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『オープンデザイン』 [読書日記]

オープンデザイン ―参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)

オープンデザイン ―参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)

  • 作者: Bas Van Abel, Lucas Evers, Roel Klaassen, Peter Troxler
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2013/08/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
オープンソフトウェアにはじまったオープン化の流れは、コンテンツ、ハードウェアを経て、いま「デザイン」にまで及んでいます。本書は、主にプロダクトデザイン分野を対象に、この「オープンデザイン」という考え方について、さまざまな筆者による論考や事例の紹介などを通じて解説する書籍です。インターネットを通じたデータの共有や、ダウンロードしたデータを手元で実体化できるデジタルファブリケーション技術などによって、かつてないほどデザインの共有、改良、製作が容易になっています。そのような背景をもとに、デザインという行為、そしてデザイナーという職業がどう変化すべきなのか、について考えます。日本語版では、翻訳チームによる論考と事例の追加などのアップデートを行いました。

今、僕の書棚に眠っているものづくり関係の書籍には、取りあえず目を通してしまおうと取り組んできているのだが、その中でも最も手ごわく、後回しにしてきたのがこの1冊だった。人から薦められたのだが、4000円近くもするので新品を購入する気にもなれず、中古本が出回るのを待ってから購入した。元々はオランダのデザイナーが執筆した論考集で、収録されている各論考の英語版は、下記ウェブサイトからダウンロードできる。
http://opendesignnow.org/

ということは原書はタダだったわけで、その邦訳を出すにあたってオープンにならず、結構高額の価格設定にされたのには、何らか理由があるのだろう。勿論、単に原書の邦訳だけでなく、日本人の研究者や実践者による論考も追加されているので、そうやって付加価値を付けてこの価格設定になったというのはあったに違いない。翻訳にもそれなりの時間もかかったであろうし。

ただ、元々が複数の研究者や実践者による論考の寄せ集めなので、なぜそういう目次構成になったのかとか、各々の章が全体とどのように関連付けられているのかとか、要するに全体を概観し各論との関連づけを論じる章があるようでなかったので、正直言うとものすごく読みにくい本になっていた。勿論僕自身が理解する素地があまりなかったという点は認めるが、なんだか、知っている人が知っている人だけに読んでもらえればいいというぐらいの割り切り方で書いたのではないかと思えて仕方がない。

また、本書の所々に英語でキーワードが挿入されているが、それを元にどこに飛んだらいいのかもわからず、逆に巻末にあった口絵集も、所々「~ページ」とあったのでそのページに戻ってみると、その口絵とどう関係しているのかよくわからぬ記述になっていたりもした。「本書の読み方」的な解説が1ページでもあれば、もう少し別の読み方ができたのかもしれない。編集自体はあまり読者に優しくはない。

などと先ず批判的なことばかりを並べたのだが、各論のさらに各論の部分に入っていくと、結構面白いことが書かれていたりする。「ファブラボ」はその中でも頻出するキーワードの1つで、欧州や日本のファブラボから出てきた様々な取組みが紹介されている。巻末に沢山写真が掲載されているホイッスル(笛)も、Thingiversにアップされているデータからダウンロードして多少のカスタマイズをして、3Dプリントすれば、ブータンでだって簡単に製作できる。大量生産はできないが、1個、2個と必要な時に少量作るというのなら、ここでもできる筈なのだ。

そんな中でも最も僕が心をときめかせたのは、トヨタカローラを電動化する手順のチュートリアルが既に公開されているというのを知ったことだ(eカローラ)。ということは、ブータンで走っているガソリン車を、後々電気自動車にコンバートすることだってできるということだ。電気自動車というと、今は誰もが完成車の輸入と急速充電器の増設のことしか考えていないが、年間10%にもなろうというブータンの車の急増ぶりを見ていると、今走っている車が老朽化した時、狭い国土のこの国が自動車の墓場になるのではないかと恐ろしくなる。もしそういう手間暇をかけるブータン人がいれば、そうした状況を多少なりとも先延ばしはできるように思う。完成車の輸入という安易な方法だけではなく、電気自動車を自前で製作するような研究開発を行えるキャパシティぐらい、ここの工学系のカレッジは有する必要があると思う。

なんて論評しているだけでも申し訳ないので、今、僕はファブラボ・ブータンのスタッフの手を煩わせながら、3D CADソフトの操作を学んでいるところである。使っているFusion 360を使えるスタッフがファブラボにはいないのと、日本語環境で独習しているので、スタッフに説明するのに苦戦することがあるが、自分でデザインした簡単なオブジェクトを3Dプリントするところまでは今は到達している。

それと、最近ついつい超廉価のモジュラーラップトップ「pi-top」を大人買いしてしまった。CPU(ラズパイ3)を込みでも300ドル少々で購入できる。今ようやく組立てを終えたところだが、日本語入力環境にするのにいろいろネットで調べたりして少しずつ操作を覚えていっているところだ。いずれはこれでコーディングやラズパイを使った電子工作も少しずつ覚えていきたい。頭の老化対策です(笑)。

僕のブータン生活も長くはないので、そろそろ帰国した後の自分の将来設計も考えておかないといけない。必要なものは自分で作れるようにある程度しとかないと。収入が減ってからの自分の生活を考えると怖いですから…(笑)。

こういう分野で自分が論文を書くとは思えないが、必要だと思ったら収録されている論文の原書は当たってみたいと思う。翻訳がヘタだというつもりはないが、日本語であるがために読みづらいというのもあるかもしれないし、各々が別個の独立した論文だと考えれば、読みやすいかもしれない。逆に、本書に収録されている日本の事例や日本の研究者・実践者による論考は、最初から日本語で書かれているのでよりしっくりと頭の中に入ってきた。それがあったので本書は読んでて救われた感じもある。

「オープン」の本質的な部分には触れていなくてゴメンナサイ。
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