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『作ることで学ぶ』 [仕事の小ネタ]

作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)

作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)

  • 作者: Sylvia Libow Martinez、Gary Stager
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2015/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
本書は、教育の新しい潮流として注目されている「STEM教育」や「プログラミング教育」に携わる教育者のための書籍です。まずは基礎編として、テクノロジーを活用した教育の歴史と「構築主義」などの教育理論、学習のためのデザインモデルを解説。その上で実践編として、Arduino、Raspberry Pi、3Dプリンター、Scratchなどのハードウェア、ソフトウェア双方の学習素材の紹介、授業を行うための環境の整備、カリキュラムの作成と評価の方法、生徒との関わり方などを詳しく解説し、新しい分野に取り組もうとする教育者をサポートします。企業内ラボ、Makerスペースの運営者にもおすすめです。日本語版では、監修の阿部和広氏による日本の“作ることで学ぶ”教育の歴史と現状についてのまとめと日本国内の情報源の追加を行いました。

年末年始のお休みも今日2日が最終日。幾つかの「持ち帰り残業」をカバンの中に入れて休暇入りしたが、結局のところその作業に十分な時間を割くこともなく、最終日の夜を迎えている。現実逃避したい気持ちもあり、それでもボーっとしているのはいけないと思い、数週前から読み始めて未だ90頁程度しか読めてなかった本書を、とっとと読み進めることにした。本来この休暇中に着手するつもりでいた論文執筆も、本書がその参考文献の1冊になり得るかも、という後から取って付けたような理由で、後回しにしてしまった次第。それでも、元々360頁以上あるA5判の分厚い本だから、結局読み切るまでに半日以上かかってしまった。

この本は、米国を舞台にして、小学校から中学、高校に至る過程で、学校において「ものづくり」を学ぶ意義と効果、それに学習促進のための手法について詳述されている1冊である。内容的には米国だけでなくどこの国にも当てはまる普遍性はあるように思えるが、こういうメイカースペースを学校に付設して地域コミュニティの中心に据えるという発想や、資機材の整備にあたって父兄や地域コミュニティからの寄付を募ったりしてしっかり資金動員が図れるという状況は、米国ならではであるような気がする。寄付文化が米国ほど根付いていない日本で同じことをやろうとしたら、政府からの助成金で賄わねばならない部分が相当多いような気がする。こういうのを「スーパーサイエンスハイスクール」指定校で導入しているところは、ひょっとしたらあるかもしれない。

同じことがブータンでできるかと考えると、同様に寄付文化がなく、しかも国家財政も外国からの援助に相当依存している中ではやっぱり難しいんじゃないかとも思える。勿論、僕らでも手が出せないような高価なランクルを購入して乗り回せる人がいるくらいだから、一部の公共心の強い高額所得者や開明的な私立学校の経営者当たりがこうした発想に興味を持ち、実現に向けて邁進してくれれば、1校ぐらいのモデル校は意外と早く表れるかもしれないという期待はある。あるいは、こういうアプローチのメリットを理解している外国の援助機関ないしはメイカースペース運営主体が、使途を紐づけして資金提供してくれたら、実現できるかもしれない。

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仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか? [仕事の小ネタ]

新年あけましておめでとうございます。
サンチャイ☆ブログを書き始めたのは2005年2月。ひと回り前の酉年のことでした。
その時々に自分が置かれた状況に応じて、ブログの位置づけを変えて今日に至っています。
今はご覧の通りで、ブータンの今を新聞記事からご紹介するというのを柱に据えており、
逆にここ数年続けてきた読書ブログの性格は少し薄くなってきています。
今年もできる限り続けていけたらと思います。宜しくお願いします。


2017-1-1 Sun.jpg
《今年の初日の出はティンプーで見ました。》

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仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

  • 作者: 木部 智之
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/05/19
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
ショートカット、資料作成、エクセル、メール、伝え方、任せ方、打合せ、ノート、インプット、思考の「型」、スキマ時間―これをやるかやらなかいで必ず差がつく!外資系プロジェクトマネジャーがこっそりやっている仕事のスゴ技75。

ブータンでは師走やお正月の気分を味わうことはほとんどなく、官公庁は12月30日まで仕事、新年は3日から始まる。今回は大みそかと元旦が土日に当たったから大みそかが休日になったが、ずれていれば大みそかも出勤日ということはあり得たと思う。とはいえ、新年2日が祭日であることから、少しだけ長めの連休になったことは間違いなく、お陰で僕も、普段の週末ならやりそうにもないことをやったりして過ごしている。

この機会に僕がやろうと思ったのは、今の仕事の仕方の見直しで、僕の仕事のスタイルに改善の余地がないかどうか、点検してみたいと考えた。そこで、これを機会に以前からキンドルで購入してあった本書を先ず読んでしまうことにした。

勿論、ブータン人の目から見たら、「何もそこまでやらなくても…」と思われるに違いない。同じ職場の人たちを見ていても、「忙しい」と言っているわりに午後5時になったらすぐに退社してしまう。外国留学の経験のある人には例外的に退社後も仕事のフォローをしているケースもないことはないが、それも30分ほどで終わるようなものである。それでも人事評価の時期になると、「自分はこんなに仕事しました!」と最大限の自己評価をする。超ポジティブ思考だ。もっとできたんじゃないかなと思うのだが、「なぜ日本人はそんなに働くのか」という人にはなかなか通じない。

でも、著者が書いておられるような、「面倒くさいから、ラクして速く、仕事を片づけたい」「面倒くさいから、ムダなことはしたくない」という言い方なら、本書で紹介されているようなテクニック、裏ワザは、ブータン人の肌感覚にもフィットするかもしれない。

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タグ:木部智之
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『スーパーサイエンススクール』 [仕事の小ネタ]

スーパーサイエンススクール―理系離れをくい止める新しい学校教育への挑戦 (チャートBOOKS)

スーパーサイエンススクール―理系離れをくい止める新しい学校教育への挑戦 (チャートBOOKS)

  • 作者: 井上徳之・毛利衛
  • 出版社/メーカー: 数研出版
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 単行本
内容(「MARC」データベースより)
本当に理科嫌いはなくせるのか? そのためのスーパーサイエンスハイスクールとは? そこから波及する様々な活動とは? 学校と科学館、大学、研究所、企業、自治体、地域が連携し一体となって目指す科学教育モデルを紹介。

何の脈絡もなくいきなり何?―――と思われるかもしれないが、今週はこの本を読むのに数日費やした。先月日本に帰った時に、中古で買ってきた2003年発刊の古い本だ。昔高校時代にお世話になった「チャート式」の数研出版が出している本で、どこがチャートなのかはともかくとして、挿入写真や表が多いことは確かだ。

なぜ今さらこんな本を読む気になったかというと、こちらで教育行政に携わる政府の高官の方とお話した際、「日本のスーパーサイエンススクール(SSH)導入の経験について知りたい」と宿題をいただいたことが発端である。聞けば、ブータンでも、各県のセントラルスクールを中心に、理数科に力を入れるプレミア・スクールの養成構想があるらしい。日本のSSHを参考にしているが、それでも日本のSSHを見学したのはほんの数日間だけで、うわべだけをなぞって政策が策定されているふしがある。多分ブータン政府自身も、本当にこれでいいのか自信が持てないのだろう。だから、僕のような教育の専門家でもない人間にも、日本人だからというだけで訊いてくるのだろう。

信頼を得るためには、ちゃんと問いに答えて情報提供せねばと思い、日本にいらっしゃる教育の専門家の方に問い合わせてみた。そういう日本の経験をまとめた資料はあるというが、送ってもらった文献リストを見てみたら、科学技術振興機構(JST)のSSHに関するウェブページと、文科省の研究員が2015年に出した、SSHの成果に関するディスカッションペーパーのURLだった。それは僕自身もネットで検索して上位でヒットしたサイトばかりだったので、結局有用な情報は追加で得られなかった。何よりもがっかりだったのは、英語で書かれた文献がないことだった。

しょうがない、それなら手元にある資料だけで取りあえず自分で英文レポートを作ってみるか―――そう考えた時、今ある資料だけでは、2002年に同制度が施行された直後の指定校の対応ぶりについて、ミクロな部分では把握できないのが気になった。そこで、文献検索をしてみて、見つけたのが本日ご紹介の1冊である。

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『「その日暮らし」の人類学』 [仕事の小ネタ]

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

  • 作者: 小川 さやか
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/07/14
  • メディア: 新書
内容紹介
わたしたちはしばしば、「働かない」ことに強くあこがれながらも、計画的にムダをなくし、成果を追い求め、今を犠牲にしてひたすらゴールを目指す。しかし世界に目を向ければ、そうした成果主義、資本主義とは異なる価値観で人びとが豊かに生きている社会や経済がたくさんあることに気づく。「貧しさ」がないアマゾンの先住民、気軽に仕事を転々とするアフリカ都市民、海賊行為が切り開く新しい経済・社会……。本書では、わたしたちの対極にあるそうした「その日暮らし、Living for Today」を人類学的に追求し、働き方、人とのつながり、時間的価値観をふくめた生き方を問い直す。

途上国で暮らしていてよく聞く話として、「将来の夢を絵に描いてみて下さい」というと、何を描いたらいいのか困ってしまう子どもが多いというのがある。そもそも子どもたちの周りに1つの「これ」という職業だけで食っていられる人のケースは少ないだろうから、子どもが目の前で見たことがあり、彼らなりに想像ができる仕事といったら、「教師」とか「医師」とか「エンジニア」となる。

それが、もう少し年齢を重ねて、高校生や大学生になってくると、ブータン人のなりたい仕事のの圧倒的なトップは、なんと「公務員」である。地方に行けば農業セクターの仕事は多いし、土木作業なんて、あんなにインド人の出稼ぎ労働者を受け入れているくらいなのに、若い人はこういう仕事はやりたがらない。3Kは嫌なのである。つい最近わかってきたことだが、大学でエンジニアリングを学んでいる学生も、手を動かしてものづくりを極めるというよりは、日本だったら中高生レベルの電子工作を大学の卒業制作で行い、卒業したら手など動かさず公務員を指向する人が圧倒的に多い。ましては身に着けた技能でひと山当ててやろうなんて起業家精神旺盛な奴というのも少ない。少なくとも為政者はこの国の若者の問題点はわかっていると思うが、若者がそれに応えるような進路選択をするかどうかは別の話である。

では、農業セクターや土木作業では働くぐらいなら、運よく公務員になれるチャンスを待って毎日クエンセルの求人欄をチェックし、ひたすら応募書類を書き続けながら都会で失業状態で過ごしている方がいいと考えるブータンの若者が、どうやって無収入状態での生活を維持できるのか―――これは僕にとっては謎であり、そのうちに何らかの答えを探さないといけないなと思っている。

そんな問題意識を常々感じながら、先月末から今月初旬にかけて読んでいたのが本書である。

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『IoTとは何か』 [仕事の小ネタ]

IoTとは何か 技術革新から社会革新へ (角川新書)

IoTとは何か 技術革新から社会革新へ (角川新書)

  • 作者: 坂村 健
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2016/03/10
  • メディア: 新書
内容紹介
今までの日本のICT(情報通信技術)戦略は、技術で始まり技術で終わることが多く、出口戦略がなく、結果として使われないものになっている。IoTがその轍を踏まないようにすること、そのためにも哲学が重要なのである――。
「IoT=モノのインターネット」とは何か。何のための技術であり、私たちの社会や生活は、一体どう変わるのか。技術研究開発や社会制度設計、ビジネスや実用の最前線から、豊富な実例をあげつつ、その現状・課題・未来像と、日本への指針を示す!

ちょっとばかり7月中旬に仕事でIoTと関連するプレゼンをやる必要が出てきて、かなり早い時期にKindle版を購入してあったのだけれど、結局時間がだんだん押してきて、結局参考文献に当たる時間も確保できないうちに既存資料の焼き直しだけでプレゼンはやっつけてしまった。このため本書も約2ヵ月積読状態で放置してあった。9月に入り、再び別のプレゼンを行う機会が得られそうなので、今度こそと思い、先週後半から急いで読み始め、3日(土)にようやく読了した。でも、結局この内容だとプレゼントの関連性が薄く、あまり使えなかったのが残念だ。

このブログを長年ご覧になっている読者の方ならおわかりかと思うが、僕は一時期「スマートシティ」の関連図書を集中して読んでいた時期がある。スマートシティはモノとモノをネットでつないで制御し、エネルギー使用を最適化することで、エネルギー消費量を抑制する効果が期待されるが、人によればそれは公共交通機関利用への誘導を指していたり、都市を走る車両の流れを把握して交通量の少ない道路に誘導する仕組みのことを指していたりする。スマートシティという言葉は魅力的で、それに向けて推進役となっている大学や企業は多いけれど、1つの企業がこんなすべてを包摂するようなパッケージを提供できるとは思えず、それじゃあ複数の大学・企業がコンソーシアムを作って1つの都市をまるごとスマート化するようなことをどこかでやっているのかというと、それもよくわからない。何をどうやって進めて行ったらスマート化が達成されるのか、道筋がはっきりしなかったのだ。

それに比べると、坂村先生の近著は、特定の企業が売り込んでいる「閉じたIoT」と、本当の意味での「オープンなIoT」との違いを明らかにしており、同じ議論は企業が自社が得意だとしている「閉じた」中でのスマートシティ化と、本当の意味での都市のスマート化とはかなり違うのだという形でも適用されそうだ。

本書のキーワードは、「オープン」という点にあるようだ。そして、いろいろな企業や研究機関も参加したオープンなネットワーク化の中では、どういうシステムを構築すればいいのか標準を定めるような「ガバナンス」が鍵となるという。そういう姿を、既に1980年代のTRON開発から描いておられた坂村先生の先見性には驚かされる。IoTの捉え方も、本書に書かれている内容の方が僕的にはしっくり来る。

以下はKindle版の本文からの抜粋である。ページ番号がふれない制約についてはご容赦願いたい。

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『限界費用ゼロ社会』 [仕事の小ネタ]

限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2015/10/29
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
いま、経済パラダイムの大転換が進行しつつある。その原動力になっているのがIoT(モノのインターネット)だ。IoTはコミュニケーション、エネルギー、輸送の“インテリジェント・インフラ”を形成し、効率性や生産性を極限まで高める。それによりモノやサービスを1つ追加で生み出すコスト(限界費用)は限りなくゼロに近づき、将来モノやサービスは無料になり、企業の利益は消失して、資本主義は衰退を免れないという。代わりに台頭してくるのが、共有型経済だ。人々が協働でモノやサービスを生産し、共有し、管理する新しい社会が21世紀に実現する。世界的な文明評論家が、3Dプリンターや大規模オンライン講座MOOCなどの事例をもとにこの大変革のメカニズムを説き、確かな未来展望を描く。21世紀の経済と社会の潮流がわかる、大注目の書!

読了から1カ月近くが経過してしまうと、何が書いてあったのかを思い出すのが大変だが、知の巨匠が著したこの作品、情報盛り込み過ぎで僕の頭の理解容量をはるかに超えており、全部思い出すのは不可能に近い。多分、今後必要に応じて必要な箇所を読み直し、部分理解に努めるぐらいが関の山かなという気がする。自分の言葉で著者の論点を整理して述べるのは大変だが、IOTとファブラボ、幸福度、持続可能な開発、再生可能エネルギー、スマートシティ、MOOC等のキーワードが纏めて概念整理されて1冊の本の中で論じられているという点では非常にコスパが高いと思う。

そもそもこの本を手に取ったのは、IOTのことを知りたいと思ったからだが、IOTとは縁遠いと思われたここブータンにおいても意味をなしそうな論考が本書の中でも行われていたので少しだけ紹介してみたいと思う。

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『サイロ・エフェクト』 [仕事の小ネタ]

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

  • 作者: ジリアン テット
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
文化人類学者から転じたフィナンシャルタイムズアメリカ版編集長が、「インサイダー兼アウトサイダー」の視点で、鮮やかに描き出す、現代社会を捉えるもっとも重要なコンセプト。高度に複雑化した社会に対応するため組織が専門家たちの縦割りの「サイロ」になり、その結果変化に対応できない。その逆説を「サイロ・エフェクト」という。

「サイロ」という言葉、日本語では「縦割り」とか「タコツボ」、「セクショナリズム」と表現した方がいいかもしれないが、僕が3月まで所属していた部署ではかなり頻繁に耳にした言葉でもある。それも、別に自分の会社のことで言っているだけじゃない。去年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」自体が、サイロ問題への挑戦だからだ。

17あるSDGsのゴールは、どれ1つとってみても、国レベルでの目標達成に向けて担当省庁を決めづらく、多くの国では複数の省庁にまたがって取り組まなければならない。気候変動対策や生物多様性、貧困撲滅や不平等の解消といったゴールは、そもそもどこの省庁が目標達成に向けた努力をリードするのかがはっきりせず、お見合い状態になって間にボールがストンと落ちるリスクが付きまとう。逆に教育や保健のように、どの省庁が目標達成努力の遂行に責任を負うのかははっきりしている場合であっても、そのゴールの下にぶら下がるターゲットのレベルでの具体的な取組みになってくると、別の省庁が所管している取組みが相当複雑に絡み合っているケースが多い。サイロ問題を克服できなければ、SDGsの達成見込みが危ぶまれることになる。だから、国レベルのSDGs目標達成努力のリード役は、省庁レベルに分散させるよりは、もう一段高いレベルでの旗振り役・お目付け役が必要だと考えらえる。SDGsで「政治のリーダーシップ」が強調されるのもそうした所以だろう。

話が脱線するが、ここブータンでは、政府の規模が比較的小さいこともあって、上意下達がわりと機能しているように感じる。各省の局長級以上になると、省庁や地方政府との間での異動が行われており、単独組織の中で純粋培養でトップに上り詰めるというキャリアパスにはなっていない。局長級以上は従って省庁の枠を越えた広い見識を持っておられる方が多いように思える。これもサイロ問題を軽減する1つの仕掛けだろうと思う。

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『Made by Hand』 [仕事の小ネタ]

Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make: Japan Books)

Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make: Japan Books)

  • 作者: Mark Frauenfelder
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2011/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
「Makerムーブメント」を主導する雑誌「Make」の編集長、ブロガーとして知られる著者による、ビットの世界からアトムの世界への旅の記録。野菜作り、エスプレッソマシンの改造、シガーボックスギター作り、鶏小屋作りと養鶏など、さまざまなDIY体験を通じて、個人が物を作ることの意味を考える1冊です。「失敗とは恥ずかしいこと」、そして「自家製品は不完全なもの」という固定観念から抜け出して、身の回りの物理環境を創造、改良するという楽しみを、生活に取り入れていく過程をユーモアを交えて綴ります。自分にあったDIYをはじめてみたいと思っている方、Makerムーブメントの根底にある価値観を知りたいと考えている方におすすめです。

別に今住んでいるブータンが何もないから自分でものを作らないと生きていけないというつもりではないが、以前から気になっていた『Made by Hand-ポンコツDIYで自分を取り戻す』を読んでみることにした。先週後半から読み始め、週末にコツコツ読み進めて、今日早朝の読書で読み切った。翻訳が良くて読みやすかったが、上下二段組みになっているので、読み進めるにはある程度時間がかかったのだ。

芝生を枯らして家庭菜園にすること、エスプレッソマシンの改造、鶏小屋の整備と養鶏、お手製ギターの製作、紅茶キノコ(懐かしいでしょ?)の培養、養蜂と、DIY初心者の著者が、インターネットで調べたり、その道の有名人に教えを請うたりして、試行錯誤の末に徐々に成果を上げていく姿が微笑ましいし、羨ましい。

以前住んでいた別の南アジアの国で、僕は自宅の庭でニワトリを飼っていたことがある。本書の著者と同様、家の庭に前に住んでいた人が建てたと思われる小さな小屋があり、中をちょっと掃除すれば鶏小屋として使うことができた。いくらかの飼料は外で買ってきたが、日中は小屋の扉を開けてニワトリを庭に放ち、庭の雑草や虫を食べさせる。また、料理後の野菜くずや食べ残しも庭に撒けば、ニワトリがついばんでくれる。当然その間我が家の愛犬コテツ君は、鎖でつながれる。そうしないとコテツ君がニワトリを食べてしまうからだ。

ニワトリはやがて卵を産むようになる。何を食べさせたか把握しているから、卵は生でも食べられる。卵かけ御飯なんて我が家の定番だった。そして、卵を産まなくなってきたら、今度はニワトリ自身をいただく。唐揚げ等にして、食べ残った骨はコテツ君に食べてもらう。こうして我が家のゴミ排出量はかなり削減された。エコな生活だった。本書を読んでて、20年も前の養鶏経験を思い出した。

今は自宅の裏庭でそんなことをやれるようなスペースはない。サービスアパートメントでの一人暮らしである。でも、ベランダはあるから、その気になったら家庭菜園はできないことはない。ベランダ全然使ってないから、そういう使い方を考えてみても面白いかもしれない。「熟成と発酵」なんてのも面白そうだ。

ファブラボに置かれているデジタル工作機械などを前にすると、途方に暮れてしまう。一体、何を作ったらいいのかがわからない。そんな時、デジタル工作機械だけがものを作る手段じゃなく、日常生活を振り返ってみたら、結構自分自身で作ってしまえるようなものはいっぱいあるかもしれない。しかも、単純なものなら、カッターナイフで木を削るだけでもできてしまう。本書で出てくる木製のしゃもじなんて、まさにそのパターンである。そんなものでもいいというのなら、適用範囲はもっと広がるだろう。本書における著者の取組み事例は、どれも僕らの創作意欲をくすぐるものばかりだ。

今の僕なら、職場の自分の部屋の中をワガモノ顔でブンブン飛び回るでかくてウザいハエを、センサーで飛行方向予測して、ピンポイントで自動的にエアゾールを浴びせる機会なんて欲しいものである。殺生を嫌うブータンで、そんな装置を作っちゃったら、同僚のブータン人がどんな顔をするのかは不安だが。

雑感はこれくらいにして、本書で「これは!」という記述を幾つかご紹介しよう―――。

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『シャオミ-世界最速1兆円IT企業の戦略』 [仕事の小ネタ]

シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略

シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略

  • 作者: 陳 潤
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2015/07/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
Google、Apple、Facebook、Amazonを超え、わずか創業5年で売り上げ1兆円を達成した謎のIT企業のビジネスモデルと戦略。本書は、「超低価格+高スペック+洗練されたデザイン」のスマホをもとに市場を席巻し、今最も注目されているIT企業シャオミのすべてを、「チーム」、「プロダクト」、「イノベーション」、「バリューチェーン」、「ビジネスモデル」、「マネジメント」、「マーケティング」、「エクスペリエンス」、「オリジナリティ」という9つの観点から分析した一冊だ。リアル店舗は「持たない」、自社工場は「持たない」、役職は「つくらない」、ハードウェアでは「稼がない」、KPIは「いらない」などの常識破りなビジネスモデルと経営戦略を、シャオミの創設以来のプロセス、そして創設者である雷軍の20年の経験をもとに徹底的に解説する。シャオミの急成長の理由とそこにいたるまでの失敗の数々は、イノベーションの本質を学びたいすべての人にとってのもっともいいケーススタディとなるだろう。

ブータン赴任の直前、それまで2年使ってきたスマホをデュアルSIMスマホに切り替えることにした。ヨドバシカメラに出かけて物色した際、シャオミ(Xiaomi)って扱ってないのかなと思って眺めてみたけど、それほど置かれたなかったように記憶している。ファーウェイやASUSが幅を利かせていたので、僕はそれじゃあと店員のお薦めにそのまま乗っかる形でASUSのZenfoneを選んだ。

シャオミのことは、前回ご紹介した『メイカーズのエコシステム』の著者である高須正和さんが僕らの会社の勉強会にお越し下さった時に、深圳のイノベーション・エコシステムの典型例として言及されていて覚えていた。早口の高須さんの話の展開に必ずしも十分ついていけてなかった僕は、取りあえずはシャオミのことはシャオミのこととして、高須さんの著書とは別に適当な読み物があれば読もうと考えていた。本書も一度は近所の市立図書館で借りることができたけど、仕事が忙しすぎてすぐに読むことができず、仕方がないので電子書籍版を購入してブータンに持ってきている。

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『メイカーズのエコシステム』 [仕事の小ネタ]

メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。 (OnDeck Books(NextPublishing))

メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。 (OnDeck Books(NextPublishing))

  • 作者: 高須 正和
  • 出版社/メーカー: インプレスR&D
  • 発売日: 2016/02/17
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
内容紹介
iPhoneが製造されている中国の工業地帯、深圳。そして最も偽物のiPhoneが「発明」されているのも、深圳。「製造業のハリウッド」と呼ばれるかの地では、秋葉原の30倍の電気街をもち、100倍のベンチャー企業が最先端の電子ガジェットを作り、世界中にクラウドファウンディングで販売しています。そんな「IoT(モノのインターネット)」の中心を、高須正和・井内育生・きゅんくん・江渡浩一郎らが渾身のレポート。日本と深圳で自らベンチャーを行う小笠原治・藤岡淳一も寄稿。解説:山形浩生。

僕がブータンに引っ越してくる前、日本でメイカームーブメントに関わっておられる何人かの方々から、「面白いよ」と薦められたのがこの本。勿論、著者ご本人による自薦もあったけれど。僕はこの本の著者である高須さんが講師をされた勉強会に出たことがあるが、その時と同じ語り口がそのまま文章になっている箇所が随所に見られて、ちょっと吹き出しそうにもなった。おそらく本書にはプロのライターさんが付いていて、高須さんが口述したのをライターさんが文章に起こしたか、あるいは再構成もされたのではないかと思う。

書籍版にすると400ページもある本である。僕は電子書籍を購入してキンドルで読んだが、読み進めるにはかなり時間がかかった。電子書籍の良くないところは、全体の構成を把握しづらいことである。本書自体が構成的にわかりやすく書かれていないのか、そもそも電子書籍というのが持っている欠点によるものなのかはわからないが、イッキ読みではなく、少しずつ毎日コツコツ読み進めていく方法では、全体をどれだけ理解できたかやや自信がない。

本書の帯には、「全力で深圳を見てきた。シリコンバレーから深圳へ」と書かれている。とはいえ、必ずしも深圳だけが描かれているわけじゃなく、著者が住むシンガポールのケースも本書では出てくる。この本を読めば、いちげんさんにはわからない、深圳のディープなところはよく理解できると思う。僕らは中国製というと、なんとなくコピー版の電化製品を廉価で販売する、低賃金労働力を売りにした製造業が多く立地しているのではないかとおいうイメージで見てしまうが、本書を読むと、深圳の企業もそれなりにものづくりを真剣に捉えているし、小ロットでも生産を引き受けてくれる業者がいるということがわかる。自分でものづくりをやりたいと思っている人には深圳はかなり刺激的な地だ。「秋葉原の40倍」と言われても、容易に想像がつかない。

一方で僕のものづくりのレベルは、まだまだ使いこなせないIllustratorでなんとかデザインしたものを、レーザーカッターを使って木材やアクリル板にどうにかこうにか加工・プリントできる初心者レベルなので、まだまだ深圳には程遠いという気はする。ここブータンではデスクトップ工作機械はまだどこにもないが、もしファブラボのようなものが僕がこちらにいる間にできるようなことでもあれば、僕は入り浸って自分のスキルを高めたいし、そして少しはメイカーとしての実践経験を高めていければ、そのうちに深圳やシンガポールに行ってみたいという気持ちも芽生えてくるだろう。

それにしても、著者も含めて、こういうのにかかわっている人たちって、どうやって生計立てているんだろうか(笑)。いつ投資資金を回収できるかわからぬスタートアップに興味本位でお金注ぎ込めるんだから…。こんなこと僕がやってたら、嫁さんに怒鳴られるに違いない。

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