年9月の国連サミットで採択を目指す成果文書の中身について、加盟国政府間の交渉が行われていた。この交渉もなかなか難航しているみたいだ。これが不採択で終わり、各国がこの課題にバラバラに取り組んだりすると、その取組みの総計が地球全体を維持していくのに必要な水準に至らないことだって考えられる。9月のSDGsだけでなく、12月のCOP(気候変動枠組み条約締約国会議)でまとめなければいけない地球温暖化対策についてもいえる。

各国が自国の事情ばかりを主張してこうした国際枠組みに合意できなかった場合、地球や人類の存続自体が危うくなってしまう―――そんな問題意識があったからなのだろう。元々経済学者である著者は毎年何度か日本を訪れているが、昨年10月に来日した際に青山の国連大学で行った講演で、さかんに故ケネディ大統領のリーダーシップを盛んに持ち上げていた。多分その頃に発刊された本書のプロモーションの意味もあったのだろう。それでも、これまで世界の貧困問題や地球環境問題、持続可能な開発に関して多くの本を書いて世に問うてきたサックス教授が、ケネディのようなもろ政治学的なテーマを扱う本を書いたというのは意外でもあった。

ケネディ大統領が行った演説からちょっと引用してみよう。僕が生まれる1ヵ月前にワシントンで行われた有名な演説だ。

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『スマートシティはどうつくる?』 [仕事の小ネタ]

スマートシティはどうつくる? (NSRI選書)

スマートシティはどうつくる? (NSRI選書)

  • 作者: 山村真司
  • 出版社/メーカー: 工作舎
  • 発売日: 2015/01/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
都市の脆弱性が取り沙汰される昨今、ますます耳にするようになってきた「スマートシティ」というキーワード。それは情報通信、エネルギー、水資源、交通など、私たちのくらしを構成するすべての機能がネットワーク化され、循環する都市のこと。産業が活気にあふれ、環境負荷が軽減し、人々が心地よくくらすことのできるまちを目指し、世界の都市がスマート化に取り組んでいる。日建グループのシンクタンク、(株)日建設計総合研究所NSRIの選書シリーズ第2弾は、都市開発のエキスパートによる、次世代のまちづくりへの入門書。

「都市」をテーマにした僕の読書はまだまだ続いている。

コンパクトシティ、スマートシティ、環境未来都市、スマートコミュニティ―――いろんな言葉が出てきたが、だいたいイメージとしては同じようなものを指向しているような気はする。でも、これまで読んできた本は、未来の都市はこうなるというイメージは書かれているけれど、今ある都市がどうやったらそういう姿に変わっていくのかまでは書かれていなかった。

これから2030年にかけて、都市と農村の人口比率は大きく変化し、2030年頃には世界人口の2/3は都市に住むようになると言われている。とすれば、今ある都市は郊外に向かってさらに都市化が進んでいくだろう。そうした大きな動きの中で、理想の都市はどこに作られるのだろうか、それがわからない。世界のトレンドが大きく都市化に向かうからといって、日本もそうだとは限らない。既に人口は減少に転じている日本で、これ以上郊外に向かって都市化が進むとは思えない。むしろ都心回帰が進んでいるように思える。そうした中であれば、理想の都市は郊外ではなく、今ある都市の中でのある区画の再開発のような姿になるのではないかと想像はできる。

そういう、ひょっとしたら当たり前だったことが、今回ご紹介する本では気付かされたのである。途上国であれば、これまで荒れ地や更地だったところにいきなり近未来型の都市を造ってしまうという思い切った発想もあり得るらしい(都市開発型、ニュービルド)。逆に、日本の場合は前述の通りの再開発ということになる(既存都市改修型、レトロフィット)。ただ、驚いたことに、本書によれば、世の中スマートシティの取組みは世界各地で行われている割に、レトロフィット型でうまくいっているケースが実はあまりないのだという。

また、本書を読んでみると、何をどこまでやったら「スマートシティ」なのかという定義もはっきりしていないのではないかと気になった。スマートシティにはいろいろな要素が含まれるが、インフラだけでいいのか、いいとしてもどのインフラをやればいいのか、街区の面積はどの程度が想定されるのか等、世の中の取組みはケースバイケースで随分内容が違っているのだなというのに気付かされた。勿論、都市はそれぞれ性格が異なるので、ワンサイズで全ての都市に合うようなメニューはないのかもしれないが。

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『脱・限界集落株式会社』 [読書日記]

脱・限界集落株式会社

脱・限界集落株式会社

  • 作者: 黒野 伸一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: 単行本
内容紹介
TVドラマ化原作、待望の続編!! 多岐川優が過疎高齢化に悩む故郷を、村ごと株式会社化することで救ってから四年の歳月が経った。止村は、麓にある幕悦町の国道沿いに完成したショッピングモールとも業務提携するほど安定的に発展していっている。そんな中、かつて栄えていた駅前商店街は、シャッター通りになって久しかったが、コミュニティ・カフェの開店や、東京からやってきた若者たちで、にわかに活況を呈していた。しかし、モールの成功に気をよくした優のかつての盟友・佐藤の主導で、幕悦町の駅前商店街の開発計画が持ち上がる。コミュニティ・カフェを運営する又従兄弟を手伝っている優の妻・美穂は、商店街の保存に奮闘するが、再開発派の切り崩しにあい、孤立していく。開発か、現状維持か? 日本のそこかしこで起こっている問題に切り込む、地域活性エンタテインメント! 信州、東北で大ヒット、17万部突破シリーズ待望の続編です。

前作『限界集落株式会社』をこのブログで取り上げてからちょうど3年が経過した。こういう起死回生の逆転一発ものは爽快感もあるし、読み進める中で今の日本が抱える様々な課題に対する著者なりのソリューションも提示している。それなりに勉強して描かれているので、読んでいる僕らも勉強になるが、エンディングまでの最後の数十ページでの展開が急すぎて、それまで盛り上がってきていただけに終わり方のあっけなさが気になった―――そんな感想だった。

その続編が昨年末に発表され、しかもその直後には反町隆史主演でNHKが前作をドラマ化したことから、これは機会があったら続編読んでみたいなと思っていた。本当は前作を読むか、ドラマをちゃんと見てから続編を読めば良かったのだが、そのどちらもやってない。ただ、ドラマは原作と設定が微妙に違っており、どちらかというと原作を実際に読むのがいいのだろうが、その原作も、前作と続編との間で登場人物のイメージが180度変わってしまったのではないかと思える佐藤のような人物もおり、無理に前作を読まなくてもいいのではという気もする。

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スマートコミュニティ入門 [仕事の小ネタ]

トコトンやさしいスマートコミュニティの本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしいスマートコミュニティの本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 新エネルギー・産業技術総合開発機構
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2012/06/08
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
スマートコミュニティは、情報通信技術を活かして、再生可能エネルギーの導入を促し、社会全体を環境にやさしい体系に変革します。そこには新たなビジネスチャンスが潜んでいます。

このところ続いている「都市」をテーマにした連続記事の1つとして、今回は「スマートコミュニティ」を取り上げたいと思う。

本書によれば、スマートコミュニティというのは、「エリア単位での次世代のエネルギー・社会システムの考え方」のことを指し、「進化する情報通信技術(ICT)を活用しながら、再生可能エネルギーの導入を促進しつつ、交通システムや、家庭、オフィスビル、工場、ひいては社会全体のスマート化を目指そうとするもの」だという。また、その形は、エリア毎にそれぞれの特徴や課題があるのだという。

背景にあるのは、今後の目指すべき社会の姿が、低環境負荷と経済成長の維持の両立という、サステナブルな社会であり、エネルギーに関しては、安定供給と環境適合性、効率の向上が実現される社会であるからだ。電力やガス、水供給、交通システム、物流等のスマート化により物の流れを良くすることと、省エネ技術や環境技術を新たに開発・導入して物の流れを少なくすることがアプローチとしては考えられる。

2000年代前半までは、エリア単位における電力系統への再生可能エネルギー導入ニーズの拡大を背景に、太陽光、風力、小型コージェネなどの分散型電源を組み合わせた小規模な地域電力システムで、その地域の電力事情に応じた需要コントロールを行う「マイクログリッド(小規模電力系統)」が指向されてきた。これが2000年代後半になると、広範囲における電力系統の再生可能エネルギー大量導入に対するニーズが拡大し、多様な公共サービスとの組合せが登場する。「スマートグリッド」と呼ばれ、電力システムを対象としたスマート化(ICTを利用した計測制御技術の導入)を行うことで、電力系統と需要家との電力需給を巧くコントロールする時代になった。しかし、この「スマートグリッド」は、未だどちらかというと供給側の視点に立ったインフラ整備といえる。

これに対して、2010年以降は、未来の快適で充実した社会、豊かな世界を構築するため、多様な需要家のニーズに応えるサービスの確立が求められるようになり、「スマートコミュニティ」という考え方が出てきた。電力に加え、熱供給、交通、水、住居に関する情報や生活情報などもICTでつなぎ、コミュニティ全体として最適に制御・連携を図ることで、快適で震災にも強い安定した暮らしや環境を向上させる住居や事業者の潜在ニーズに応じた街づくりが指向されるようになった。これはいわば需要側視点のインフラ整備の考え方である。しかも、東日本大震災以後の東北の復興ニーズにより、震災や津波によって破壊されたコミュニティのインフラや人々の信頼関係を再構築する必要性が高まり、これを機会に取組みの加速化が求められている。

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『江戸しぐさの正体』 [読書日記]

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)

  • 作者: 原田 実
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/08/26
  • メディア: 新書
内容紹介
「江戸しぐさ」とは、現実逃避から生まれた架空の伝統である。本書は、「江戸しぐさ」を徹底的に検証したものだ。「江戸しぐさ」は、そのネーミングとは裏腹に、1980年代に芝三光という反骨の知識人によって生み出されたものである。そのため、そこで述べられるマナーは、実際の江戸時代の風俗からかけ離れたものとなっている。芝の没後に繰り広げられた越川禮子を中心とする普及活動、桐山勝の助力による「NPO法人設立」を経て、現在では教育現場で道徳教育の教材として用いられるまでになってしまった。しかし、「江戸しぐさ」は偽史であり、オカルトであり、現実逃避の産物として生み出されたものである。我々は、偽りを子供たちに教えないためにも、「江戸しぐさ」の正体を見極めねばならないのだ。

2004年に公共広告機構(AC)が「江戸しぐさ」を広めるテレビ広告を初めて流した頃、僕は日本にはいた筈なのでCMを見たこともあったのかもしれないが、全然覚えていない。こんなCMだったらしい。


そもそも「江戸しぐさ」なるものが巷に流布していたということ自体を知らなかったので、3月にジョギングしながら聞いていたTBSラジオ『荻上チキ・セッション22』で「江戸しぐさ」が取り上げられ、本書の著者の原田実氏がスタジオに登場して「江戸しぐさ」のいかがわしさについて理路整然と指摘したのを聴き、そんなのがよくもまあ流布したものだなと思ったし、なんで歴史的な確認作業もせずに道徳の教科書で採用されるようなことまで起きてしまったのか、不思議でならなかった。しかも、この番組から日も経たないうちに、今度は4月6日付の東京新聞が、「ニセの歴史か 「江戸しぐさ」 史料の裏付けなし」と題した記事を取り上げた。曰く、「「江戸しぐさ」なるものが、小学校の道徳教育や自治体の市民講座でもてはやされている。江戸時代の商人たちが人間関係を円滑にするために培ってきた生活マナーらしいが、その存在を裏付ける史料は存在しておらず、本当の江戸とのつながりは定かではない。歴史研究家は「ニセの歴史」などと指弾する。発信源を探ってみると、その名もずばり、NPO法人「江戸しぐさ」にたどり着く。国や自治体はこの主張に乗っかっていた。」

なんだかものすごく胡散臭いものを感じた。別に「江戸しぐさ」なんて言葉を付けなくても、その多くは現代社会に住む我々のマナーとしてあってもおかしくないものばかりである。中には相矛盾するような解釈まで存在するようなしぐさもある。結局、マナーとして当たり前のものに「江戸しぐさ」といったブランド名を付けることで、そこに何らかの利権が発生する。そういうカネのにおいを感じる。

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『クリエイティブ都市論』 [仕事の小ネタ]

クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める

クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める

  • 作者: リチャード・フロリダ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2009/02/20
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
「クリエイティブ・クラス」という新たな経済の支配階級の動向から、グローバル経済における地域間競争の変質を読み取り、世界中から注目を浴びた都市経済学者リチャード・フロリダ。2008年に発表された本書では、クリエイティブ・クラスが主導する経済において、先端的な経済発展はメガ地域に集中し、世界都市は相似形になっていく現実と近未来像を描いている。さらに、クリエイティブ・クラスにとって、いまや自己実現の重要な手段となっている居住地の選択について、独自の経済分析、性格心理学の知見を使って実践的に解説する。

前々回に引き続き、「都市」に関する本を取り上げる。『ワーク・シフト』からの派生で読んだこの本は、市立図書館で借りて、連休中になんとか読み切れた1冊である。

僕がこの本に興味を持ったのは、この著者が元々はワシントンDCに住んでいた研究者で、それがトロント大学での教授ポストを得てトロントへ引っ越したという都市経済学者であるからだ。トロント大学といえばそもそもが都市論が盛んな大学で、しかもここの研究者は世界初の都市指標の国際規格ISO37120の制定に深く関与し、この規格を世界銀行が全世界で支援する都市開発のプロジェクトの現場で適用しようという取組みを進めている。

「ワシントン」(世銀の所在地)、「トロント大学」、「都市」といったキーワードすべてにヒットするリチャード・フロリダという人物は、きっとISO37120制定にも関わっていたに違いない―――そう勝手に予想した僕は、ISO37120の背景を知ることができないものかと思い、この本の内容を調べてみたいと思うようになったのである。結果的に、著者とISO37120との直接的なつながりは見出すことができなかったが、ISO37120制定に関わったトロント大学の教授とはどうも接点がありそうだ。

結論から言うと、とても面白く、自分が関わっている仕事にも何らか生かせたらと思える内容だった。

前半は、グローバル化の中で一握りの「メガ地域」とそれ以下の、停滞していく都市の格差が開いていくという著者の世界観を提示している。インターネットが普及し、世界はフラット化が進むという僕らの間で流行している通説は間違いで、実際は特定都市とその周辺地域を含めた「メガ地域」が突出して高い活力を示し、さながら世界各地に長さの異なる鋲が幾つも置かれた「スパイキー」な世界像がより実態に近いと著者は指摘している。

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『ぼくは眠れない』 [読書日記]

ぼくは眠れない (新潮新書)

ぼくは眠れない (新潮新書)

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/11/14
  • メディア: 新書
内容紹介
35年間、不眠症――――。ガバッと起きると午前2時、それが不眠生活の幕開けだった。毎夜同じ時刻に目が覚めて、眠れないまま朝になる。70歳にして探検旅行に挑み、ビールだけは欠かさぬ豪快さの持ち主には35年にわたる孤独な「タタカイ」があった。発端となっ た独立騒動、はかられた精神科受診、手放せない睡眠薬、ストーカー事件のトラウマ、眠気をさそう試行錯誤等を初めて告白。果たして「やわらかな眠り」は取り戻せるのか。

読者の皆様、この大型連休はどのように過ごされましたか?

この後半の5連休、ブログ更新もすっかり疎かにして、申し訳ありませんでした。なんだか慌ただしかったです。東京から岐阜に里帰りし、さらに里帰り期間中に京都まで日帰り旅行。京都日帰りの翌日には行楽客の帰りの大渋滞に巻き込まれながら6時間かけて帰京。連休最終日は地元の剣道大会に出場―――といった具合で。睡眠時間は7~8時間と僕にしてはタップリとって体力温存に努めたつもりでしたが、ギリギリ日付が変わる直前に帰宅した翌朝は、睡眠時間4時間で試合会場に向かったものの体がだるく、試合前のウォームアップで少し稽古しただけでめまいがしました。肝臓、相当弱っているんじゃないかと思いました。試合の結果は申すまでもありません。

結局、疲れを残した形で連休明けを迎え、今日に至っております。

さて、連休中、全く読書してなかったわけでもないけれど、実はある学会誌から書評を書くよう依頼され、その対象となる本を二度三度と読み直して過ごした。だから、その本のことを学会誌に先取りしてこのブログで書くわけにもいかず、かといって代わりになるような本は1冊しか読んでなかったものだから、いざブログ更新しようとしても書くネタがあまりなかったということでもある。

本日紹介する1冊は、連休明けに読みはじめたもので、新書サイズで、なおかつ著者が軽いエッセイが多い椎名誠さんだということもあり、通勤途中の時間を使ってあっという間に読み切ってしまった。僕はそもそもエッセイをそれほど読まないので、椎名誠さんの作品などこれまでほとんど触れたことがない。新書でなかったら、読もうとも思わなかったかもしれない。

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タグ:椎名誠
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スマートシティ・環境未来都市早わかり [仕事の小ネタ]

図解 スマートシティ・環境未来都市 早わかり (1時間でわかる)

図解 スマートシティ・環境未来都市 早わかり (1時間でわかる)

  • 作者: 白井 信雄
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2012/11/30
  • メディア: 単行本
内容紹介
東日本大震災以降、それまで潜在的であった都市の抱えるリスクが顕在化し、対応が求められるようになりました。“持続可能性”を重視した都市づくりに大きく舵が切られる中で、「スマートグリッド」や「再生可能エネルギー」「モバイルワーク」「シェアリング」にまつわる、さまざまな新たなビジネスがクローズアップされています。現在を、明治維新、昭和の戦後復興に続く、“第3の革命”ととらえる著者が、そのダイナミズムと都市ビジネスをわかりやすく解説します。

最初に結論を言おう。地元の図書館で借りて読んでみたけど、仕事の参考になるからこの本は買おうと思う。

このところの自分の読んだ本を振り返ると、幾つかのキーワードが思い付く。「未来」「環境」「ものづくり」がすぐに出て来るキーワードだが、その捕捉範囲をさらに半年以上拡げるともう1つのキーワードが浮かび上がる。それは「都市」と「データ」である。要するに、今まで読んできた本の延長線上にあるのは、各々のキーワードをつなぎ合わせて「環境未来都市」となるわけで、さらに言えば、様々な器具や端末をネットでつなげてデータをやりとりし、それを生産性向上やエネルギー効率の改善につなげようとする「スマートシティ」「スマートコミュニティ」なのである。いわば、僕が「環境未来都市」や「スマートシティ」「スマコミ」等をテーマにした本を読むのは当然の帰結とも言える。

これらのテーマについては、断片的にはいろいろな書籍や資料で読み、専門家から直接話を聴き、具体的な自治体の取組みを自分なりに調べて、なんとなくこんな感じかなというイメージは形成してきていた。でも、そうしたいわば断片的な情報をつなぎ合わせたら、どんな全体像が描けるのか―――ちょっと立ち止まって、整理してみようかと思ったのがこの種の本を読もうとした動機だった。

本書はいずれ購入するから、僕自身のナレッジマネジメントの一環としてここにメモっておくことはあまり必要ないかもしれないが、このブログの読者は僕だけではないので、僕なりに整理したこの本の内容の一端を以下でご紹介しておこう。

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