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オリッサ州カラハンディというところ2 [インド]

少し前にオリッサ州カラハンディ地方のことをしつこくブログで紹介したことがあったが、その中で、この地方では森と自然を崇拝する先住民と鉱物資源の開発を進めたい鉱山会社との対立の構図があることをいくつかの記事を引用することで紹介した(「オリッサ州カラハンディというところ」)。なんとなく一方的に先住民側の肩を持つ記事の書き方になってしまったのは実際に現場を見てもいない僕が論じるには公平さに欠けるなとも思っていた。ヴェダンタ社もそれなりに社会貢献事業をやっている企業で、社会貢献という点では評価も受けている。

そう考えていたら、3月3日付Hindustan Times紙に1頁ぶち抜きの特大広告が掲載されていた。「ちょっと止まって考えてみる時だ(It's Time We Spare A Moment And Think)」と題したヴェダンタ社の広告で、「カラハンディに変化をもたらすヴェダンタ」「ヴェダンタの500万トン級アルミニウム開発プロジェクトは2万人以上の普通の人々に雇用と生計向上の機会を提供しています」と強調されている。

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以下はその広告の紹介である。
カラハンディの昔
◆厳しい貧困状況、インフラの欠如、飲料水と電力供給の不足、マラリアや鎌状赤血球症(sickle cell anemia)といった疾病、餓死
◆失業率50%、非識字率50%以上―持続的繁栄に向けた経済条件の未整備

カラハンディに開発と繁栄をもたらすために
◆ヴェダンタ・アルミニウム・プロジェクトは産業化、大規模雇用、道路・橋梁や学校、病院、給水、電気といった良質のインフラと地域全体の持続的生計向上を地域にもたらしてきました。
◆ヴェダンタの世界級の最新アルミニウム製錬技術は開発後25年が経過して初めてインドに導入されたものです。ヴェダンタのアルミ精錬工場は排出物ゼロ・廃棄物ゼロを目指し、世界でも最も環境にやさしい工場です。
◆1,250億ルピー以上を投資して建設されたこのプロジェクトの建設では過去5年間で5,000人もの地元住民が働く機会を得ました。
◆インドはボーキサイト埋蔵量が30億トンにも及び、世界で4番目の生産国です。うちオリッサ州だけで20億トンを埋蔵しています。ヴェダンタ・アルミニウム・プロジェクトはそのわずか5%分のボーキサイトしか生産しません。オリッサ州政府が運営するオリッサ鉱山公社が鉱山のリースを受け、このプロジェクトにボーキサイトを供給することになっています。
◆この鉱山開発プロジェクトのために立ち退きを迫られる先住民世帯はありません。ランジーガルの採掘地域にはドンゴリア・コンド族は住んでいません。
◆インド最高裁は2008年8月にこの鉱山開発プロジェクトの操業を承認しています。この最高裁決定は、インド野性動物研究所(Wildlife Institute of India)、中央鉱山開発設計研究所(Central Mine Planning and Design Institute)の専門家グループの報告や環境森林省、オリッサ州政府の提言に基づき判断が下されたものです。

開発実現に向けたユニークな解決策
◆インド最高裁は社会経済開発の新しいモデルを構築するよう勧告しています。それはこのプロジェクトの税引前利益の5%、数十億ルピーをこのプロジェクトから半径50km以内の地元地域の開発に投入し、数千人の地元住民の生活を向上させよというものです。そのために、オリッサ州政府の参加も得て「ランジーガル・プロジェクト地域開発財団(Lanjigarh Project Area Development Foundation)」が創設されています。

オリッサとカラハンディが受ける恩恵
◆州の歳入増-鉱山採掘権と税収で40億ルピーがオリッサ州に入ります。
◆周辺13ヵ村に電力が供給されます。
◆オリッサ州政府と協働で運営される43ヵ所にあるヴェダンタのチャイルドケアセンターと1,000人のヴェダンタ地域保健補助員(Anganwadi)を通じて、30,000人の子供たちがケアを受けられます。
◆273校の20,000人の子供たちが学校給食プログラム(Mid Day Meal)を通じて栄養ある給食をとることができます。
◆マラリア発病例が大きく減少します。マラリアをこの地域から完全に撲滅することも実現可能です。
アルミニウムは緑の金属(Green Metal)です。森林と地球を救うために木材に代わって開発される唯一の代替財といえます。
カラハンディは前進しつつあります。この移行の旅にぜひ参加して下さい。

少し予備知識を持った人間が読むと突っ込みどころ満載の広告であるが、そこはご想像にお任せします。子供を抱いたお母さんの破顔一笑もまあこの手の広告にはよく使用されるものであり、このプロジェクトと直接的に関係がある女性住民なのかどうかもよくわからないし。

いずれにせよこの時期に掲載されたという点で興味深い広告であった。
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小野Perry

サンチャイさん
 うちのプロジェクトサイトであるムニグダは、カラハンディから直線距離で60kmほど。
 つい先日調査から帰ってきたうちのメンバーが、この精錬工場の問題を話していました。さっそくみんなにサンチャイさんのブログを紹介しました。なるほどね、とにかくこちら側からの情報しか持っていなかったので、企業側の話はとても新鮮です。

 またなにか見つけたら、ぜひ教えてください。
by 小野Perry (2010-03-07 16:53) 

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