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『ひたすら読むエコノミクス』 [仕事の小ネタ]

ひたすら読むエコノミクス

ひたすら読むエコノミクス

  • 作者: 伊藤 秀史
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2012/04/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
経済学は、世の中と人間を読みとく「文法」だ!
景気、失業、税金、規制、貿易、為替…。経済学と言えば、新聞やニュースでおどる、「マクロ」な経済問題をイメージされる方が多いかもしれません。
しかし実は、経済学には「文法としての経済学」という側面もあります。社会の仕組みや人間の行動を考え分析するための、「ツールキット」としての側面です。
経済学を通して世の中の様々な問題を考えていくことで、「◯◯は,こんなふうに考えることができるのか!」という新鮮な驚きと、「△△は,経済学で考えないと見落としてしまっていた!」という目からウロコの感覚を味わうことができるはずです。
ひとりで何かを決めること(合理的選択)から始まり、駆け引きのある決定(ゲーム理論)、多人数の意図が交差する市場の成功と失敗、などの基本的なトピックから、「インセンティブ」をキーワードに、現実の不透明な状況でどうすればいいのか、経済学を使って考えてます。
さらに、市場をうまく機能させるため仕組みを考えるの新しい理論(マーケット・デザイン)や、人々の様々な思惑が衝突するなかでの組織の仕組みの作り方(組織の経済学)、についても、経済学という文法で読み解いていきます。

今からちょうど2年前、トマ・ピケティ『21世紀の資本』がもてはやされていた頃、週刊東洋経済が経済学の特集記事を組んだ。その時、参考文献として紹介されていたのが本書で、1年以上経ってある程度ほとぼりが冷めてきた頃になって、BOOK-OFFで本書を見つけ、廉価で購入した。海外赴任までに読み始めることがかなわず、仕方なくそのまま赴任国に持って行ったが、結局現地でも読む機会がなく、そのまま日本に持って帰ってきていた。

取りあえず、この3週間の一時帰国中に、文字通り「ひたすら」読んで、読了というアリバイだけは作った。わからないところで立ち止まったりせず、ひたすら読み進めたので、ちゃんと理解できたかと聞かれるとかなり自信はない。

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草の根イノベーション [仕事の小ネタ]

Grassroots Innovation: Minds On The Margin Are Not Marginal Minds

Grassroots Innovation: Minds On The Margin Are Not Marginal Minds

  • 出版社/メーカー: Random Business
  • 発売日: 2016/07/20
  • メディア: Kindle版
内容紹介
A moral dilemma gripped Professor Gupta when he was invited by the Bangladeshi government to help restructure their agricultural sector in 1985. He noticed how the marginalized farmers were being paid poorly for their otherwise unmatched knowledge. The gross injustice of this constant imbalance led Professor Gupta to found what would turn into a resounding social and ethical movement—the Honey Bee Network—bringing together and elevating thousands of grassroots innovators.
For over two decades, Professor Gupta has travelled through rural lands unearthing innovations by the ranks—from the famed Mitti Cool refrigerator to the footbridge of Meghalaya. He insists that to fight the largest and most persistent problems of the world we must eschew expensive research labs and instead, look towards ordinary folk. Innovation—that oft-flung around word—is stripped to its core in this book.
Poignant and personal, Grassroots Innovation is an important treatise from a social crusader of our time.

インドのアニル・グプタ教授と「ハニー・ビー・ネットワーク」のことは、2000年末頃には既に知っていた。当時僕はある雑誌の寄稿連載枠で、1回だけ執筆するよう頼まれ、インドの社会開発におけるICT活用の話の中で、特出しして「ハニー・ビー・ネットワーク」のことを書いたと記憶している。特別接点があったわけではないが、僕がインドという国に凄さと面白さを感じたのはこの頃のことであり、以後インドに行きたいとずっと希望し続けていたら、2007年になってようやく実現した。既に友人もいて、インド駐在を機に旧交を温めることもできたが、それとともに嬉しかったのは、アニル・グプタ教授の活動をわりと頻繁に報じる全国紙The Hinduと出会ったことだった。

今はどうなっているかわからないが、当時は毎週木曜日の同紙では農業農村開発分野での草の根発明家のイノベーションが紹介されていて、それにグプタ教授のコメントが付いているケースが多かった。同紙のネタ元がナショナル・イノベーション財団(NIF)という、グプタ教授の働きかけでインド政府が設立した財団のデータベースだったのは明らかで、2010年初頭には、この中の発明品を登場させる形で、アーミル・カーン主演の映画『3 idiots』(邦題、きっとうまくいく)も公開されている。インドでは毎年「イノベーション展」というのが開催されている。今は大統領府の敷地内で草の根発明品が展示されている。
http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2010-03-14

僕はインド駐在時代にアーメダバードに行ったことがなくて、残念ながらグプタ教授にはお会いしたことがないが、インドと言えば僕にとってはアニル・グプタ教授の国であり、そして草の根発明家の国なのである。そして、残念ながらそういう草の根レベルからイノベーションや社会起業家が生まれにくいのが、僕が今住むブータンなのである。

そんな、僕の敬愛するグプタ教授が、昨年7月に本を出された。矢も楯もたまらず電子書籍版を購入し、さらには8月に出張でインドに行ったついでに空港で書籍版も購入した。そこまで惚れ込んでいる著者の本ならさぞかし早く読み終われるのだろうと思われるかもしれないが、インド人の知識層にはよく見られる、難解な単語や表現が並ぶ本で、読み進めるのに極めて難儀し、昨年末の時点で辛うじて50%を超えた程度。これではまずいと一念発起し、今月6日に当地で行われたイベントを1つの目標と定めて、残りの紙面を一気に斜め読みで目を通した。あまり納得いく読み方ではないが、これを以って一区切りにしようかと思っている。

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『読んだら忘れない読書術』 [仕事の小ネタ]

読んだら忘れない読書術

読んだら忘れない読書術

  • 作者: 樺沢紫苑
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2015/04/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
こうすれば、記憶に残すことができる! 毎月30冊の読書をこなし、毎日40万人に情報発信!異色の精神科医が教える、脳科学に裏付けられた、本当に役立つ読書とは?

年の初めは自分のワークスタイルやライフスタイルを見直す良い機会だろうと思い、こんな本も読んでみた。いつかは忘れたが昨年キンドルで購入し、そのまま積読状態にしていたもので、著者に言わせると、購入して即読まないと記憶に定着させることが難しくなるという点では、僕のやったことは落第点だなと苦笑いさせられる。

当然、僕がこんな本を買った理由は、読んだ本で書かれていることを容易に忘れてしまうというのを何とかしたいという思いがあった。もっと言えば、僕のまわりには、「かの偉大な哲学者の〇〇は、著書〇〇の中で、『~~~』だと言っている」というような引用をごく普通にするような人がいるが、僕にはそれができない。その本を読んでないわけではないが、そういう、気の利いた引用をうまく自分の論点をサポートする材料として話の中に挿入するテクニックが僕にはないのである。本を読んでないわけでもないが、誰もが知っている有名な著者の本ばかりを読んでいるわけでもない。仮に僕が「かの有名な精神科医の樺沢紫苑が、『読んだら忘れない読書術』の中でこう言っている・・・」と始めたところで、聴いている人々は、「樺沢紫苑て誰?」というところで立ち往生してしまうだろう(笑)。

そんなことを考えながら読み始めたわけだが、結論から言うと、自分が探していた答えは見つからなかった。「速読よりも深読」、「深く記憶に残すマーカー読書術」、「気付きを人と共有するソーシャル読書術」といった流れは、まさに僕が今も実践していることである。僕はそんなに多読じゃないし、1冊読んでいる間に心に響いたフレーズは10カ所程度は線を引くし、それを先ずはSNS読書メーターで最大255文字の感想として書き、それをベースにして次はブログで長めの読書ノートを書いている。確かに、「1週間に3回アウトプット」等、厳密に言うと著者の提言を忠実に守っているわけじゃないが、著者の定義する「アウトプット」の中にはマーカーで線を引きながら読むというのも含まれているらしいので、それを1回とカウントすれば、僕のやっていることは著者の推奨されていることと割と近い。

それでも、気の利いた引用ができないんだよな~。


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『作ることで学ぶ』 [仕事の小ネタ]

作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)

作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)

  • 作者: Sylvia Libow Martinez、Gary Stager
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2015/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
本書は、教育の新しい潮流として注目されている「STEM教育」や「プログラミング教育」に携わる教育者のための書籍です。まずは基礎編として、テクノロジーを活用した教育の歴史と「構築主義」などの教育理論、学習のためのデザインモデルを解説。その上で実践編として、Arduino、Raspberry Pi、3Dプリンター、Scratchなどのハードウェア、ソフトウェア双方の学習素材の紹介、授業を行うための環境の整備、カリキュラムの作成と評価の方法、生徒との関わり方などを詳しく解説し、新しい分野に取り組もうとする教育者をサポートします。企業内ラボ、Makerスペースの運営者にもおすすめです。日本語版では、監修の阿部和広氏による日本の“作ることで学ぶ”教育の歴史と現状についてのまとめと日本国内の情報源の追加を行いました。

年末年始のお休みも今日2日が最終日。幾つかの「持ち帰り残業」をカバンの中に入れて休暇入りしたが、結局のところその作業に十分な時間を割くこともなく、最終日の夜を迎えている。現実逃避したい気持ちもあり、それでもボーっとしているのはいけないと思い、数週前から読み始めて未だ90頁程度しか読めてなかった本書を、とっとと読み進めることにした。本来この休暇中に着手するつもりでいた論文執筆も、本書がその参考文献の1冊になり得るかも、という後から取って付けたような理由で、後回しにしてしまった次第。それでも、元々360頁以上あるA5判の分厚い本だから、結局読み切るまでに半日以上かかってしまった。

この本は、米国を舞台にして、小学校から中学、高校に至る過程で、学校において「ものづくり」を学ぶ意義と効果、それに学習促進のための手法について詳述されている1冊である。内容的には米国だけでなくどこの国にも当てはまる普遍性はあるように思えるが、こういうメイカースペースを学校に付設して地域コミュニティの中心に据えるという発想や、資機材の整備にあたって父兄や地域コミュニティからの寄付を募ったりしてしっかり資金動員が図れるという状況は、米国ならではであるような気がする。寄付文化が米国ほど根付いていない日本で同じことをやろうとしたら、政府からの助成金で賄わねばならない部分が相当多いような気がする。こういうのを「スーパーサイエンスハイスクール」指定校で導入しているところは、ひょっとしたらあるかもしれない。

同じことがブータンでできるかと考えると、同様に寄付文化がなく、しかも国家財政も外国からの援助に相当依存している中ではやっぱり難しいんじゃないかとも思える。勿論、僕らでも手が出せないような高価なランクルを購入して乗り回せる人がいるくらいだから、一部の公共心の強い高額所得者や開明的な私立学校の経営者当たりがこうした発想に興味を持ち、実現に向けて邁進してくれれば、1校ぐらいのモデル校は意外と早く表れるかもしれないという期待はある。あるいは、こういうアプローチのメリットを理解している外国の援助機関ないしはメイカースペース運営主体が、使途を紐づけして資金提供してくれたら、実現できるかもしれない。

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仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか? [仕事の小ネタ]

新年あけましておめでとうございます。
サンチャイ☆ブログを書き始めたのは2005年2月。ひと回り前の酉年のことでした。
その時々に自分が置かれた状況に応じて、ブログの位置づけを変えて今日に至っています。
今はご覧の通りで、ブータンの今を新聞記事からご紹介するというのを柱に据えており、
逆にここ数年続けてきた読書ブログの性格は少し薄くなってきています。
今年もできる限り続けていけたらと思います。宜しくお願いします。


2017-1-1 Sun.jpg
《今年の初日の出はティンプーで見ました。》

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仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

  • 作者: 木部 智之
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/05/19
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
ショートカット、資料作成、エクセル、メール、伝え方、任せ方、打合せ、ノート、インプット、思考の「型」、スキマ時間―これをやるかやらなかいで必ず差がつく!外資系プロジェクトマネジャーがこっそりやっている仕事のスゴ技75。

ブータンでは師走やお正月の気分を味わうことはほとんどなく、官公庁は12月30日まで仕事、新年は3日から始まる。今回は大みそかと元旦が土日に当たったから大みそかが休日になったが、ずれていれば大みそかも出勤日ということはあり得たと思う。とはいえ、新年2日が祭日であることから、少しだけ長めの連休になったことは間違いなく、お陰で僕も、普段の週末ならやりそうにもないことをやったりして過ごしている。

この機会に僕がやろうと思ったのは、今の仕事の仕方の見直しで、僕の仕事のスタイルに改善の余地がないかどうか、点検してみたいと考えた。そこで、これを機会に以前からキンドルで購入してあった本書を先ず読んでしまうことにした。

勿論、ブータン人の目から見たら、「何もそこまでやらなくても…」と思われるに違いない。同じ職場の人たちを見ていても、「忙しい」と言っているわりに午後5時になったらすぐに退社してしまう。外国留学の経験のある人には例外的に退社後も仕事のフォローをしているケースもないことはないが、それも30分ほどで終わるようなものである。それでも人事評価の時期になると、「自分はこんなに仕事しました!」と最大限の自己評価をする。超ポジティブ思考だ。もっとできたんじゃないかなと思うのだが、「なぜ日本人はそんなに働くのか」という人にはなかなか通じない。

でも、著者が書いておられるような、「面倒くさいから、ラクして速く、仕事を片づけたい」「面倒くさいから、ムダなことはしたくない」という言い方なら、本書で紹介されているようなテクニック、裏ワザは、ブータン人の肌感覚にもフィットするかもしれない。

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タグ:木部智之
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『スーパーサイエンススクール』 [仕事の小ネタ]

スーパーサイエンススクール―理系離れをくい止める新しい学校教育への挑戦 (チャートBOOKS)

スーパーサイエンススクール―理系離れをくい止める新しい学校教育への挑戦 (チャートBOOKS)

  • 作者: 井上徳之・毛利衛
  • 出版社/メーカー: 数研出版
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 単行本
内容(「MARC」データベースより)
本当に理科嫌いはなくせるのか? そのためのスーパーサイエンスハイスクールとは? そこから波及する様々な活動とは? 学校と科学館、大学、研究所、企業、自治体、地域が連携し一体となって目指す科学教育モデルを紹介。

何の脈絡もなくいきなり何?―――と思われるかもしれないが、今週はこの本を読むのに数日費やした。先月日本に帰った時に、中古で買ってきた2003年発刊の古い本だ。昔高校時代にお世話になった「チャート式」の数研出版が出している本で、どこがチャートなのかはともかくとして、挿入写真や表が多いことは確かだ。

なぜ今さらこんな本を読む気になったかというと、こちらで教育行政に携わる政府の高官の方とお話した際、「日本のスーパーサイエンススクール(SSH)導入の経験について知りたい」と宿題をいただいたことが発端である。聞けば、ブータンでも、各県のセントラルスクールを中心に、理数科に力を入れるプレミア・スクールの養成構想があるらしい。日本のSSHを参考にしているが、それでも日本のSSHを見学したのはほんの数日間だけで、うわべだけをなぞって政策が策定されているふしがある。多分ブータン政府自身も、本当にこれでいいのか自信が持てないのだろう。だから、僕のような教育の専門家でもない人間にも、日本人だからというだけで訊いてくるのだろう。

信頼を得るためには、ちゃんと問いに答えて情報提供せねばと思い、日本にいらっしゃる教育の専門家の方に問い合わせてみた。そういう日本の経験をまとめた資料はあるというが、送ってもらった文献リストを見てみたら、科学技術振興機構(JST)のSSHに関するウェブページと、文科省の研究員が2015年に出した、SSHの成果に関するディスカッションペーパーのURLだった。それは僕自身もネットで検索して上位でヒットしたサイトばかりだったので、結局有用な情報は追加で得られなかった。何よりもがっかりだったのは、英語で書かれた文献がないことだった。

しょうがない、それなら手元にある資料だけで取りあえず自分で英文レポートを作ってみるか―――そう考えた時、今ある資料だけでは、2002年に同制度が施行された直後の指定校の対応ぶりについて、ミクロな部分では把握できないのが気になった。そこで、文献検索をしてみて、見つけたのが本日ご紹介の1冊である。

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『「その日暮らし」の人類学』 [仕事の小ネタ]

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

  • 作者: 小川 さやか
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/07/14
  • メディア: 新書
内容紹介
わたしたちはしばしば、「働かない」ことに強くあこがれながらも、計画的にムダをなくし、成果を追い求め、今を犠牲にしてひたすらゴールを目指す。しかし世界に目を向ければ、そうした成果主義、資本主義とは異なる価値観で人びとが豊かに生きている社会や経済がたくさんあることに気づく。「貧しさ」がないアマゾンの先住民、気軽に仕事を転々とするアフリカ都市民、海賊行為が切り開く新しい経済・社会……。本書では、わたしたちの対極にあるそうした「その日暮らし、Living for Today」を人類学的に追求し、働き方、人とのつながり、時間的価値観をふくめた生き方を問い直す。

途上国で暮らしていてよく聞く話として、「将来の夢を絵に描いてみて下さい」というと、何を描いたらいいのか困ってしまう子どもが多いというのがある。そもそも子どもたちの周りに1つの「これ」という職業だけで食っていられる人のケースは少ないだろうから、子どもが目の前で見たことがあり、彼らなりに想像ができる仕事といったら、「教師」とか「医師」とか「エンジニア」となる。

それが、もう少し年齢を重ねて、高校生や大学生になってくると、ブータン人のなりたい仕事のの圧倒的なトップは、なんと「公務員」である。地方に行けば農業セクターの仕事は多いし、土木作業なんて、あんなにインド人の出稼ぎ労働者を受け入れているくらいなのに、若い人はこういう仕事はやりたがらない。3Kは嫌なのである。つい最近わかってきたことだが、大学でエンジニアリングを学んでいる学生も、手を動かしてものづくりを極めるというよりは、日本だったら中高生レベルの電子工作を大学の卒業制作で行い、卒業したら手など動かさず公務員を指向する人が圧倒的に多い。ましては身に着けた技能でひと山当ててやろうなんて起業家精神旺盛な奴というのも少ない。少なくとも為政者はこの国の若者の問題点はわかっていると思うが、若者がそれに応えるような進路選択をするかどうかは別の話である。

では、農業セクターや土木作業では働くぐらいなら、運よく公務員になれるチャンスを待って毎日クエンセルの求人欄をチェックし、ひたすら応募書類を書き続けながら都会で失業状態で過ごしている方がいいと考えるブータンの若者が、どうやって無収入状態での生活を維持できるのか―――これは僕にとっては謎であり、そのうちに何らかの答えを探さないといけないなと思っている。

そんな問題意識を常々感じながら、先月末から今月初旬にかけて読んでいたのが本書である。

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『IoTとは何か』 [仕事の小ネタ]

IoTとは何か 技術革新から社会革新へ (角川新書)

IoTとは何か 技術革新から社会革新へ (角川新書)

  • 作者: 坂村 健
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2016/03/10
  • メディア: 新書
内容紹介
今までの日本のICT(情報通信技術)戦略は、技術で始まり技術で終わることが多く、出口戦略がなく、結果として使われないものになっている。IoTがその轍を踏まないようにすること、そのためにも哲学が重要なのである――。
「IoT=モノのインターネット」とは何か。何のための技術であり、私たちの社会や生活は、一体どう変わるのか。技術研究開発や社会制度設計、ビジネスや実用の最前線から、豊富な実例をあげつつ、その現状・課題・未来像と、日本への指針を示す!

ちょっとばかり7月中旬に仕事でIoTと関連するプレゼンをやる必要が出てきて、かなり早い時期にKindle版を購入してあったのだけれど、結局時間がだんだん押してきて、結局参考文献に当たる時間も確保できないうちに既存資料の焼き直しだけでプレゼンはやっつけてしまった。このため本書も約2ヵ月積読状態で放置してあった。9月に入り、再び別のプレゼンを行う機会が得られそうなので、今度こそと思い、先週後半から急いで読み始め、3日(土)にようやく読了した。でも、結局この内容だとプレゼントの関連性が薄く、あまり使えなかったのが残念だ。

このブログを長年ご覧になっている読者の方ならおわかりかと思うが、僕は一時期「スマートシティ」の関連図書を集中して読んでいた時期がある。スマートシティはモノとモノをネットでつないで制御し、エネルギー使用を最適化することで、エネルギー消費量を抑制する効果が期待されるが、人によればそれは公共交通機関利用への誘導を指していたり、都市を走る車両の流れを把握して交通量の少ない道路に誘導する仕組みのことを指していたりする。スマートシティという言葉は魅力的で、それに向けて推進役となっている大学や企業は多いけれど、1つの企業がこんなすべてを包摂するようなパッケージを提供できるとは思えず、それじゃあ複数の大学・企業がコンソーシアムを作って1つの都市をまるごとスマート化するようなことをどこかでやっているのかというと、それもよくわからない。何をどうやって進めて行ったらスマート化が達成されるのか、道筋がはっきりしなかったのだ。

それに比べると、坂村先生の近著は、特定の企業が売り込んでいる「閉じたIoT」と、本当の意味での「オープンなIoT」との違いを明らかにしており、同じ議論は企業が自社が得意だとしている「閉じた」中でのスマートシティ化と、本当の意味での都市のスマート化とはかなり違うのだという形でも適用されそうだ。

本書のキーワードは、「オープン」という点にあるようだ。そして、いろいろな企業や研究機関も参加したオープンなネットワーク化の中では、どういうシステムを構築すればいいのか標準を定めるような「ガバナンス」が鍵となるという。そういう姿を、既に1980年代のTRON開発から描いておられた坂村先生の先見性には驚かされる。IoTの捉え方も、本書に書かれている内容の方が僕的にはしっくり来る。

以下はKindle版の本文からの抜粋である。ページ番号がふれない制約についてはご容赦願いたい。

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『限界費用ゼロ社会』 [仕事の小ネタ]

限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2015/10/29
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
いま、経済パラダイムの大転換が進行しつつある。その原動力になっているのがIoT(モノのインターネット)だ。IoTはコミュニケーション、エネルギー、輸送の“インテリジェント・インフラ”を形成し、効率性や生産性を極限まで高める。それによりモノやサービスを1つ追加で生み出すコスト(限界費用)は限りなくゼロに近づき、将来モノやサービスは無料になり、企業の利益は消失して、資本主義は衰退を免れないという。代わりに台頭してくるのが、共有型経済だ。人々が協働でモノやサービスを生産し、共有し、管理する新しい社会が21世紀に実現する。世界的な文明評論家が、3Dプリンターや大規模オンライン講座MOOCなどの事例をもとにこの大変革のメカニズムを説き、確かな未来展望を描く。21世紀の経済と社会の潮流がわかる、大注目の書!

読了から1カ月近くが経過してしまうと、何が書いてあったのかを思い出すのが大変だが、知の巨匠が著したこの作品、情報盛り込み過ぎで僕の頭の理解容量をはるかに超えており、全部思い出すのは不可能に近い。多分、今後必要に応じて必要な箇所を読み直し、部分理解に努めるぐらいが関の山かなという気がする。自分の言葉で著者の論点を整理して述べるのは大変だが、IOTとファブラボ、幸福度、持続可能な開発、再生可能エネルギー、スマートシティ、MOOC等のキーワードが纏めて概念整理されて1冊の本の中で論じられているという点では非常にコスパが高いと思う。

そもそもこの本を手に取ったのは、IOTのことを知りたいと思ったからだが、IOTとは縁遠いと思われたここブータンにおいても意味をなしそうな論考が本書の中でも行われていたので少しだけ紹介してみたいと思う。

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『サイロ・エフェクト』 [仕事の小ネタ]

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

  • 作者: ジリアン テット
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
文化人類学者から転じたフィナンシャルタイムズアメリカ版編集長が、「インサイダー兼アウトサイダー」の視点で、鮮やかに描き出す、現代社会を捉えるもっとも重要なコンセプト。高度に複雑化した社会に対応するため組織が専門家たちの縦割りの「サイロ」になり、その結果変化に対応できない。その逆説を「サイロ・エフェクト」という。

「サイロ」という言葉、日本語では「縦割り」とか「タコツボ」、「セクショナリズム」と表現した方がいいかもしれないが、僕が3月まで所属していた部署ではかなり頻繁に耳にした言葉でもある。それも、別に自分の会社のことで言っているだけじゃない。去年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」自体が、サイロ問題への挑戦だからだ。

17あるSDGsのゴールは、どれ1つとってみても、国レベルでの目標達成に向けて担当省庁を決めづらく、多くの国では複数の省庁にまたがって取り組まなければならない。気候変動対策や生物多様性、貧困撲滅や不平等の解消といったゴールは、そもそもどこの省庁が目標達成に向けた努力をリードするのかがはっきりせず、お見合い状態になって間にボールがストンと落ちるリスクが付きまとう。逆に教育や保健のように、どの省庁が目標達成努力の遂行に責任を負うのかははっきりしている場合であっても、そのゴールの下にぶら下がるターゲットのレベルでの具体的な取組みになってくると、別の省庁が所管している取組みが相当複雑に絡み合っているケースが多い。サイロ問題を克服できなければ、SDGsの達成見込みが危ぶまれることになる。だから、国レベルのSDGs目標達成努力のリード役は、省庁レベルに分散させるよりは、もう一段高いレベルでの旗振り役・お目付け役が必要だと考えらえる。SDGsで「政治のリーダーシップ」が強調されるのもそうした所以だろう。

話が脱線するが、ここブータンでは、政府の規模が比較的小さいこともあって、上意下達がわりと機能しているように感じる。各省の局長級以上になると、省庁や地方政府との間での異動が行われており、単独組織の中で純粋培養でトップに上り詰めるというキャリアパスにはなっていない。局長級以上は従って省庁の枠を越えた広い見識を持っておられる方が多いように思える。これもサイロ問題を軽減する1つの仕掛けだろうと思う。

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