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中南米の高齢化に関する世銀報告書 [少子高齢化]

世界銀行の高齢化報告書
世界銀行から発表された新しい報告書では、ラテンアメリカの人口高齢化に焦点を当てている。
WBAgingReport.jpg 「人口高齢化:ラテンアメリカは準備できているか?(Population Aging: is Latin America ready?)」では、鍵となる3つの課題に注目して取組みの方向性を検討している。それは、「高齢者の支援と貧困撲滅」、「高齢化する世界における社会支出の持続可能性確保」、「高齢化が健康状態や保健医療サービスに与えるインパクト」である。
 報告書は、ラテンアメリカの平均寿命がこの半世紀で22年も伸びたことを認め、ラ米諸国に対し、「灰色革命(Greying Revolution)」に備えよと提唱している。具体的な提言として、医療制度の強化、退職年齢の引き上げ、年金制度改革、より多くの労働供給を得るために女性のための雇用の創出等が挙げられている。
 また、報告書は域内各国と地域社会に対し、被用者がより長く生産的な生活を送るよう支援し、できるだけ長く元気で動き回れるようにするための政策を立案実施するよう求めている。例えば、一次医療サービスがより重要性を増し、労働者は労働供給を止めるまでもっと長く働き続けられるようになるだろう。
 この報告書は人口高齢化に関する世界銀行の関心の高まりを反映したものである。1990年代以降、世銀のこのテーマに対する関心は低調に推移した。わずかな例外といえば、1994年の報告書「高齢時の危機を回避する(Averting the old age crisis)」と、2007年出版の『赤から灰色へ(From red to gray)』で東欧の人口高齢化をレビューしたぐらいであった。
出所:HelpAge International, Ageing & Development, Issue 30, September 2011

このところ、あまり人口高齢化をテーマとして取り上げていなかったこのブログであるが、これにまつわる研究を再開したいと思って今月半ばから大学院に復学したこともあり、時々文献レビューみたいなものは扱っていこうかと思っている。実際に読んだかどうかは別として、どんな出版物や論文が世に出ているのかについては、HelpAge International(HAI)のクォータリーがよくカバーしていると思うので、時々取り上げてみたいと思う。勿論、実際に読んだものについてもちゃんと取り上げたい。

HAIが今回紹介しているのは、昨年末に世銀が公開したラテンアメリカの高齢化に関する報告書である。

Daniel Cotlear ed.
Population Aging: Is Latin America Ready?
World Bank, December 2010

*報告書全文は、世銀HPからダウンロードできます。

解説文を読む限りは、世銀が1990年代からラテンアメリカ各国で導入を推奨してきた医療保証制度を方向性として正当化しようというのが目的なのではないかという印象は受ける。僕自身はあまりラテンアメリカに関する予備知識がないので、世銀が提唱してきた民間参入による医療保障制度改革というのがこの地域でどの程度奏功してきたのかはよくわからない。

ただ、この解説文を読んでみて、世銀が「人口高齢化」という言葉を使った場合に指す地域は、最初は東欧で次はラテンアメリカなのだというのが興味深い。東アジアや南アジアの高齢化については、世銀として取り組む課題ではないということなのだろうか、あまり取り上げているのを聞いたことがない。

実際読んでみないと確認はできないが、解説で紹介されている内容にはまあ当たり前のことが多く、あまり「読みたい」と感じる本でもなさそうかなという気がする。


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toshi

おはようございます。
コメントありがとうございました。
by toshi (2011-09-23 07:45) 

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