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『聞き書 緒方貞子回顧録』 [仕事の小ネタ]

聞き書 緒方貞子回顧録

聞き書 緒方貞子回顧録

  • 作者: 緒方 貞子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/09/11
  • メディア: 単行本
内容紹介
日本外交史研究者として出発しながら、国連にかかわる仕事を続け、民族紛争が激化した1990年代に国連難民高等弁務官をつとめた緒方貞子。その後、「人間の安全保障」を提起し、日本の開発援助を主導していく。生い立ちから現在までの歩みを、詳細な聞き取りによってたどる。日本を代表する国際派知識人の決定版回顧録。
国際協力機構(JICA)の理事長を辞められてから4年近くが経つ。いずれ出るであろうと思っていた緒方貞子さんの回顧録が、お弟子さん2人による計10回のインタビューに答える形でとうとうまとまった。3000円近くする本を買って読むのは勇気が要ったので、先に購入した人から借りて読ませてもらった。

僕は学生時代緒方先生の講義を実際に受けて単位をいただいた。とてもわかりやすい講義をして下さる方で、ノートは取りやすく、90分の授業で眠くなることはほとんどなかった。昔は憧れていてああなりたいと思うところはあったし、そういう人についていけるよう自分も頑張らなきゃと思ったりもした。緒方先生は戦後の国際ロータリー奨学生第1号で米国留学した方で、僕もそのずっと後に同じ奨学金で1年間米国の大学に学部留学させてもらった。だから緒方先生のようにならなきゃとも考えていた。

しかし、今思うところは、この方、出発点が違いすぎで、雲の上の存在すぎるということだ。どんなに頑張っても緒方先生ほど英語が上手にはなれないし、世界中の影響力のある著名人との交流や大勢の場で英語でスピーチすることなんて、ビビりのおっさんにはとうていかなわない。組織のトップとして自ら率先して動きつつ、政治的な働きかけを繰り広げるなんて芸当も、僕にはとてもできない。JICAの理事長としても開発援助実施機関の職員の意識を変えるのは大変だったと本書の中で緒方先生は述懐なさっているが、自ら乞うて緒方先生を理事長に迎えたJICAの職員も、緒方先生の要求水準に、制度面でも知識面でもついていくのは大変だっただろうと想像する。

むしろ、運良く恵まれた環境に生まれ、早くからハイレベルな政治の世界を垣間見、早くから海外で教育を受け、大学院留学の機会も得られるとして、そうした、出発点で既に恵まれていた人が、その出発点のアドバンテージを活かし、生きている間に何をなすのか?というのを考えさせられた。

そう述べた上で、本書を読んでいて気になった述懐について、以下にメモっておく。長ったらしいのはお許しいただきたい。

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