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ブータン初の人工衛星(その後) [ブータン]

ブータン1号、打上げ準備完了
BHUTAN-1 ready to be delivered for launch
Kuensel、2018年2月27日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/bhutan-1-ready-to-be-delivered-for-launch/

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【ポイント】
ブータン政府が若手エンジニア4名を日本の九州工業大学に派遣し、2016年11月から参加してきた超小型人工衛星開発プロジェクト「BIRDS-2」において、ブータン発のナノサテライト「ブータン1号」が完成。重さ1.5キロの衛星は、JAXAにより4月中に打ち上げられる予定。2月26日に報道陣に公開して行われたテレビ会議で明らかになったもの。

情報通信省のダショー・カルマ・W・ペンジョル事務次官によると、これは同国の宇宙科学技術プログラムの記念すべき第一歩であり、国王のビジョンを具体化したものだという。宇宙科学技術の振興により、経済社会開発の加速化が図られ、政府によるSDGs達成への取組みも促進されることが期待される。

これら4名のエンジニアの育成からナノサテライトの打上げ、国内の地上管制センターの整備までを含め、当初予想では28万ドルがかかる見込み。BIRDS-2は2016年11月からスタートし、ブータンの他に、マレーシア、フィリピンから若手エンジニアが参加。

ブータンでは、ブータン国営テレビ(BBS)の放送が全国カバーするためのINSATコミュニケーション施設の利用に年間950万ニュルタム、ブータンテレコムが通信網の全国カバーのために年間300万ニュルタム、水文気象サービス局は氷河湖決壊洪水早期警報システムの運用に年間120万ニュルタムを支出している。ブータン1号は、打上げ後、地上から500~1500kmの低い空間で飛行、ハイエンドカメラを2台搭載し、上空から氷河湖や森林被覆の状況を把握し、基礎通信サービスの提供が可能になる。

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ブータンビジネスの難しさ [ブータン]

酪農家組合、ナノファイナンスを開始
Dairy cooperative starts nano-financing system
Kuensel、2018年2月16日、Younten Tshedup記者(タシガン)
http://www.kuenselonline.com/dairy-cooperative-starts-nano-financing-system/

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【ポイント】
タシガン県チェナリの幸福インターナショナルの乳製品加工工場に牛乳供給を行わないという酪農家組合の決定は元が取れつつある。同組合は、組合員から構成されるナノファイナンス(貸付組合)の仕組みを昨年11月11日に導入。最大2万ニュルタムの無担保貸付を会員に対して行う金融機関として発足させた。貸付金利は年10%、1年返済を想定。将来的には預金受入も行い、最低5000ニュルタム、最大5万ニュルタムまでの預金を受け入れる計画。

これまでに14人の組合員が借入れを行い、ジャガイモ栽培用の肥料の購入等に充てられた。借入手続きは銀行からの借入れよりもシンプルで、借入条件もやさしいという。教育を受けておらず銀行での手続きに不慣れな農家にとっては好評。現在、貸付組合の貸付原資は、牛乳の売上金と会員からの月額100ニュルタムの会費によって積み立てた210万ニュルタムが充てられている。

この酪農家組合は、2005年に22人の会員により発足し、2011年に組合登録された。現在の組合員数は約50世帯で、飼育乳牛数は200頭に上る。夏場は日産270リットル、冬場は200リットルの牛乳を生産。

◇◇◇◇

「ナノファイナンス」という言葉、不勉強で知らなかったのだが、地域限定の小規模金融のことをこう呼ぶらしい。聞きなれない言葉だったので思わず記事に見入ってしまったが、確かにそういうことだ。

ただ、この記事の第一段落を読んで、おやっと思った。「幸福インターナショナルに牛乳を卸さない」というところが気になった。「幸福インターナショナル」といったら、日本の新日本科学が出資して設立された乳製品加工企業で、「幸福チーズ」というブランドでゴーダチーズを生産し、日本にも輸出している。工場立地がタシガンなので、ティンプーではなかなか手に入らないらしいが、タシガンならインドのグワハティ経由で出荷が可能なので、日本のマーケットでもご覧になられた方はいらっしゃるのではないかと思う。

そうした工場に牛乳を卸さないといったら穏やかな話ではない。何があったのかがわからないので、クエンセルの記事をもう少し遡って調べてみたところ、昨年末に幸福インターナショナル絡みで次のような記事があった。

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下水処理施設の開発競争 [ブータン]

バベサの新下水処理施設、来年完成へ
New treatment plant in Babesa to complete next year
Kuensel、2018年2月14日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/new-treatment-plant-in-babesa-to-complete-next-year/

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【ポイント】
ティンプー南部、バベサにある汚水安定化池は、来年5月までには、より処理容量の大きい回分式活性汚泥法による処理施設によって代替される。現在の安定化池の処理能力は1日175万リットル。安定化池に隣接して建設中の新処理施設の容量は1日1200万リットルとなる。現在の安定化池は人口1万6千人対応だが、新処理施設は人口10万人にも対応できる。

アジア開発銀行(ADB)の支援で進められている新処理施設建設プロジェクトの市担当者によると、旧施設は既に処理能力不足に陥り、悪臭に対する苦情が近隣住民から寄せられてきた。新施設はこれらの問題を解決可能だという。機械による新処理施設に必要な用地は3エーカーだが、これを安定化池にした場合は14エーカーの用地を必要とする。安定化池に比べてスペースが節約できるという。また、新処理施設には臭気除去装置も据え付けられる。

ADBは総費用の85%にあたる1400万ドルを拠出、残る15%は財務省が予算配分。全体の進捗状況は10%程度、回分式活性汚泥処理タンクの建設については15%程度の進捗。処理施設はティンプー川の河岸に隣接するため、雨期の工事に支障をきたす恐れがある。そのため乾期の現在、作業は急ピッチで進められているが、外国人労働者が冬場の屋外作業を忌避することから、作業は遅れ気味。

1990年代初頭から使用されてきた旧施設は、新施設の完成とともに撤去される見込み。

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目標未達も許される [ブータン]

水力発電事業の進捗が経済省の業務実績に影響
Hydropower projects’ progress hamper MoEA’s performance
Kuensel、2018年2月8日、Tshering Dorji記者
http://www.kuenselonline.com/hydropower-projects-progress-hamper-moeas-performance/

農林省、年次業績評価の2目標を改訂
MoAF revises two APA targets
Kuensel、2018年2月8日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/moaf-revises-two-apa-targets/

教育省、年次業績評価で新たな3目標を提案
MoE proposes new targets for three APA targets
Kuensel、2018年2月9日、Yangchen C Rinzin記者
http://www.kuenselonline.com/moe-proposes-new-targets-for-three-apa-targets/

首相、外務省の業績を称賛
PM lauds foreign ministry’s performance
Kuensel、2018年2月9日、Tshering Palden記者
http://www.kuenselonline.com/pm-lauds-foreign-ministrys-performance/

公共事業省、13指標で未達のおそれ
13 indicators at risk for MoWHS
Kuensel、2018年2月9日、Phurpa Lhamo記者
http://www.kuenselonline.com/13-indicators-at-risk-for-mowhs/

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タグ:業績評価
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公共図書館の惨状 [ブータン]

予算不足が公共図書館発展の妨げに
Budget constrain stunts public library’s development
Kuensel、2018年2月5日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/budget-constrain-stunts-public-librarys-development/

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【ポイント】
ティンプー市内唯一の公共図書館であるジグミ・ドルジ・ワンチュク公共図書館には、蔵書、家具、機材等は揃っているが、肝心の建物が手狭で、発展の妨げになっている。創設から39年が経過するこの図書館には、現在5万冊以上の蔵書と、コンピューターも20台がある。書架や閲覧机、椅子等はあるものの、現在チュバチュにある1階建ての建物だけでは狭すぎで、現在3年間のリースで、王立ブータン大学(RUB)の敷地内に、別のスペースを借りて運営されてきた。

図書館の会員数は4000人にのぼり、2000人程度が実際には利用しているのが現状。会員の7割はクラス10(高校1年生)未満の子どもである。従って、RUBの敷地というのは子どもにとっては敷居が高く、別の独立した場所に立地する方がアクセスはしやすい。RUBとのリースは昨年で切れたが、取りあえずはリース継続の予定。

図書館はこれまで、度々ティンプー市に対して増床の要望を行ってきたが、市は「予算不足」を理由にこれを却下してきた。建物の新設は2000年に初めて要望している。2015年の国際読書年には、政府にもアプローチを試みたが、政府も建物の新設は却下、代わりに2700万ニュルタムの予算を配分した。図書館はこれを図書や備品の拡充に投入したという。

2013年からは移動図書館も導入。1台のバンに5000冊の蔵書を搭載し、毎週日曜日に市内5カ所を巡回、各地で3時間とどまり、近隣の利用者にサービスを提供している。

ティンプー市のキンレイ・ドルジ―市長は、本紙の取材に答え、市は現在の1階建ての図書館の敷地に5階建てのビルを建設する考えだが、予算不足で具体化するには至っていないと述べた。

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これからの5年間(ティンプー) [ブータン]

住宅、水問題がティンプーの最優先課題―報告書指摘
Housing, water issues top priorities for Thimphu, finds report
Kuensel、2018年1月24日、Phurpa Lhamo記者
http://www.kuenselonline.com/housing-water-issues-top-priorities-for-thimphu-finds-report/

【ポイント】
ティンプー市がまとめた構造計画(TSP)に対する戦略的環境アセスメント(SEA)報告書のドラフトがこのほど公表された。SEAは、公共事業省、全国環境委員会(NEC)、GNH委員会の共同作業として2017年6月から始まり、最終報告書は今年6月には完成する予定。1月23日に開催された公聴会で、ドラフトの概要が明らかになった。

この中で、ティンプー市は2017年現在99,655人だった総人口が今後10年間で16万人に増加し、1日310万リットルの水が不足するとの予測が提示されている。現在でも同市では、1日24時間水供給を受けているのは全世帯の30%程度しかない。残りの70%は、1日3時間から8時間の時間給水しか受けられない。このため、報告書は、水源の保全、節水への市民の啓発、既存配水網の強化、ティンプー水安全計画の実施などを提言。

SEAでは、インフラ開発、居住環境、財・サービス供給、廃棄物、交通、障害物リスク、資源活用状況等が評価対象とされた。

報告書では、10年後の市の総人口が16万人の場合と20万人の場合の2つのシナリオを想定。最悪シナリオの場合、固形廃棄物排出量は現在の1日99トンから124トンに増加、車両台数は43,843台から87,989台へと倍増する。市民5人につき2台保有の計算。

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これからの5年間(タシヤンツェ) [ブータン]

タシヤンツェ、次期計画で4000人以上の観光客を誘致
Yangtse targets more than 4,000 tourists in 12th Plan
Kuensel、2018年1月23日、Younten Tshedup 記者
http://www.kuenselonline.com/yangtse-targets-more-than-4000-tourists-in-12th-plan/

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《チョルテン・コラ》

【ポイント】
タシヤンツェ県は、1992年にタシガン県より分離、コロンチュ川の渓谷沿いに開け、チョルテン・コラという、ボダナート型の大型チョルテンが有名。「縁起の良い富の要塞」という意味で、県内に幾つかの巡礼地が分散している。県内には、絶滅危惧種オグロヅルの避寒飛来地の1つであるブンデリン野生動物保護区を含む幾つかの自然保護区がある。

こうした豊かな観光資源にも関わらず、2016年に同県を訪れ、宿泊した観光客数は、1000人にも満たない。隣りのタシガン県の4300人とは対照的な数字である。従って、第12次五カ年計画でも、タシヤンツェ県の最優先課題の1つが観光誘致とされている。同県計画官によれば、劣悪な宿泊施設や道路アクセス、空路での移動手段がないこと等が、来訪者が少ない理由だという。

従って、宿泊施設に関して、県庁ではハウスキーピングや食事に関する研修を、ホームステイサービス提供者やホテル関係者に対して行う予定。「観光客向けのスタンダードなホテルがないことが、来訪者が少ない理由です。」加えて、同県では、ベイリン・セントラルスクールの向かいに三ツ星ホテルの建設を開始したところである。

また、国立公園サービス局と共同で、ブンデリン野生動物保護区を生物多様性ホットスポットとして整備し、地元コミュニティを巻き込んでエコロッジやホームステイプログラムの促進を図るという。ブンデリンには現在、ホームステイサービス提供者が2軒あるのみ。(その他観光誘致策や省略)

第12次五カ年計画期間中、訪問・宿泊客数を4100人に増やすことが目標。その他に、同計画では、県内の小規模零細産業を拡大して地域経済の開発を図ることも目指すという。また、国内でも最多の空き家家屋(Gungtongs)740軒を有する同県では、空き家対策も大きな課題。空き家が増加する最大の理由は、家族全員の退去や教育目的が中心で、新たな起業や就業機会を求めて他所へ転出する世帯もある。

このため、農家向け商業金融アクセスの改善を通じた商業作物生産の振興を進めたいという。そのためには、灌漑システムの整備や電気柵の供与等も進められる。また、「ブランド・ブータン」イニシアチブと既存産品の付加価値向上を通じた地元産品の振興を図りたいとの由。

こうした目標に対し、同県は約11億9852万ニュルタムを5年間で投入する予定。これは、第11次五カ年計画での5億6383万ニュルタムよりほぼ倍増。

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保険会社不正金融取引に見る責任の取り方 [ブータン]

RICBL理事会、CEOと専務理事の解任を決定
Decision to relieve CEO and ED binding – RICBL board
Kuensel、2018年1月23日、Rinzin Wangchuk記者
http://www.kuenselonline.com/decision-to-relieve-ceo-and-ed-binding-ricbl-board/

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《ノルジンラムでもひときわ目立つこの建物。BBSより》

【ポイント】
12月29日に反腐敗委員会(ACC)から検察庁に提出された報告書で発覚した、王立ブータン保険会社(RICBL)の複数社員と、ヌブリ・キャピタル、モンガルのシュラブ・レルディ高等中等学校との不法な金融取引に関連し、RICBLは1月17日に開催された理事会において、ナムゲ・レンドップCEOとソナム・ドルジ専務理事の解任を決定。理事会決議は翌18日に両者に通達され、CEO、専務ともに事態の道義的責任を取って自主退任を表明。理事会はこれを受理し、これ以上の責任追及を両者に対して行わないこととした。19日付のプレスリリースで明らかに。但し、直接これに関与した社員に対する措置は引き続き調査検討中。

◇◇◇◇

年末からブータンを騒がせているRICBLの不正取引問題。何度かメディアで報じられていたけれども、なんか、こういう決着になったらしい。日本だったら、CEOや専務といったら、事件の糾明や再発防止策の検討に至るまで指揮をとり、その上でご本人が退任されるという形になると思うのだが、RICBLのケースは、先ずトップを切ってしまった。僕らがどう見てもそれじゃこの2人は不正取引に関わっていたのかと勘繰りたくなるが、そこは追及せず、道義的責任を取って自主退任をしたんだからまあいいじゃないかというところで矛を収めるようである。

ああ、こういう形で収拾を図るんだなというのがちょっとわかったような気がした。人口が少ない国だから、誰もが誰もを知っているような中で、徹底的な責任追及はせず、辞任して責任は取ったんだからまあいいじゃないかというので、決定的な対立は招かないところで収めるということなのだろう。これ以降、RICBLで実際に手を染めた社員の処分についての続報はありません。

それにしてもですね~、クエンセルさん。いくら10日間ほど休刊していたからといって、BBSでも1月19日に既に報じていたニュースを、23日付で報じるというのはどうかと思います(笑)。

タグ:腐敗
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財政の分権化に関する報告書 [ブータン]

財政の分権化は12次五カ年計画とSDGsの目標達成の鍵
Fiscal decentralization key to achieving the 12th Five Year Plan and the Sustainable Development Goals
2017年11月7日、UNDPブータン事務所ホームページより
http://www.undp.org/content/bhutan/en/home/presscenter/pressreleases/2017/11/07/fiscal-decentralization-key-to-achieving-the-12th-five-year-plan-and-the-sustainable-development-goals.html

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【ポイント】
11月6日、国連開発計画(UNDP)及び国連環境計画の支援を受け、地方行政局(DLG)は、現在の財政分権化の枠組み改善の方向性を示す新たな報告書を発表した。第12次五カ年計画では、地方自治体は計画期間中の予算配分の50%を受け取ることになっており、この報告書はそれを裏打ちする適切な時期に公表されたといえる。

報告書は、国の歳入の一部を準国家借入れに配分して行われる中央から地方への適切な資金支援のあり方を規定した憲法18条に言及し、資源配分公式、政府業績管理システムとの連携、自治体レベルでの独自財源、中央・地方での歳入シェアメカニズム、財政分権化を計画・実施する地方行政の能力強化等に関して9つの提言に纏められている。

GNH委員会は、ブータンの新しい地方分権化政策にこれらの評価結果と提言内容を反映させるよう、DLGに求めている。

報告書は、UNDPと国連環境貧困 - 環境イニシアチブ(PEI)の支援を得て作成された。このプログラムは、ブータン政府が開発の優先事項と環境の持続可能性との間でいかにバランスをとるかという課題への取組み能力の強化を支援するため、2007年からブータンで活動してきた。GNH委員会、DLG、財務省と連携、政策決定、計画、プログラムに、ジェンダー、環境、気候変動、災害リスク削減、貧困削減等の取組みを反映・統合させていくことを目的としてきた。

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『ブータンの歴史』 [ブータン]

ブータンの歴史 (世界の教科書シリーズ)

ブータンの歴史 (世界の教科書シリーズ)

  • 作者: ブータン王国教育省教育部
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2008/04/28
  • メディア: 単行本

充電期間中に読む本としてはこれが最後、13冊目の本を紹介する。この本の存在はかなり以前から知っていたのだけれど、3800円という価格に尻込みして、購入できずに「読みたい本」リストに長く掲載してあった。近所の市立図書館でダメ元で蔵書検索してみたところ、待ち時間ゼロですぐに借りることはできたものの、他に優先度が高い本が何冊かあり、最後まで取っておいた。再渡航の日がいよいよ迫ってきており、気合いを入れるつもりで読んでみた。

ブータンの初等中等学校のクラス6からクラス8までの歴史の教科書がまとめて1冊に収録されている。日本で言えば小6から中2あたりに相当する。大雑把に言うと、クラス6では建国神話、グル・リンポチェの到来をはじめとしたチベットからの聖人の来訪の歴史と、それにまつわる伝承の数々が描かれ、クラス7になると、主にはシャブドゥン・ガワン・ナムゲルの到来と全国統治への経緯、それに大英帝国のブインド進出とベンガル・アッサムの国境地帯への介入までが描かれている。そのうえで、クラス8では、現王室の祖となるジグミ・ナムゲルによる国家統一とその子ウゲン・ワンチュク国王を開祖とする現王室の成立と各王による治世の系譜が詳述されている。

3冊合わせれば、確かにブータンの歴史をある程度俯瞰できる解説書になる。これに、やや難しいブータンの固有名詞の発音のヒントも書かれているのでお得だと思うし、ティンプーで暮らしていて、普段何気なく通っているルンテンザンパ橋やチャンリミタン競技場のあたりで、昔何があったのかを知ることができたりして、読んでいて幾つかの発見もあった。

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タグ:平山修一
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