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2015年のGOOD-BAD-UGLY [ご挨拶]

このところ毎年大晦日はこのテーマで書いているので、今年も同様にいきたいと思います。

昨年は「UGLY」を用いるほど大変だったという出来事がない年だったと書いたと思いますが、今年もそうだったかなとは思います。また、今年は2030年までの国際社会が共通して取り組む開発や環境の課題を17のゴールにまとめた「持続可能な開発目標(SDGs)」に、国連全加盟国が合意した印象的な1年でした。取組み開始は2016年からですが、今世紀最初の15年が終わったんだなという区切りの年でもありましたね。

SDGs.jpg
《今年を彩る1枚といったら、これですかね。持続可能な開発目標(SDGs)》

1.仕事
(GOOD)今の部署には2013年11月から異動してきており、既に2年2ヶ月が経過しています。昨年末のブログで、「いずれにせよあと1年。年末までには、次の仕事の展望が開けていることを願っています」と書いていました。行き先までは特定できていませんが、なんとなくこれからの3ヵ月ほどの間に動くんだろうなという予感はしています。自分に務まるんだろうかと不安いっぱいで異動してきた今の部署で、なんとか2年以上過ごせたことで正直ホッとしています。

異動がチラついてくると新しい仕事というのはなかなか仕掛けられず、2、3ヵ月先までには成果が確認できるような仕事しか引き受けられなかったのですが、そうしたことをコツコツやってきて、振り返ってみたら結構細かいことは積み重ねてたなと思える1年でした。

(1)1月から2月にかけて休日出勤もしてなんとか書き上げた論文は、年内発刊予定だった本の1章になる予定
  でした。他の執筆者の原稿が遅れた結果、発刊が来年6月にまでずれ込んでしまいましたが、来年が楽しみ
  です。

(2)海外での登壇も含め、人前で英語をしゃべる機会が多かった1年でした。前の部署で負った英語に関する
  僕のトラウマが解消されたとは全然思ってませんが、止まっていたら前には進めないので、歯を食いしばっ
  ていろいろ引き受けました。

(3)今の部署の仕事と関連付けた出張機会がなかなか作れなかった東南アジア某国の施設見学を、他部署
  のお助け出張という形ではありましたが実現させられたことが嬉しいです。

(BAD)GOODで書いたことの裏返しのようなところがありますが、成果の見せ方では納得のいかないケースが幾つかありました。今年は僕が原稿取り揃えて出版社と調整した本が2冊発刊されましたが、どちらも僕のそうした縁の下の努力をまえがきないしあとがきにクレジットするというのを編著者がやってくれませんでした。結局なんだかんだ言っても原稿を書いた奴がエライというのを痛感させられました。でも、いちばん働いてくれなかった編集責任者が本の表紙にデカデカと名前が載ったり、僕だったらこう書くという腹案があったのに耳を貸してもらえず活字になってしまったのを見ると、悔しさを禁じ得ません。

(UGLY)5月だったか、僕が前の部署で取り組んできて、それなりに自分自身の成果だと自負していた仕事について、今のうちの部署の上司に貶されたことです。しかも僕に面と向かって。それが僕のやってきた仕事だと知らずにそう言われたみたいで、ああこの人は頭の回転は速いかもしれないけど、自分の指揮下にある人の各々が背負ってきたもの、拠って立つプライドが何かをちゃんと見てないんだと思ってしまい、ただでもギクシャクしていた関係が、さらに冷却してしまいました。

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歴史を掘り起こす仕事2 [仕事の小ネタ]

帝国日本の気象観測ネットワーク〈2〉陸軍気象部

帝国日本の気象観測ネットワーク〈2〉陸軍気象部

  • 作者: 山本 晴彦
  • 出版社/メーカー: 農林統計出版
  • 発売日: 2015/10
  • メディア: 単行本

来年早々に受験を控えている子供が2人もいるため、この年末年始は恒例の里帰りもしていない。年末年始を東京で過ごすというのも久しぶりのことで、なんとなくペースをつかめないでいる。

積読にしてあった本でも読もうかと思っても、どれも分厚いのでなかなか読み始める勇気が持てないでいる。どんなに頑張ってもこの6連休で読める本は1、2冊がせいぜいだと思うが、著者に謹呈いただいた本を年明けまで放置するのも気分的によろしくないので、取りあえず紹介してしまうことにしたい。

今年4月に『歴史を掘り起こす仕事』という記事を書き、山口大学の山本晴彦先生から謹呈いただいた3冊をまとめてご紹介したことがある。タイトルはどれも「満洲」やら「帝国日本」やらがくっついていて、いかつい印象を受ける分厚い本ばかりだが、記録にしっかり残しておく必要性が極めて高い歴史の一側面を、見事にまとめておられるのが印象的だった。

この3冊をご紹介してホッとしていたところ、10月になって先生からさらにもう1冊送られてきた。日本の気象観測の歴史を、満州統治時代よりもさらに遡るもので、これまで主に満州統治時代の現地での気象観測の記録をもとにしてデータをまとめてこられた著者が、先人がまとめた『陸軍気象史』(1986年発行)という本の情報をもとに、さらに気象庁図書館、防衛研究所所蔵資料、アジア歴史資料センターのデジタルアーカイブ、米国議会図書館、奈良県立図書情報館「戦争体験文庫」等をこまめにあたり、集めた情報を整理したものだ。

日本の気象事業は、明治8年創立の東京気象台に始まり、その後公営の測候所が全国各地に作られた。東京気象台はやがて中央気象台と名を変える。本書はこのあたりから歴史の紐解きをはじめる。中央気象台はやがて第1次世界大戦後の航空機を利用した戦闘への多様化に伴って気象事業の軍事利用の必要性が高まり、日露戦争の気球隊偵察業務から、高層気象観測へと大きく展開する。初期の中央気象台の関係者たちは、これが軍事利用されるとは思っていなかったのだろうが、その意に反してどんどん戦争に取り込まれていったのだ。

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『メイカーズ進化論』 [仕事の小ネタ]

メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる (NHK出版新書 471)

メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる (NHK出版新書 471)

  • 作者: 小笠原 治
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2015/10/09
  • メディア: 新書
内容紹介
IoTを制する者が、真のビジネスの勝者だ!
モジュール化、3Dプリンター、インダストリー4.0……激変を続ける製造業を取り巻く環境の中、日本が生き残る道筋はあるのか?設備総額5億円超 秋葉原の“モノづくり"拠点DMM.make AKIBAをプロデュースし、 DMM.makeの総合プロデューサーを務めた著者が、メイカーズの本質を「売れる」「作れる」「モノゴトで稼ぐ」の3つの明快な切り口でわかりやすく解説。

年の瀬も押し迫ってきたところで、今年1年を総括するような本をご紹介したい。

今年の読書歴を振り返ると、特徴的に多かったのがものづくりに関する書籍の多さである。ビッグデータ、メイカームーブメント、デザイン、第3の産業革命、インダストリー4.0、オープン・イノベーション、ハッカソン、IoT、モジュール化、科学技術イノベーション、3Dプリンター等等。でも、いちばん悩ましかったのは、3Dプリンターのような比較的新しい技術を用いた個人レベルのものづくりを論じる一方で、IoTやインダストリー4.0のようなよりマクロな、製造業の生産様式にかかわる議論をどうつなげるかであった。

キーワードばかりが揃っているのに、ちゃんと包括的に理解できる枠組みがない―――これが悩みであった。IoTやインダストリー4.0について解説されている本は、ほとんどが大企業の生産様式に及ぼす影響と機会について論じたものである。逆に、3Dプリンティングについて書かれた本では、それが個人レベルのものづくりの地平をはるかに拡げてくれる、革命的な技術であると書かれているが、それが大企業の生産様式をどう変える可能性があるのかにまでスコープを拡げて論じられることがほとんどない。

それを1冊の新書の中で包括的に論じようとするのだから、本書は画期的だと思う。

本書では、現在のものづくりにおける変化を、「モノが売れる」「モノが作れる」「モノゴトで稼ぐ」の3つの段階に集約されるとし、これらの要素を中心に、新たに登場しつつあるものづくりのエコシステムを描こうと試みている。

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『悲素』 [帚木蓬生]

悲素

悲素

  • 作者: 帚木 蓬生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/07/22
  • メディア: 単行本
内容紹介
タリウム、サリン、そして砒素――。「毒」はなぜ、人の心を闇の世界に引きずり込むのか? 悲劇は、夏祭りから始まった――。多くの犠牲者を出した砒素中毒事件。地元の刑事の要請を受け、ひとりの医師が、九州からその地へと向かった。医師と刑事は地を這うように、真実へと近づいていくが――。「毒」とは何か、「罪」とは何か。現役医師の著者が、実在の事件を題材に描いた「怒り」と「鎮魂」の医学ミステリー。

実に久しぶりに帚木作品を読んだ。540頁もある大作である。

いつもの帚木作品とはちょっと違う。何せ実際に起きた事件をベースにした作品であり、明らかに「あの人」という人が登場する。仮名にしてあるけど、ほとんど実名に近いほどの仮名に過ぎない。だから、どこからどこまでが実際に起きたことで、どこからがフィクションなのかがよくわからないぐらいに、実際の事件に近い内容になっている。

この作品は、急性砒素中毒の可能性を指摘した九州大学の衛生学教室の教授の目線で描かれていて、教授が和歌山入りして実際に診断したカレー事件の被害者と、事件発生前から急性砒素中毒が疑われていた数名の被害者の症状が相当詳しく描かれている。カルテや心電図、CT検査、血液検査データ等もこれでもかと言わんばかりに盛り込まれている。これこそ、どこまでが事実で、どこまでがフィクションなのかがまったく分からない領域。専門用語も多く、実際に関わった医師が自分で回顧録を書いたんじゃないかと思ってしまうような詳細な記述だ。

しかも、欧州で過去に起きた砒素を用いた殺人事件や冤罪事件までしっかり調べて、その経過を所々で詳述しておられる。これは、ただでも致死量の砒素を飲まされて起きるような殺人事件は過去にも殆どないため、数少ない症例やその後の刑事裁判の推移は、世界中を見渡してありとあらゆる文献から引っ張り出してこないと確認できない。薬品中毒の専門家になろうとするなら、ここまで知ってなければいけないのかと驚かされる。

ついでに言うと、砒素が使用された事件だけではなく、松本サリン事件や薬害スモン事件といった、過去に日本を震撼させた事件までその経緯が描かれているのである。主人公の教授は、過去にこれらの事件の薬理分析に関わったことがあるという設定であった。スモン事件の時は原因の特定に至るまでの検討プロセスを、そしてサリン事件の場合は原因物質の特定に加え、実際に現地入りして警察に協力し、裁判に出廷した過去の経験を回顧している。

なぜこんな作品になったのか。しかも、なぜそれが実名によるノンフィクションではなく、一応小説というスタイルをとったのか―――。

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『上司失格!』 [読書日記]

上司失格!  「結果を出す」のと「部下育成」は別もの (青春新書インテリジェンス)

上司失格! 「結果を出す」のと「部下育成」は別もの (青春新書インテリジェンス)

  • 作者: 本田 有明
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: 新書
内容紹介
話を聞かない「耳栓上司」、言うことが毎日変わる「日めくり上司」、成果を独占する「オレ様上司」…。自分の成績優先のスタンドプレーヤーから、できると思っている使えない上司まで、マネジメントできない上司が生まれる背景にあるものとは? 人事教育コンサルタントが教える「ダメ上司」につぶされない働き方のヒント。

僕は今の部署に来てから既に2年を経過しており、そろそろ異動の時期だろうと密かに思っている。社内の役員だの他の部署の社員等とのやり取りがかなり多い部署だったので、自分のような人間嫌いが通用するのかとかなり不安を感じながらの船出だったが、2年経過するとそれももう最終コーナーにさしかかっていると思う。優秀な部下に恵まれた。今の部署で明確に僕の指揮下にある部下は1名だけだったが、とても優秀で僕の至らないところを見事に補ってくれた。また、部下ではないけどスタッフ数はそこそこいた部署だったが、これだけ優秀なスタッフを揃えている部署も僕は初めてで、その分楽させてもらったと思う。

だから部下や同僚との関係において不満はあまりない。一方で、同じ中間管理職及び上司との関係性においては、僕は事情があって一歩引いて接するようにしていたけれども、正直言ってストレスはあった。それをここでいちいち詳らかにするつもりはない。それでも書かせてもらうとすれば、一部のスタッフにとりわけ厳しく当たり、結果心の病に追い込んでしまうような中間管理職や、部署のマネジメントは中間管理職の仕事だと割り切り、部署の中で何が起きているか、誰が何を考えているのかに気づきもしない上位管理職はどうかと思ってきた。また、僕が年上で遠慮があったからだとは思うが、だからといって、僕をバイパスして僕の部下に作業の指示を直接してしまう上司というのもね。そんなことだから、僕らがここに至るまでに背負わされたもの、積み上げてきたものに対するリスペクトもなく、僕が前部署で実績を上げてそれなりに胸を張ってきた成果に対して貶す発言までしてしまうのだ。

今まで我慢してきたのは、幸いなことに部下には恵まれてきたからだ。来年半ばになればその部下も異動するし、僕が歯を食いしばってもここで頑張ろうという気持ちはもうない。

さて、肝心の本書の感想に入ろう。僕はそんなわけで、今の部署の管理職連中のどこがどういけないか、本書のような「失格上司」の類型でどこに該当するのかというところに興味があって、この本を読んでみることにした。フムフムと頷けるところも多く、面白かったといえば面白かったのだが、読み進めていくうちに一点気になることがあった。

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『決戦!本能寺』 [読書日記]

決戦!本能寺

決戦!本能寺

  • 作者: 伊東潤・矢野隆・天野純希・宮本昌孝・木下昌輝・葉室麟・冲方丁
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
天正10年6月2日(1582年6月21日)。戦国のいちばん長い夜―本能寺の変。天下人となる目前の織田信長を、討った男、守った男。その生き様には、人間の変わることのない野心と業が滲み出る。名手七人による決戦!第3弾。

『決戦!関ヶ原』『決戦!大坂城』に続く、「決戦!」シリーズ第三弾である。その時々の出来事を当時を生きた様々な人の視点から描くという興味深い試みだ。正直言うと、関ヶ原や大坂城については、7人と言わず、もっと多くの作家に参加してもらい、もっと多面的に描いて欲しいなと思ったものだ。シリーズが続くなら、そんな試みも考えてみて欲しいと思う。ちなみに、本能寺の次は川中島の合戦だそうだ。

今回収録されているのは、次の7作品だ。顔ぶれは前回の『決戦!大阪城』とほとんど変わらない。

 「覇王の血」(伊東潤)―織田信房
 「焔の首級」(矢野隆)―森乱丸
 「宗室の器」(天野純希)―島井宗室
 「水魚の心」(宮本昌孝)―徳川家康
 「幽斎の悪采」(木下昌輝)―細川幽斎
 「鷹、翔ける」(葉室麟)―斎藤利三
 「純白き鬼札」(冲方丁)―明智光秀

伊東潤「覇王の血」については、織田信長の庶子で武田家を頼っていた五男信房を取りあげたもの。「織田信房」なんて知らなかったので、驚きの人選であった。こういうのも本能寺の変の解釈としてはありなんだと思う。ただ、著者の伊東さんは以前徳川家康陰謀説に立って長編作品を発表されていたので、それとも異なる解釈の作品を描かれるというのはちょっと意外だった。いや、戸惑ったという方が正確だ。

これに限らないが、当時いろいろな人が信長謀殺を狙っていたというのでは、いくら競作とはいえ作品間のつじつまが合わないところも出てくる気がする。せめて、企画編集側で1つの仮説を立てて、それを軸に各作家さんに書いてもらうことはできなかったのだろうか。関ヶ原や大坂城と違い、本能寺は真の首謀者が誰なのかが今もはっきりしていない。だからといって、こんなに異なる解釈w横並びで見せられては読者も戸惑うのではないか。

逆に、信長の首を狙っていたけど他の人に先を越された人の話ってのもあったら面白かったかもしれないが…。

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『中間層消滅』 [持続可能な開発]

中間層消滅 (角川新書)

中間層消滅 (角川新書)

  • 作者: 駒村康平
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2015/03/06
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
年間可処分所得201万円~999万円。これが日本の中間所得層である。今、戦後の日本社会を支えてきたこの中間層が消滅の危機に陥っている。このままでは中間層は消滅し、戦前のような金持ちと貧乏人だけの社会になる。一億総中流といわれた日本の分厚い中間層を再構築するための処方箋を提言!

この本は今年春に発売されてしばらくして文庫や新書をまとめ買いした際に含まれていた1冊なのだが、その後約半年積読状態にして、11月にようやく読み始める決心をした。この間読まずに積読にしていた理由は、あまりに簡素な装丁もさることながら、駒村先生のこれまでの著書を多少は読みかじっている経験者としては、データを駆使されているのは流石だなと思いつつも、生データではなくデータの加工の度合いが素晴らし過ぎて、かえってハードルを上げてしまっているところがあるように思う。例えば、2つのトレンドを1つのグラフで示すのに、左側の目盛と右側の目盛を使い、片や棒グラフ、片や折れ線グラフで示すといった手法がよく用いられるが、僕は意外とこの手のグラフを読むのが苦手で、そこから何が言えるのかというのを理解するのに時間がかかる。挿入図表が多いことはページをめくるスピードが速くてすぐ読み終われるのではないかと思われるかもしれないが、僕の場合はそんなことはない。図表の理解に時間がかかり、かえって読むスピードが鈍る。図表が多いのも良し悪しだ。

ではなぜその本を11月に読んだのかというと、必要にかられたからだ。最近のブログの記事のどこかで書いたかもしれないが、先週末に都内某所で開催された学会で僕は発表する機会を与えてもらい、そのために11月末までに英語5000語程度を目安に論文を提出するよう主催者から課せられた。僕は10月末までは別の学会発表で忙殺されていて、実際に11月末提出の論文の執筆にとりかかれたのは月半ばを過ぎてからのことだった。そもそも論文の構成がなかなか固まらず、しばらくは参考文献の読み込みに精を出した。その時に読んだ1冊がこの本。

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『低欲望社会「大志なき時代」の新・国富論』 [読書日記]

低欲望社会  「大志なき時代」の新・国富論

低欲望社会 「大志なき時代」の新・国富論

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/04/23
  • メディア: 単行本

内容紹介
なぜアベノミクスでは景気が上向かないのか―――。
なぜアベノミクスでは景気が良くならないのか? 日本が“借金漬け”から脱する日は来るのか? 「皆が等しく貧乏になる国」で本当にいいのか? それらの難題を読み解く鍵は「低欲望社会」にあり―――。
日本では今、世界に先駆けて未曽有の危機が進行している。人口減少、超高齢化、“欲なき若者たち”の増加……。こうした事態に対し、従来の20世紀的な経済対策や金融政策は全く通用しなくなっている。それは、世界的ベストセラー経済書の著者であるピケティ教授やノーベル賞経済学者のクルーグマン教授らの理解をも超える深刻な現実なのである。 ところが、安倍首相主導のアベノミクスは、相変わらずの中央集権的なバラ撒き政策で税金を湯水のごとく使い、やみくもに公共事業を増やし設備投資や消費を煽ろうとするばかりだ。安倍首相の暴走を止めなければ、いずれ日本は奈落の底に落ちていくことになる。 今、必要なのは、“借金漬け”から脱し、人々の「心理」に働きかけることで経済を活性化させ、国全体を明るくするような“新たな国富論”である。そして、その契機となる政策はまだ残されている。都心再開発、移民政策、教育改革、道州制と国民DBの導入……。 世界的経営コンサルタントが「アベノミクス破綻」に警鐘を鳴らす、ビジネスマン必読の書。

大前研一氏が『新・国富論』を出されたのは1986年、僕が大学4年だった頃のことだ。『新・国富論』は当時ベストセラーで、大学院の指導教官から薦められて僕はこの本を読んだ。ちょうど経済学を専攻していたこともあり、斬新な切り口にはいたく感銘を受け、その後出された大前氏の著書は、何冊か読んだことがある。多作なので全巻読破はとてもできなかったが。こんな人が国政に出たら、日本は大きく変われるだろうなと期待もした。実際に国政選挙にも立候補されているが、政界での多数派とはなり得なかったのは残念だった。

そんな大前氏の著書を久し振りに読もうと思ったのは、「低欲望社会」というタイトルにちょっと惹かれたからだ。大前氏は言う。そもそも今の消費減退は、日本が総じて消費意欲のない国になったことによるもので、日本人、特に物心がついた時期から不景気が続いている今の35歳以下の人たちは、将来が不安で大きな借金を抱えたくないから、住宅ローン金利が史上最低水準であっても反応しない、ケインズ経済学に逆らう国民になってしまったのだという。そういえば、日本人の内向き指向が指摘されるのも同じことかもしれない。大前氏は、日本の若者の大半はDNAが変異し、欲望がどんどん減衰している、だから、今の日本でいくら政府が景気刺激策を打っても、消費が増えて景気が良くなるというのは期待できないのだという。
成熟国家となった今の日本の国民には、自分たちが目指すべき夢や理想――いわば「坂の上の雲」が見えなくなってしまっているのだと思う。そういうかつてない現実に対して、これまでのように税金を湯水のように使って消費を煽るのではなく、心理に働きかけることによって経済を活性化する方法がまだいくつか残っている。低欲望社会が現出した背景には何があり、今後どう対処すべきか――それを論じたのが本書である。(p.11)
そうして舌鋒鋭く、アベノミクスの的外れさをこき下ろしている。

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タグ:大前研一
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『下町ロケット2 ガウディ計画』 [池井戸潤]

下町ロケット2 ガウディ計画

下町ロケット2 ガウディ計画

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/11/05
  • メディア: 単行本

内容(「BOOK」データベースより)
ロケットから人体へ―佃製作所の新たな挑戦!前作から5年。ふたたび日本に夢と希望と勇気をもたらすエンターテインメント長編!!

TVドラマ面白いですね。ドラマが二部構成になっていて、後半は池井戸さんの新刊『ガウディ計画』がベースになっていると知り、せめて第2部が中間点を過ぎてドラマが佳境に入ったあたりで原作を読んでおこうと考えていた。

先週末、ちょうど第8話が終わり、週末から関わっていた東南アジア某国への出張もひと段落したので、出張先最後の日の夕方、現地で電子書籍版を購入した。電子書籍版はこういうシチュエーションで気軽に購入できるからとても便利だ。

元々東京までの帰国フライトの機内で読もうと思っていた。ところが、前夜少し時間があったので、ホテルのジムでトレッドミルで10kmほど走っておこうと考え、走りながら読むのにこの作品を選択したのがよくなかった。走りながら1/4ぐらい読み進めてしまうと、続きが気になって仕方がない。走った後の夕食も外のレストランじゃなくルームサービスに切り替え、さらに読書を継続、さらには就寝時間も無視して読み進めてしまい、結局読了したのは午前1時を回っていた。

翌朝の帰国フライトが早いため、朝は4時起床を想定していた。午前2時近くにもなってあと2時間寝るのは目覚ましでも起きられないリスクが大きいと考え、結局そのままパソコンと向き合い次の仕事の資料作成などをやって過ごすことにし、朝睡眠不足のまま空港に向かうことになってしまった(苦笑)。

池井戸さん、なんて罪作り…。自分がいけないことは重々承知しているけど、こんなグイグイ読ませる作品を描いたあなたにもひと言申し上げたい(笑)。それだけ面白かったということです、ドラマのキャストを思い浮かべながら読めた。

これで予習は完璧。それでは最終回までのあと2回、ドラマを楽しむことにしよう!

*内容紹介してなくてスイマセン。まあ「日記」ということでお許しを!!
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『貧困を救うテクノロジー』 [持続可能な開発]

貧困を救うテクノロジー

貧困を救うテクノロジー

  • 作者: イアン・スマイリー
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2015/08/19
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
1961年国連にて「開発の10年」が戦略として打ち出されて以来、南北問題は世界全体が注視し、解決すべき喫緊の問題として認識されるようになった。大型の投資と貿易は経済発展の手段としてさかんに取り入れられたが、ほとんどの場合、先進国からの一方通行という性格を帯びていたため失敗に終わる。一方で、小型で単純で安価に導入され、成功をおさめたプロジェクトもあった。本書は、発展途上国の実状と、約50年にわたる貧困との戦いの具体的な実績から、真に有効で持続可能な開発援助の方法を明らかにし、これからのあるべき姿を問う。

まだ発売になってから日が浅いが、日経の書評でも取り上げられ、実際に先に読んだ知り合いも「これ面白いです」と薦めてくれた1冊である。このところ、人の仕事が機械に置き換えられていくという話ばっかり載ってる本を立て続けに読んで気持ちが暗くなっていたが、もう少し夢のある話でもないものかと視点を変えたくて、こんな本も今回の出張には持ってきていた。

この本、原典は2000年に出ていて、販促用の帯によると、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)では不朽のテキストとして読まれているんだそうだ。著者は別にMITの先生だというわけじゃないけれど、過去2世紀ほどを遡っての技術史を、途上国の開発という文脈で捉えている興味深い1冊だというのは認める。

15年も前に出た本が今頃邦訳されるというのはなんでだろうかといえば、それはきっとMITのものづくりが注目されたからだと思う。巻頭言を書かれている遠藤謙氏といったら、MITのメディア・ラボ所属の注目の研究者で、以前、『クーリエ・ジャパン』が2011年にメディア・ラボの特集を組んだ際にも登場していた。今やMITは世界中のものづくり愛好家の聖地のようなところであり、メイカームーブメントの一環としてこのような本も今になって注目されるようになってきたのだろう。慶應大学の田中浩也先生が監訳で随分とものづくりの本が日本でも出版されるようになってきてはいるが、絶対的にはまだまだ不足で、特にものづくりが途上国のような身の回りに不便や問題が多いような環境の中でどのようにそれに立ち向かえるのか、ヒントを与えてくれるようなコンテンツは少ない。そういう意味では、「痒いところに手が届く」ような1冊であるといえる。

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