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『オレたちバブル入行組』 [池井戸潤]

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/12/06
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな世代へエールを送る痛快エンターテインメント小説。
前回ご紹介した『つきあい方の科学』の学びで言えば、「やられたらやり返す、倍返しだ」というのは、最高の報復戦略でしょう。それを常日頃から公言していれば、そもそも一方的に「やられる」という事態自体を回避することができるのでしょう。しかし、もしそれが上司と部下との関係や国税・金融庁と銀行との関係の中で起これば、報復という行為自体が考えにくいので、黙っていれば一方的にやられることもあり得るのかもしれない。

池井戸潤の作品はけっこう読んでいるつもりでいたが、よくよく調べてみたら、半澤直樹シリーズの第1弾『オレたちバブル入行組』を漏らしていることに気付いた。慌てて先々週読んでみることにした。TBS系列で日曜夜に放送されている『半澤直樹』は、『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』の2作品を合わせて10回シリーズで放映する。先週末が参議院議員選挙の特別番組で放送お休みになったのを機に、先回りして原作の方をチェックしておきたいと考えた。

ちなみに、池井戸さん自身もそうだし、同い年で最初は金融機関勤めをしていた僕も、いわば「バブル入行組」である。大手と中小の違いはあるので取引していた顧客には大きな違いはあるし、銀行の組織の規模も全然違う。同期入行して功を競うライバルの数も相当違うんだろう。

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『民王』 [池井戸潤]

今日は参議院議員選挙の投票日です。投票行きましょうね!
僕達は8時過ぎに投票済ませてきました。

投票の後のお楽しみとして、今夜は『半沢直樹』も放送お休みだし、政界を舞台にした池井戸潤作品でもご紹介しましょう。『半沢直樹』の原作とはかなり違う、池井戸作品です。

民王

民王

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2010/05/25
  • メディア: 単行本
内容紹介
ある日突然、首相・武藤泰山と、武藤の大学生のドラ息子・翔の中身が入れ替わってしまう。原因もわからないまま、やむなく泰山の変わり身となって国会に出ることになった翔。遊んでばかりの日常を送ってきた翔には、国会でおこなわれる討論や質疑応答など、到底理解できない。幼稚な発言を繰り返す上、首相だというのに文書に書かれた漢字すら読めず誤読を繰り返すという状況に……。首相と息子の入れ替わりなど夢にも思わない世間では、一国の代表とは言いがたい言動に対する厳しい批判が渦巻く。またそれと時を同じくして、泰山のまわりでは、閣僚の酔っ払い発言やスキャンダル、献金問題などが相次ぐ。国を背負うはずの大人たちに、一体何が起こったのか―。本物の大人とは、国を動かす政治とは何か。胸がスカッとする、痛快エンタメ政治小説!
ただ今、テレビでは池井戸潤祭り状態である。土曜夜にはNHKが4回連続ドラマで『七つの会議』を放送しているし、日曜夜はTBSが『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』を合わせて『半沢直樹』とタイトルも変え、10回連続ドラマにして放送中である。単なる偶然なのかもしれないが、これによって、メーカーを舞台にした池井戸作品の面白さと、銀行を舞台にした作品の面白さを、交互に味わうことができる。

これに合わせて出版業界の方でも池井戸作品の再アピールに取り組んでいる。6月には『民王』の文庫版が発売された。『民王』という作品の存在を知ったのも文庫版の発売がきっかけだが、未知の作品を読むだけなら単行本を図書館で借りればいいと思い、今回は2010年発刊の単行本の方を読んでブログで紹介することにした。

いつものハードな池井戸作品とちょっと違い、読みながら爆笑した箇所も幾つかあった。どこかの党の元党首みたいに、国会答弁で漢字が読めないことが、中味が勉強のできないドラ息子と入れ替わることで、より強調して描かれていた箇所は特に面白かった。

企業組織を扱うと相当詳細な場面設定やセリフ回しになるが、さすがに首相官邸や防衛省内、公安等の取材は困難な中でこの作品は書かれているので、場面設定やセリフの曖昧さは否めない。正直、首相の1日がこれほど秘書や官房長官と密室にこもって成り立つものなのかはよくわからない。おそらく想像で描かれているところもかなりあるのだろう。

でも、それを割り引いても楽しく、一気に読める作品だと思う。

タグ:政治 選挙
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『七つの会議』 [池井戸潤]

七つの会議

七つの会議

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2012/11/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
トップセールスマンだったエリート課長・坂戸を“パワハラ”で社内委員会に訴えたのは、歳上の万年係長・八角だった―。いったい、坂戸と八角の間に何があったのか?パワハラ委員会での裁定、そして役員会が下した不可解な人事。急転する事態収束のため、役員会が指名したのは、万年二番手に甘んじてきた男、原島であった。どこにでもありそうな中堅メーカー・東京建電とその取引先を舞台に繰り広げられる生きるための戦い。だが、そこには誰も知らない秘密があった。筋書きのない会議がいま、始まる―。“働くこと”の意味に迫る、クライム・ノベル。
里帰りして面白かったのは、里帰りした3兄弟が皆小説を読もうと持ち帰っていたことだった。末弟については一緒に来てくれたお嫁さんが持って来たもので、伊坂幸太郎の『PK』だった。僕は『あるキング』で伊坂作品はくじけたと話すと、最初に読んだ作品が悪かったのだと教えてくれた。次弟は池井戸潤の『下町ロケット』を持って来ていた。偶然ながら、3兄弟のうち、2人が池井戸作品だったというわけだ。

年末年始の読書で僕が唯一持って来た小説は、池井戸潤の最新作『七つの会議』である。珍しく、日本経済新聞社刊の作品だ。そして、連作短編の手法を取りつつも、ストーリーとしては某部品メーカーのリコール隠しのスキャンダルを追っていて、長編小説的要素も楽しめる。この著者としては珍しい手法だ。しかも、各編の目線が異なる。8編から成るので都合8人の目線から東京建電で進行するスキャンダルの進展を描いていることになるが、この中で比較的まともなのは妻子持ちの同僚との不倫で疲れて依願退職するOLや万年二番手の営業一課長、親会社での出世レースでライバルに敗れて天下って来た副社長ぐらいだろう。わけあって万年係長の立場に甘んじている「居眠り八角」というのもいることはいるが、この挑発的なまでの働かない姿勢には正直嫌悪感も覚えるという点で、ちょっとまともだとは思いたくない。

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『ロスジェネの逆襲』 [池井戸潤]

ロスジェネの逆襲

ロスジェネの逆襲

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/06/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。胸のすくエンタテイメント企業小説。
「バブル入行組」シリーズの池井戸作品第三作。正義のためなら所属組織にもたてををつく、「やられたら倍返し」の半沢が主人公の小説である。ただ、前作を読んでから随分日が経っているため、半沢がなぜ銀行系の証券会社に出向していたのかが思い出せなかった。前作読み直しておけばよかった(苦笑)

「全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。」(p.251)っていうのは、今の僕自身の状況を考えたら、容易に首肯できなかったけれど。あまりに必要にされ過ぎるのも、迷惑だったりして…。活躍するには、それなりの部下の配置があって、チームとして動けることが必要だ。半沢には少なくとも森山君がいたことが大きいと思う。

池井戸作品は常に痛快だ。主人公が窮地に陥るのはどの作品も同じだが、最後は必ず正義が勝つ。企業小説だが、わかりやすいストーリーである。勢いを感じる。一気に読んでしまった。お薦めである。




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『ルーズヴェルト・ゲーム』 [池井戸潤]

ルーズヴェルト・ゲーム

ルーズヴェルト・ゲーム

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/02/22
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
「一番おもしろい試合は、8対7だ」野球を愛したルーズヴェルト大統領は、そう語った。監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門、青島製作所野球部。創部以来の危機に、野球部長の三上が招いたのは、挫折を経験したひとりの男だった。一方、社長に抜擢されて間もない細川は、折しもの不況に立ち向かうため、聖域なきリストラを命じる。廃部か存続か。繁栄か衰退か。人生を賭した男達の戦いがここに始まる。
先週末、1日だけ、仕事のことも考えない、大学院のことも考えない、完全オフの日を作ったことがある。その時に、1日で読み切れる小説でもこの際読もうかと考え、15時頃から途中中断を挟んでも約4時間で読み切ったのが、池井戸潤の近著である『ルーズヴェルト・ゲーム』だった。

『空飛ぶタイヤ』や『下町ロケット』と同じく、池井戸作品ではお決まりのパターンである。優れた人材とそれを繋ぎ合わせる結束力、そしてそこから生まれてくる技術開発力、そんな強みを持つ反面、銀行からの借入金への依存度が高く、その技術開発ゆえに他社から常に買収の対象と見なされやすい。結束力のある会社とはいえ、中にはいろいろな考えを持った役員や社員、そして株主もいる。その会社を狙っている他社からは様々なチャンネルを利用した買収工作がなされる。会社はとことん窮地に陥る。そして、そのどん底からやがて大逆転劇が始まるというのがお約束の展開だ。読者はそれが楽しみで、頁をめくる手がなかなか止まらない。

結局のところ、組織を救うのはその組織が元々持っている強みの部分なのだというのが、池井戸作品に共通しているテーマであるような気がする。

青島製作所の近所に住んでいるので、実際のモデルがどこか容易に想像がつく(笑)。でも、あそこは「ミツワ」と比べてそんなに会社の規模小さかったっけ?「ミツワ」がどの会社をモデルにしているのかも何となく想像はつくが、いずれも大手企業だと僕は思っていたので、巨人と小人、強者と弱者的な二元論で割り切れるのかなというのは違和感が最後まで残った。社会人野球のチームを持てるぐらいだから、青島製作所がそんなに小さな企業だとは思えない。しかし、あの手この手を画策して攻めてくる巨人・ミツワに対した時の青島は、猫ににらまれた鼠のようでもあった。正直青島製作所の規模感が掴みづらかった。

今回の作品は、野球を1つのレンズとして会社というものを捉えようとしており、野球好きの僕としては興味をそそられるものがあった。その肝腎の野球の方では、監督と主力選手が抜けて窮余の一策として雇われた大道監督がセイバーメトリックス論者らしいというのはわかったし、以前『マネーボール』を読んだ時にイマイチよくわからなかった、セイバーメトリックスを投手に当てはめた場合の評価基準とかが、本書を読んで「なるほど」と納得できたところはあった。元々社会人チームには平均何人ぐらいの選手が所属しているのかはよくわからないが、そんな中で、大抜擢というのができるほど燻っていた人材がいたのかどうかはちょっと疑問だ。それに、この新監督には野心が感じられたが、この監督を探してきた部長の努力の部分は本書ではあまり語られていないし、監督がどのように選手とコミュニケーションを取っていたのか、監督と会社の役員や幹部との関係はどうだったのかといった点はややわかりにくさがあった。個性ありそうな監督なのに、登場シーンと比べてその後の監督の描き方にはあまりパンチもなく、中途半端な描き方で終ってしまっている。監督をもう少し描き込んで欲しかったなという気がしないでもない。

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『オレたち花のバブル組』 [池井戸潤]

改めて池井戸潤さんの直木賞受賞をお祝い申し上げます。偶然ながら海外出張で用件が終わったら1冊ぐらい小説でも読もうかと思い、図書館で借りてきていたのが池井戸作品でもあったので、ここでご紹介しておこう。

オレたち花のバブル組

オレたち花のバブル組

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/06/13
  • メディア: 単行本

内容紹介
傑作企業小説。今度の敵は小役人。お前ら、まとめて面倒みてやるぜ!
―――あのバブル組が帰ってきた!
東京中央銀行営業第二部次長の半沢は、巨額損失を出した老舗のホテルの再建を押し付けられる。おまけに、近々、金融庁検査が入るという噂が。金融庁には、史上最強の“ボスキャラ”が、手ぐすねひいて待ち構えている。一方、出向先で、執拗ないびりにあう近藤。また、精神のバランスを崩してしまうのか……。空前絶後の貧乏くじをひいた男たち。そのはずれくじを当りに変えるのは自分次第。絶対に負けられない男たちの闘いの結末は?!
池井戸作品を読んでいると、銀行というのは上層部に必ず悪巧みをしている奴がいる伏魔殿のようなところとして描かれていることが多いように思う。中小企業には弱い者いじめをし、大手企業に対しては業績不振でも桁違いの繋ぎ融資を平気で行なう。そして、そうしたヤバめの取引には、必ず役員が絡んでいる。

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『空飛ぶタイヤ』(上・下) [池井戸潤]

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/15
  • メディア: 文庫

空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/15
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。 事故原因の核心に関わる衝撃の事実を知り、組織ぐるみのリコール隠しの疑いを抱いた赤松。だが、決定的な証拠はない―。激しさを増すホープグループの妨害。赤松は真実を証明できるのか。社員、そして家族を守るために巨大企業相手に闘う男の姿を描いた、感動の傑作エンターテインメント小説。
今回の長旅のお供にとわざわざ新規で購入し、持ってきた小説は池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』と『下町ロケット』だった。既に『下町ロケット』は読了し、早々にブログでもご紹介したが、今回の旅では意外と夜に本を読んだりして過ごす時間が少なく、このままではインドにいる間に読了し、インド駐在中の知人の誰かに押し付けて帰ろうという魂胆の実現に支障を来すのではないかと危惧される時期にさしかかってきた。そこで、タミル・ナドゥ州のゴビチェットパラヤムという町に滞在して周辺の養蚕農家の訪問調査をして過ごしている3泊4日の間に、『空飛ぶタイヤ』も読み終えてしまおうと考え、実行した。

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『下町ロケット』 [池井戸潤]

下町ロケット

下町ロケット

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/11/24
  • メディア: 単行本
内容紹介
 「その特許がなければロケットは飛ばない――。大田区の町工場が取得した最先端特許をめぐる、中小企業vs大企業の熱い戦い!かつて研究者としてロケット開発に携わっていた佃航平は、打ち上げ失敗の責任を取って研究者の道を辞し、いまは親の跡を継いで従業員200人の小さな会社、佃製作所を経営していた。
 下請けいじめ、資金繰り難――。ご多分に洩れず中小企業の悲哀を味わいつつも、日々奮闘している佃のもとに、ある日一通の訴状が届く。相手は、容赦無い法廷戦略を駆使し、ライバル企業を叩き潰すことで知られるナカシマ工業だ。否応なく法廷闘争に巻き込まれる佃製作所は、社会的信用を失い、会社存亡に危機に立たされる。
 そんな中、佃製作所が取得した特許技術が、日本を代表する大企業、帝国重工に大きな衝撃を与えていた――。会社は小さくても技術は負けない――。モノ作りに情熱を燃やし続ける男たちの矜恃と卑劣な企業戦略の息詰まるガチンコ勝負。さらに日本を代表する大企業との特許技術(知財)を巡る駆け引きの中で、佃が見出したものは――?
 夢と現実。社員と家族。かつてロケットエンジンに夢を馳せた佃の、そして男たちの意地とプライドを賭した戦いがここにある。」
今度の長旅に向けて、わざわざ書店で購入した1冊は、最近僕がハマっている池井戸潤の近刊である。面白いという評判で持ちきりであり、こういう小説は旅先で読み切って現地の日本人の知り合いのところに置いてくるというのが僕のお約束だ。以前から購入して積読しておいた本は殆どがマーカーを入れて半永久的に僕の手元に置いておきたいもので、たとえ出張などに持ってきても、結局は家に持って帰ることになる。しかし、普段買わない小説の場合はそうではない。最初から現地に置いてくるつもりで出発直前に購入するのだ。

しかも、単行本だからかさばるため、現地入りしたらまず最初に手放すことを考える。だから、東京の自宅を出る前から読み始め、そして目的地の空港に着くまでには読み終わっている。ホテルに泊まって、翌日にはもう誰かに「お土産」といって手渡す。面白くてお勧めだと言って…。

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『果つる底なき』 [池井戸潤]

果つる底なき

果つる底なき

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/09
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
債権回収を担当していた同僚が死んだ。謎の言葉と、不正の疑惑を残して。彼の妻は、かつて「私」の恋人だった…。先端企業への融資をめぐる大銀行の闇に、私は一人、挑む。第44回江戸川乱歩賞受賞作。
来週から3週間にもわたって職場を留守にするため、今週はその準備をやる一方でその前に片付けておかなければいけない仕事も多くて、最近の僕としては珍しく夜残業やったり、朝7時30分に出勤したりしてなんとか働いてきた。自分が幹事をやっていた飲み会もあったし、千葉や茨城方面での外勤が半日がかりになったりもした。移動の電車の中では座席で居眠りすることも多く、疲れているなと実感する。

南インドの農村に入り、農家の方々の暮らしぶりを調査できるのは楽しみだが、一方でその前に片付けなければならない仕事は正直非常に気が重い。元々自分がこれまで関わってきたこともなかったようなテーマで、それでも成果を求められるというのはちょっと…。気が乗らないながらも勉強はしたし、それで週末も土日ともに自室に籠って資料を読み込んだ。でもいくらやっても自信が湧いて来ないし、そうするとそれまで普通にやれていた日課を普通にこなすことにも煩わしさを感じてしまう。朝の素振りもやってないし、帰宅時に駅から30分の距離を歩く余裕も今はなく、駅まで妻に迎えに来てもらっている。天候だけが理由ではない。

だから、今週はあまり本も読んでおりません。ただ、図書館への返却期限が迫っている本については拾い読みしてなんとか片付けているし、本日ご紹介の池井戸潤作品はイッキに読んでしまった。

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『鉄の骨』 [池井戸潤]

鉄の骨

鉄の骨

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/10/08
  • メディア: 単行本
内容紹介
談合。謎の日本的システムを問う感動大作!建設現場から“花の談合課”へ。若きゼネコンマン富島平太は、会社倒産の危機に役立てるか。大物フィクサーとの出会いの真相は――この一番札だけは、譲れない。
読了順でいけば本日は別の専門書のご紹介となる筈だが、『鉄の骨』は本日が図書館返却期限なので、順番を入れ替えて先に紹介したい。池井戸潤は気になっていた作家なのだが、その殆どが『下町ロケット』の評判に由来する。この作品を好意的に紹介している書評を結構多く見かけたので、いずれ図書館にも入庫しないかと待ち構えていたのだが、なかなか実現に至らず、しびれを切らして1冊だけ池井戸作品を読んでみることにしたのが本書である。

公共工事受注を巡るゼネコンの談合の話である。主人公・平太は中堅ゼネコン一松組の大卒4年目社員。ビル建設現場で施工管理をやり、本人の意に反する人事異動で本社業務課に転勤になる。異例の人事である。尾形常務直結のこの部署で、平太は否応なく談合に巻き込まれていく。談合における各社間の調整役の三橋、そして各社を代表して連絡を取り合う大手ゼネコンの役員や高級管理職、4年目の若手がいきなりやりあうには非常に荷が重い。しかも尾形常務の厳命で、地下鉄工事受注を取りに行かなければいけない。会社の財務状況も怪しいため、メーンバンクも追加融資を渋る。

これにはメーンバンクである白水銀行のまさに取引店に勤めている平太の恋人・萌も絡んでくる。否応なく談合の黒い世界に引き込まれていきそうになる平太を心配するが、いつの間にか銀行員としての冷徹な視点で、大人になりきれていない平太に苛立ちを感じ始める。そこに現れるのが同じ視点の融資係のホープ園田。彼は一松組の担当でその財務状況を知る者として萌にアプローチし、恋人から萌を引き離そうとする。萌の気持ちも園田の方に傾きかける―――。そんなストーリーです。

平太の母親と大物フィクサー三橋が同じ村の出で、三橋が平太を気にかける1つの理由になっているというあたり、ちょっと出来すぎという気はするし、元銀行員だった僕としては、仕事が引けた10時とか11時から毎晩のように食事に行ける園田や萌のスタイルってありなのかどうかもわからない。まあ小説なのである程度のエンターテインメント性は必要なのだろうから、そんなに目くじら立てるポイントだとは思わないけれど。それに、確かに面白かったです。

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