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実践フィールドワーク入門 [読書日記]

組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門

組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門

  • 作者: 佐藤 郁哉
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 単行本
内容(「MARC」データベースより)
フィールドワークの基本的な発想と調査技法のエッセンスについて解説した初級入門書。「キーワード」で専門知識への入り口を、「ブックガイド」で経路を、「ケース」で目標地点としての研究実戦実例を解説する。
ここ1、2ヵ月、「エスノグラフィー(民俗誌)」という言葉も興味が湧いてきている。僕が南インドの養蚕についてやろうとしたことが後付けでそれに近いというのに気付いたからだ。実際に他の人が書かれたエスノグラフィーを読んでみたこともある。そうして自分が書いた原稿と既に世に出たエスノグラフィーを比べてみることで、僕の原稿に足りないものも薄っすらとながらわかってきた。

後から振り返ってみると、6月の現地調査の時に、あれをやっておけばよかった、ああした方がよかったという反省点がいっぱいである。そんなに詰込んだら3週間ではきかなかっただろうが。だから、機会があったらもっと深掘りしたテーマで今後も何度か同じ農家の方々を訪ねてみたいと思っている。

その時のことも考えて、もう少しちゃんとした方法論を勉強しておけないものだろうかと考えていたところ、職場の上司から本日ご紹介する1冊を紹介していただいた。本書は大学で企業組織や企業経営に関する定性的調査法について講義をされ、実際に調査にも関わっておられる先生が書かれており、実践に裏打ちされているだけではなく、参考図書の紹介にも相当なウェートが割かれており、初心者にもわかりやすい入門書となっている。入門書だから、これを1冊読んだだけで定性的調査が実践できるようになるわけではない。質の高い定性的調査を行なって、質の高いエスノグラフィーを書いていくには、質の高いエスノグラフィーを多く読み、実践経験を多く詰めと書かれている。

上司から貸してもらったのだが、結局、アマゾンで購入することにした。いつまでも手元に置いておいて、必要な時に確認ができるようにしておきたいと思ったからだ。また、本書に掲載されている参考文献リストは大変有用なので、これをベースにして図書館などでどんどん参考文献を借りて読んでみたいと思っている。

ここ数年、僕が精神的に閉塞感を感じていた最大の理由は、定量的調査をやって集めた数値データを分析して研究成果にまとめないといけないと自分で思い込んでいたことが大きい。(そういう雰囲気の場所で働いているということもある。)「社会調査」と「定量的調査」が同義だという勝手な思い込みがあり、自分が博論を書くのにもそんなデータを取らないといけないが、そんな数値データを1人で取っている時間もないし、協力者を動員してデータを集めるような資金力もない。どうすりゃいいのか路頭に迷っていた。

本書を読んですっきりしたのは、定性的調査もありなんだとわかったことである。僕にとってのアドバンテージは、既に現場を持っていて、現地の人々との関係が取りあえず出来ていることだと思う。じっくり定性的調査を行なうための時間とカネをどう捻出するかという問題はあるけれど、それができたら前には進めるという確信は得ることができた。また、「社会調査≠定量的調査」と考えられるようになり、今所属している組織の中でこれまで漠然と感じていた閉塞感をなんとなく打ち破れるような前向きな気持ちが湧いてきた。

仮説構築やフィールドノートについては、耳の痛くなる指摘も幾つかあった。今は店ざらしになっているが文章にまとめておきたいテーマが2、3あるが、要はつべこべ言わずに早くやれと本書には言われたような気がする。

本書に出会ったのをきっかけにして、研究に打ち込もうとする自分の前向き度が回復に向かうことを期待したい。
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