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『平和構築に向けた絆』 [仕事の小ネタ]

平和構築に向けた絆―カンボジア地雷対策センターの改革・成長と南南協力の

平和構築に向けた絆―カンボジア地雷対策センターの改革・成長と南南協力の

  • 作者: 小向 絵理
  • 出版社/メーカー: 国際開発ジャーナル社
  • 発売日: 2015/05
  • メディア: 単行本
田中明彦JICA理事長による紹介文
戦争や紛争の”負の遺産”が地雷である。
平和が訪れても今なお人々を殺傷し、開発の大きな妨げになっている。その処理は実に気の遠くなるような時間を要するが、手を緩めるわけにはいかない。カンボジア地雷対策センター(CMAC)の改革と成長の記録は、いわば「希望の物語」だ。その軌跡を誠実にたどった本書は、地雷問題にどう対処していくか、その道筋を住めしてくれる。平和構築や開発協力にかかわるすべての関係者、必読の書である。

カンボジアに駐在されていた我が社の先輩が、去年本社で開かれた会議の中で、カンボジアが世界に誇れるベストプラクティスが2つあると仰っていた。1つはプノンペン水道公社(PPWSA)で、その成長ストーリーは『プノンペンの奇跡』という本で詳述されている。そしてもう1つがカンボジア地雷対策センター(CMAC)である。地雷除去技術を含めた地雷対策全般では世界で最先端の技術ノウハウと経験を有し、コロンビア、ラオス、アンゴラといった国々に対して技術協力を行うまでに実力を付けているのだと聞いた。そして、CMACの成長ストーリーも、日本人の著者の手で本にまとまっている。

CMACのお話は、最近になっていろいろな場で耳にするようになった。それも、CMACが他国の地雷や不発弾処理に協力するという「南南協力」という文脈で。下記でご紹介するAFPの記事にもあるように、地雷撤廃の国際的取組みは成果も上がっており、死傷者数は2013年に過去最低水準にまで減少したという。間接的にではあるかもしれないが、CMACの南南協力の成果だとも言える。


CMACの歴史を簡単に述べておこう。

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『Fabricated』 [仕事の小ネタ]


シルバーウィークも最終日を迎えている。受験生を2人抱える我が家では毎日が勉強である一方、なぜか妻が集中的にパートの仕事を入れていて、留守番係の僕が受験生のケアを適宜やっている状態だ。遠出もあまりせず、せいぜい彼岸の墓参りに行ったぐらい。あとは敬老の日に妻方の両親、帰省した妹家族と食事をご一緒して飲んだくらいか。パートで出かけていた妻に代わり、僕がテキトーに晩御飯を準備したのが2回。引きこもりの連休だった。

でもそのおかげで大学受験を控える長男とはさしで話をすることができた。妻からは長男の志望大学についてだいたいのことは聞いていたけれど、本人と直接話す機会は少なかった。手のない人が身近にいたからか「義手を作ってみたい」というのが本人の夢らしいが、そうすると本人志望の機械工学以外に、単純に考えても脳科学、神経科学、バイオエンジニアリングの知識が要る。ついでに言えば、ユーザーが装着する義手にスティグマを感じないで済む、逆に着けていてカッコいいと思えるようなデザインのセンスも必要になるだろう。

そういう機械工学以外の学問領域との交流が学内でもできるような大学がいいねとコメントした。ついでに言えば、そう考えるなら、自宅から通える東京の大学にこだわらなくてもいいとも言い添えた。

さてここからが本題。子供2人が受験勉強をしていたこともあって、オヤジとしても何もしないわけにはいかない。正直いろいろ職場から持ち帰っていた読み物はあったわけだけど、その読み込みはほどほどにして、これだけはどうしても連休中に終わらせたかったことがある。今から紹介する本の読破だ。

Fabricated: The New World of 3D Printing

Fabricated: The New World of 3D Printing

  • 作者: Hod Lipson and Melba Kurman
  • 出版社/メーカー: Wiley
  • 発売日: 2013/02/11
  • メディア: ペーパーバック
内容紹介
 Fabricated tells the story of 3D printers, humble manufacturing machines that are bursting out of the factory and into schools, kitchens, hospitals, even onto the fashion catwalk. Fabricated describes our emerging world of printable products, where people design and 3D print their own creations as easily as they edit an online document.
 A 3D printer transforms digital information into a physical object by carrying out instructions from an electronic design file, or 'blueprint.' Guided by a design file, a 3D printer lays down layer after layer of a raw material to 'print' out an object. That's not the whole story, however. The magic happens when you plug a 3D printer into today’s mind-boggling digital technologies. Add to that the Internet, tiny, low cost electronic circuitry, radical advances in materials science and biotech and voila! The result is an explosion of technological and social innovation.
 Fabricated takes the reader onto a rich and fulfilling journey that explores how 3D printing is poised to impact nearly every part of our lives.
 Aimed at people who enjoy books on business strategy, popular science and novel technology, Fabricated will provide readers with practical and imaginative insights to the question 'how will this technology change my life?' Based on hundreds of hours of research and dozens of interviews with experts from a broad range of industries, Fabricated offers readers an informative, engaging and fast-paced introduction to 3D printing now and in the future.

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SATREPS(サトレップス) [持続可能な開発]

地球のために、未来のために SATREPS―地球規模課題対応国際科学技術協力

地球のために、未来のために SATREPS―地球規模課題対応国際科学技術協力

  • 作者: 小西 淳文
  • 出版社/メーカー: 国際開発ジャーナル社
  • 発売日: 2015/01
  • メディア: 単行本

シルバーウィーク入りしてから続く、科学技術イノベーション(STI)シリーズ、本書を紹介してひと段落ということにしたいと思う。

最初にお詫びしなければいけないのは、昨日掲載した記事の中で、新興国のSTI政策への取組みとの対比で、日本はあまりそのあたりに力を入れていないのではないかと暗に示唆する書き方をしていたが、その後科学技術振興機構(JST)のウェブサイトを少し調べていて、意外とJST自身がいろいろやられているのに気付いた。特に、JSTの運営するサイエンス・ポータルの2015年5月13日付のレビュー「科学技術外交ようやく日本外交の柱に?」というのが目を引いた。

「科学技術外交のあり方に関する有識者懇談会」(座長:白石隆政策研究大学院大学学長)が、9ヵ月あまりの検討結果をまとめた報告書を、5月8日、岸田文雄外相に提出したというもので、記事の大半はこの懇談会の15項目にわたる提言のうち、特に「外務大臣科学技術顧問」を試行的に設置する案を取りあげて論じている。

15項目をここで全て紹介するのが本日の趣旨ではない。ご興味があれば是非懇談会報告書の原文を読んでいただきたいし、僕自身もこの記事にリンクを張って、いつでも閲覧できるようにしておきたいと思っているが、日本でもこうやってSTI政策の拡充を図ろうとの動きがあることについては嬉しいし、それを踏まえずに昨日の記事を書いてしまったことはこの場を借りてお詫び申し上げたい。(反面、巷間騒がれている国公立大学の文系学部廃止の動きについてはいかがなものかと思うけれど。)

さて、話はJSTのレビュー記事に戻るが、そこでは、JSTとJICAが共同で運営するSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力、サトレップス)について、次のような言及がある。

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『躍進する新興国の科学技術』 [仕事の小ネタ]


金曜夜は夜更かしして、参議院本会議における安保法案採決の模様をテレビで見ていた。自民党議員による賛成討論を聞きながら、「国の存立を脅かす事態」に一刻の猶予もならないというなら、日本は防衛力の増強をハード面で進めるのが本当に唯一の方法論なのか、疑問に思った。いくら頑張ったって、日本の人口は今後も減るし、超高齢化はもっと進む。自衛隊の志願者数だって減るし、財政的な制約はもっときつく効いてくる。そんな中で、力に力で対抗するなんてできるわけがない。安保法案を国会通過させるための与党の説明を聞きながら、何を根拠にそんなことが言えるのか、不思議でならなかった。

シリア難民は欧州諸国にあふれる一方、世界各地で異常気象や自然災害によって甚大な被害が出ている。日本だって例外ではない。国の存立を脅かす事態どころか、地球や人類自体の存立を脅かす事態が各地で起こっているのだ。力には力をという考えをいったん捨てて、「我が国は持続可能な開発に貢献するための技術開発を進め、これを世界と共有していきます」と一方的に世界に向けて宣言すれば、日本は世界から称賛され、「潰すには惜しい国」としてリスペクトされるだろうに。国際的に果たされるべき責任を平均値以上に果たす国になっていったら、それが国の安全保障にもつながると思う。

前置きが長くなったが、本日ご紹介するのは新興国の科学技術イノベーション政策に関する1冊である。こういう姿を見て、日本はどうしていったらいいのか、考えてみるべきだとも思う。

躍進する新興国の科学技術 (ディスカヴァーサイエンス) (Dis+Cover Science)

躍進する新興国の科学技術 (ディスカヴァーサイエンス) (Dis+Cover Science)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2011/05/21
  • メディア: 新書
内容説明
安い労働力や、豊富な天然資源を背景に、経済成長を続けてきた新興諸国。
中国が「世界の工場」から「科学技術大国」に脱却、成長しつつあるのと同じ道をたどって、それら新興国の科学技術も、これから加速度的に進歩すると見こまれている。
ロシアのソユーズはなぜいまだに高い信頼を得ているのか?
韓国サムスン電子の急成長を支えた「地域専門家制度」とは?
多国籍企業はなぜイスラエルに続々と研究所を設立するのか?・・・。
知られざる新興国の科学技術を、各国の風土的背景もふくめて解説する。30年後の世界のパワーバランスを変えるのは、躍進する新興国の科学技術かもしれない!?

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技術の移転よりも熟練労働者の移動? [持続可能な開発]

コペンハーゲン・コンセンサス・センターというデンマークのシンクタンクは、持続可能な開発に向けて国際社会が取り組むべき開発課題とその達成目標の各々について、費用対効果の観点から目標設定の妥当性を評価するという、興味深い取組みをここ数年行っている。

持続可能な開発目標(SDGs)のゴールとターゲットのまとまり方は、政府間の妥協の産物で、それが結果的に17ゴール/169ターゲットという、ミレニアム開発目標(MDGs)と比べてはるかにエスカレートした数の目標に決まってしまった。こんなに多くては覚えられない、もっとシンプルにすべきだという指摘は随分前からあったものの、結局これを減らす努力は今年の年明けからの国連の場での政府間交渉では全くなされなかった。

こんなに多くちゃ覚えられないし、各国ともこの中から数少ないゴール&ターゲットだけを選んで選択と集中を図るだろう、だからSDGsは実行性が保たれなくて失敗に終わるに違いない―――そういうシニカルなご発言も度々耳にする。失敗したで済まされるのかどうかは疑問だ。失敗すなわち地球自体の持続可能性の喪失すら意味する。シニカルな意見を言う人に問いたい。それでいいのかと。

だけど、実際問題として数が多すぎるし、財政的な制約をどこの国も抱えているから、選択と集中は仕方がないことだ。だとすれば問題はどこに集中するかだろう。中には1つのゴール&ターゲットの達成に取り組むことが、他のゴール&ターゲットの達成にも同時につながる、正の相関関係があるケースだって結構あるかもしれない。また、SDGsは基本的に取組みの結果としての達成目標が書かれているもので、その達成に向けて何をどうやっていけばいいかという方法論まで縛った書き方にはなっていない(一部を除いて)。

だから、このシンクタンクの取組みはかなり興味深い。まだまだ消化しきれていないところはあるけれど、少しずつでもここの成果品は読み込んで、理解に努めていきたいと思う。

さて、本日のお題は、テクノロジーに関する面白い意見についてご紹介したい。

シンクタンクの代表のビヨルン・ロンボルグ氏が、自身のブログで掲載した記事で、技術移転の費用対効果について、同センターの分析結果を紹介したものだ。

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世界の貧困層を5000億ドルリッチにするには?
How to Make the World’s Poor $500 Billion Richer

2015年7月30日
https://www.linkedin.com/pulse/how-make-worlds-poor-500-billion-richer-bjorn-lomborg?trk=mp-reader-card

世界の貧しい人々を5,000億ドル裕福にする方法はある。しかし、それが話し合われることは滅多にない。これは由々しき問題だ。国際社会では、ミレニアム開発目標を継承・維持し、2015年から2030年までを規定する次の開発目標のセットをまさに作らんとギアを加速しているところだからである。2兆5000億ドルの開発援助に加えて、国の予算から何兆ドルもの資金が目標達成に取り組むのには必要だ。だから正しく優先順位をつけることが重要となってくる。選ばれ方が適切とは思われないターゲットの達成にお金をつぎ込むことは、他のもっと良いことを実現する機会を奪ってしまう浪費につながる。

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『体育座りで、空を見上げて』 [読書日記]

体育座りで、空を見上げて

体育座りで、空を見上げて

  • 作者: 椰月 美智子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
大人の階段を昇るのってすごくしんどい。5分だって同じ気持ちでいられなかった、あの頃。今もっとも注目の著者が、読者を瞬時に思春期へと引き戻す、おかしくも美しい感動作!野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞受賞第一作。
椰月美智子(やづきみちこ)といえば、僕が今からちょうど2年前に読んだ『るり姉』の作者であり、当時このブログでも「女シゲマツ」的な作風を指摘するとともに、各章ごとに主人公が異なる連作短編の構成を「あまり好きではない」などと評していたことがある。最初からこの作家だと知っていれば手に取ったかどうかすらわからない新たな椰月作品を改めて手にしたのは、タイトルからして明らかに学園ものだったからに違いない。コミセン図書室で借りて家に持ち帰ってから、初めて本書が椰月さんの作品であることに気付いた。

1人の女子中学生が、中学に入学してから卒業するまでの3年間を描いている。日記ほど日々の出来事を克明に記しているわけではなく、それぞれの学年で鍵となる出来事をいくつか取り上げつつ、当時何にハマっていたのか、クラスの誰と仲良くしていたのか、誰と誰が付き合っているとの噂があったのか、家族とどんな葛藤があったのか、等等を淡々と描いている。時系列順の展開で、かつ主人公・和光妙子の視点で貫かれているので、『るり姉』よりはわかりやすい構成だった。

ひょっとしたら、1970年生まれで神奈川県小田原市出身の著者の、ある意味自伝的な作品なのかもしれない。何が流行っていたのか――CCBだのキョンキョンだの尾崎豊だのと聞かされれば、そして校内暴力が社会問題化してそのいちばんひどかった年齢コホートから2学年下で、上級生から「呼び出し」を喰らうのではないかと心配しながら中学に入学するシーンなどから、この作品の舞台が、僕自身が中学時代を過ごした頃よりも6~7年後だと容易に想像つく。しかも、大人が自分のことをわかってくれないと訳もなくイライラして、どうしょうもなくなって近くの海岸に出かけるというシーンなどを見ると、遠浅の海岸、否応なしに相模湾でしょと想像できてしまう。自伝かどうかはともかく、著者は明らかに自分の中学時代を振り返りながら、その要素を作品の中に取り入れている。

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高齢者が暮らしやすい国ランキング2015 [少子高齢化]

国際NGOであるヘルプ・エイジ・インターナショナル(以下、HAI)は、9月9日に「グローバル・エイジウォッチ指数2015年版」(Global AgeWatch Index 2015)を公表した。毎年10月1日が世界高齢者デーであることから、HAIではこれに先立ち、毎年この時期に最新の指数を発表している。
*Global AgeWatch Index 2015トップページ:http://www.helpage.org/global-agewatch/
*HelpAge Internationalプレスリリース:http://www.helpage.org/global-agewatch/press/press/

2015年版が例年以上に注目されるのは、今月末にニューヨークで開催される国連「持続可能な開発」サミットで、2016年から2030年までの15年間に国際社会が取り組むべき開発課題を整理した「持続可能な開発目標」(以下、SDGs)が採択される見込みであるからだ。

SDGsは開発途上国だけでなく、先進国も含めてすべての国とその国民が達成に向けて取り組むべきだとする普遍性(universality)を原則としており、しかも2015年までの15年間を規定していたミレニアム開発目標(MDGs)の達成期間中にさらに広がった国家間、地域間、男女間といった様々な「格差」の問題に焦点を当て、「何人たりとも取り残さない(Leave no one behind)」ことも原則として謳っている。先進国と比べて高齢化が進んでいるわけではない途上国を中心に見ていると高齢者の問題の重要度はあまり高いとは思われないかもしれないが、人口の高齢化はアジアの国々を中心に向こう15年間で多くの国々でもっともっと進行する。お年寄りが取り残されない社会の実現は、これからの15年間の間に、政策的課題としての重要度をさらに増すだろう。

2015年版のグローバル・エイジウォッチ指数の特徴は以下の通りである。

(1)高齢者が最も住みやすい国として、今年はスイスが第1位となった。
  http://www.helpage.org/global-agewatch/population-ageing-data/global-rankings-table/

(2)指数は世界96ヵ国をカバーしているが、残る98ヵ国については統計データの欠如により評価
  することができなかった。アフリカでは、54ヵ国中評価可能なのは11ヵ国にとどまった。


(3)高齢者の貧困率は、少なくとも93ヵ国のデータセットでは欠落しており、数百万人の高齢者が
  データで捕捉されていない。


(4)高齢者の間での不平等が拡大している。ランク上位10ヵ国と下位10ヵ国の60歳時の平均余命
  の格差は、1990年の5.7歳から、2012年には7.3歳に開いた。


(5)2008年のリーマンショック以降、欧州や北米の国々では緊縮財政政策がとられ、高齢者向け
  優遇策が廃止になるケースが相次いでおり、高齢者に対するインパクトが拡大している。


(6)高齢化はそれまでにとられた社会政策の成功の結果である。人びとのライフサイクル全般に
  おいて人に投資することは、人生の終盤になって配当をもたらす。高齢者が社会の一員である
  ことを実感でき、かつ独立して自律的な生活を送れることが重要。


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『デジタル・ディスラプション』 [仕事の小ネタ]

DIGITAL DISRUPTION

DIGITAL DISRUPTION

  • 作者: ジェイムズ・マキヴェイ
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/08/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
「第3の産業革命」に乗り遅れるな!MAKERS時代に勝ち残るマインドセットとビジネスモデル。

この前、隣町の市立図書館の書庫を物色していて、何となくピンとくるタイトルだったので、予定外だったけど借りて読んでみることにした。元々借りようとしていたのは前回ご紹介した『オープン・サービス・イノベーション』だったのだが、趣旨としては本書もよく似ている。デジタル技術を用いたオープン・サービス・イノベーションのことを「デジタル・ディスラプション」(Digital Disruption)―――デジタル時代の創造的破壊モデルと本書では呼んでいるのだと理解した。

 あなたの会社が売っているのは、もはや単なる商品(あるいはサービス)ではない。現在、商品はトータルな商品体験の中心にあるのだ。これに気づかないと、たとえあなたの賞品の方が優れていたとしても、よりよい商品体験を提供するデジタル。ディスラプター――デジタル時代の創造的破壊者――に出し抜かれるだろう。
 フォレスター・リサーチ社の同僚であるハーリー・マニングとケリー・ボーディンは、著書『Outside In: The Power of Putting Customers at the Center of Your Business(アウトサイド・イン――消費者をビジネスの中心に据える力)』の中で、顧客の経験はビジネスの将来を左右するもっとも大きな力であると述べている。しかも、その経験は単純な商品だけでなく、その商品に関連するあらゆるものに及ぶ――トータルな商品体験なのである。(pp.157-158)

だから、出て来る事例がiPhoneだったり、Amazonだったりするのは当然のことである。書きぶりとしてはこちらの方が叙述的でわかりやすいケースもある。ただ、そうした「当たり」の記述がある一方で、若干期待外れの記述もある。

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『オープン・サービス・イノベーション』 [仕事の小ネタ]

オープン・サービス・イノベーション 生活者視点から、成長と競争力のあるビジネスを創造する

オープン・サービス・イノベーション 生活者視点から、成長と競争力のあるビジネスを創造する

  • 作者: ヘンリー・チェスブロウ
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2012/10/20
  • メディア: 単行本

7月にご紹介した『OPEN INNOVATION』に続く、チェスブロウの著書のご紹介である。前回のご紹介の際に、この著者もオープン・イノベーションを公的セクターや国際協力の分野で適用しているケースがあったら取り上げて欲しいという趣旨のコメントを僕は残していたが、その著者が2011年に『Open Services Innovation』という本を出しており、それも既に邦訳が出ているのを知り、読んでみることにした。

少なくとも、僕は本書がサービス業のオープン・イノベーションの話だろうと思って読み始めたが、すぐにその予想が外れていることに気付かされた。残念ながら、著者の「オープン・サービス・イノベーション」の定義は結局のところは企業のイノベーションのことであり、なおかつ製品中心のイノベーションを行うことの限界を指摘して、「製品を内部・外部のイノベーションを取り込むプラットフォームへと変換し、そのプラットフォームを中心に幅広い付加価値サービスを加えることで、起業は容赦ない価格競争から抜け出せる」(p.33)と主張している。製品を進化させつつ、ユーザーが製品を通して利用できる製品やサービス全体を競争の基盤とするべきだと提唱している。

卑近な例はAmazonじゃないかと思う。元々は本の通販サイトだったが、今では中古書籍の出店も多く、かつ取扱い商品のラインナップもここ10年の間に豊富になった。とは言ってもAmazonはプラットフォームとしてのサイトを提供していて、そこに多くの業者が集うようになっているだけのことである。同様に、本書ではオープン・サービス・イノベーションの好例として、アップル社のiPhoneを挙げている。

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『下剋上受験』 [読書日記]

下剋上受験-両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!

下剋上受験-両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!

  • 作者: 桜井信一
  • 出版社/メーカー: 産経新聞出版
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
目指せ桜蔭!!中学受験ブログ人気No.1著者の書き下ろし
塾なしで偏差値41から70へ。全受験生の親必読の感動ノンフィクション!!
昼はガテン系仕事、夜は娘と勉強、そして朝まで娘のための予習…。わが子に全てを捧げた父親の壮絶記録。中卒の父と、偏差値41の娘が、進学塾にも行かず、2人で桜蔭中学を目指す――話が無茶苦茶すぎて信じてもらえないかもしれません。でもこのお話はすべて真実なのです。そして今、私たち父娘は思うのです。この挑戦が決して無謀ではなかったことに。そして、届かない夢ではなかったことに…。

うちにも中学受験を来年に控えた小学6年生がおり、志望校は違えどどうやって都立の中高一貫校に入れたらいいかで頭を悩ませる日々である。何しろ僕は地方で高校卒業までを過ごしており、都内の学校制度に詳しくない。

小学校、中学校では普通に地元の町立の学校に行き、中学の先生から受けてよいとのお墨付きをもらえるぎりぎりのところで第一志望の高校を受験させてもらい、僕は合格を果たした。少なくとも高校進学に至るまでに、本気で受験勉強をやったのは中3の秋以降である。体育祭実行委員長だの、郡駅伝大会の代表選手だの、秋もいろいろやってたために、今は亡き祖母からは、「そんなことばっかりやってるから成績が落ちるんや」といつも小言を喰らっていた。

そんな僕が東京で世帯を持ち、子どもをもうけてみると、戸惑うことが多い。妻は中学高校と自分では大して勉強してたわけではないというが、それがにわかに教育熱心な母親に豹変した。地方でのんびり過ごしてきた僕から見たら肩の力が入り過ぎで、塾でひたすら入試対策の勉強で詰め込むよりも、本をたくさん読んだらいいとか、少年時代は二度とないんだから部活動やスポーツにはいっぱい取り組んだらいいとかのんびりと言う僕に対し、妻はいつも「あなたは東京で小中高と過ごしたわけじゃないから」と嘲笑した。だから子育てに関しては僕は口をつぐみ、妻の言い分をなるべく生かすようにしている。

この夏もいつの間にか申し込まれていた息子の夏期講習は6勤1休とオヤジ並みにハードで、ほとんど夏休みはないに近かった。お陰でこれまで息子が通っていた道場が主催した剣道夏合宿は、6年生であるにもかかわらず不参加、暑中稽古も不参加となり、息子は秋に予定されている大きな試合で団体戦メンバーから外された。その間に実力をつけてきた同級生がいたというのもあるが、それまでは同学年ではいちばん強かったのに。これも一時のことだと我慢はするが、僕自身は全然納得していない。それで本当に良いのか、息子本人は納得しているのか。「東京の小中高受験を知らない」と言われても、でも普通に稽古に通っている6年生だっているではないか…。

でも、世の中には妻よりはるかにモーレツな父親がいた。本書の著者である。

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