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首都ゴミ問題への最近の取組み [ブータン]

市、効率的なゴミ収集を開始
Thromde begins efficient waste collection in Thimphu
Kuensel、2018年6月9日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/thromde-begins-efficient-waste-collection-in-thimphu/

【ポイント】
ティンプー市は、ゴミ収集車の運行スケジュールの信頼性向上、オフィス時間外でのゴミ回収、合同モニタリングを通じて、市中でのゴミ廃棄の削減に向けて動き出すことになった。

ゴミ収集車は、民間収集業者に18台あるが、スペアパーツが入手困難であることから、全ての車両がスケジュール通りに運行できる状態にない。スケジュール通りに回収に来ないことが市内でのゴミ廃棄につながっていると見た市は、市で所有する24台の収集車をバックアップに充て、民間業者の収集車に遅れが生じた時には市の収集車が出動できるようにするという。

また、市内オラカ、チャンザムト地区は、住民人口が多いため、朝9時前にゴミ収集を行うことが難しい。この2地区にモティタンを加えた3地区は、ゴミの不法投棄が特に目立つ地域であることから、日中のゴミ収集ではなく、住民がオフィスから帰宅する夕方以降にゴミ収集を行うよう、運行スケジュールを変更する。

また、市と民間収集業者は共同で、最低週1回、ゴミ投棄の実態を調査する。ゴミ問題に関する住民の声を聴き、また逆に住民に不法投棄の罰則規定の周知や、ゴミ分別の徹底について普及を図る。2012年の廃棄防止・廃棄物管理規則によれば、罰金は100ニュルタム(ポイ捨て、立ち小便、ドマを吐くことなど)から最高2万ニュルタム(禁止地域への不法投棄など)にまで及ぶ。

市はさらに、次期五カ年計画で、ドロップオフステーションの開設も予定。

◇◇◇◇

ティンプー市、発生元で有機ゴミ削減に取り組む
Thimphu thromde working to reduce organic waste at source
Kuensel、2018年6月12日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/thimphu-thromde-working-to-reduce-organic-waste-at-source/

2018-6-12 Kuensel.jpg

【ポイント】
市はコンポスト化の取組み普及により、排出源でのゴミの削減で、メメラカ処分場への圧力の軽減に取り組んでいる。主に週末に、住民や地元組織を対象とした有機コンポスト化について教育、今年3月以降、王立ブータン警察や王立ブータン軍の住区、国立病院、ズィリオン・ナムゲリン小学校、ジグミ・ロセル小学校、リトル・ドラゴン小学校等で研修を実施。学校では、構内の美化と学校菜園で使われる。市からは、コンポスト化に必要な資材を供与し、今後のモニタリングも行われる。

ティンプーでは、1日53トンのゴミを排出し、うち52.9%は有機ゴミが占める。現在有機ゴミはメメラカ処分場に搬送されている。元々コンポストプラントは2010年にセルビタンに設置されたが、その後セルビタンの住民人口増加で、クレームが寄せられるようになった。このため市はメメラカに新たなコンポストプラントを建設中。年内には開業予定。(ということは、今は有機ゴミもメメラカにオープン投棄されているということ?)

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ゴミのリサイクルで女性のエンパワーメント
Empowering women to recycle waste
Kuensel、2018年6月13日、Karma Cheki記者
http://www.kuenselonline.com/empowering-women-to-recycle-waste/

2018-6-13 Kuensel.jpg

【ポイント】
12日より10日間の日程で、王立ブータン警察(RBP)コロニーにおいて、警察婦人会を対象としたプラスチックゴミ再利用に関するスキル強化研修が始まっている。プラゴミを利用して新たな収入創出活動にしようとする取組みで、21人の女性が参加。キャリーバッグや洗濯カゴ、ラップトップケース、ペン立て、買い物カゴ等の作り方を習う。実施はクリーンブータン。資金はヘルベタス(スイス)とEUから供与。

◇◇◇◇

クエンセルでAMCの追いかけをやっているのがツェリン・パルデン記者なら、ティンプーのゴミ問題を追いかけているのはカルマ・チェキ記者ということになるだろうか。なんか、役割分担があるみたいですね。いずれの記事にもティンプー市の環境課のチェリン・ヤンゾムという女性職員が登場するので、この職員からの情報提供で記者が動いているのかなと想像する。

とはいえ、ちょっとツッコミどころがある記事である。

第1に、最初の記事だが、市は今までそんなこともやってなかったのかという逆の驚きがあった。罰金についても、僕の周囲では、「あの罰則の厳格な運用という話はどうなったのか」という声を聞く。2016年12月の全国一斉清掃日の直後の話で、最初の1週間は結構摘発されたと報じられていたが、その後どうなったのかは聞かない。ティンプー・ランニングクラブで土曜朝のゴミ拾いを地道に続けている身としては、少なくともこの1年半の間に、ゴミが減ったという実感などないし、目の前でポイ捨てした通行人を見かけることもよくある。そもそも市の職員にしても民間事業者にしても、オフィスアワー以外でのモニタリングをやるほどの人っているのだろうか。そして、ポイ捨てが起きているのは人の見てない夜であったりする。土曜朝の公園なんてひどいものである。

先日、僕の前を走っていた政府の車から、ゴミがポーンと投げ捨てられるのを目撃した。どこの省庁の車なのかはわからないが、この国で最大の雇用主である政府の職員を対象にして厳格な罰則を適用する制度でも作ったら、有効かもしれない。

第2に、コンポストの記事にはプログラムのサポーターにJICAの名前がないのに、プラゴミ再利用の研修の記事にはヘルベタスやEUの名前があるのはフェアじゃない。JICAがかわいそうだ。

第3に、コンポストにしても、プラゴミを利用したグッズ開発にしてもそうだが、材料をどうやって調達するのか、作ったものをどう利用するのかの道筋が定かではない。コンポストを学校でやるには、そもそも学校自体は有機ゴミの排出はあまりやってないだろうから、近隣の住民と連携するなどして、コンポストの材料を調達する仕組みが必要だと思う。そうすれば学校菜園でコンポストを使えるのだが、学校菜園の規模を考えれば、近隣住民をどの程度巻き込めるのかの計算には注意が必要だと思う。この国の人はあまり家庭菜園はやらないと聞くので、コンポストの普及は個人レベルにアプローチするよりも、もう少し組織レベルでシステムを作っていく必要があるように思う。コンポスト化の普及のためには多くの場所で普及活動を行うことは必要なのだろうが、逆にどこかの学区、住区を対象にしたシステム作りに1カ所でも成功すれば、それは大きな成果だろう。

プラゴミのリサイクル化には、僕は疑問も感じている。僕はクリーンブータンがやっていることも知っているが、元々がゴミだったわけで、それを買い物かごとして使うのには躊躇する消費者は多いと思う。プラゴミリサイクル製品の市場はそんなに大きくない。研修主催が材料を提供してスキル強化のために研修やるのはいいが、問題はその後で、同じ材料をこの研修参加者はどうやって調達するのか、また作ったものをどこでどうやって売るのかまで考えさせないといけない。製品を編み上げるスキルにしても、研修から日が経てば経つほど、参加者は忘れる。間髪入れずに行動に移せるようなところまでケアしないと、研修もやりっ放しで終わってしまう。そこまで考えられた研修になっているとはとても思えない。

これらのグッズはクリーンブータンだって作っているものだし、わざわざ狭いマーケットで競合するような人々にタネを明かすようなことはしないだろう。取りあえず研修は研修で請け負うけれど、システム化の面倒までは見ないだろう。実は、これに酷似した内容の記事が昨年7月にもクエンセルに出ていた(その記事もカルマ・チェキ記者でした)。同じような取組みを慫慂するのはいいにしても、その後その研修参加者はどうなったのかというのも、僕としては知りたい。自分で必要なものは自分で作り、無駄な出費は抑えるという発想であればこういう再利用は意味があるが、収入創出活動としては、どうなのかな~。

プラゴミをリサイクルして、収入創出につなげるには、元々それがゴミだったということを利用者に意識させないぐらいの加工を施すことが必要だと思う。カゴやペン立てのような個人消費財への加工は疑問で、よほどの付加価値を付けないと、消費者が金を払って購入するところまでは到達できない。僕は先月上旬のネパールの旅で、廃プラスチックを破砕して、歩道整備に用いるヘキサゴンブロックに混ぜ込んで、セメントオンリーのブロック並みの強度を実現したという話を聞いた。歩道整備はティンプーでも行われているわけで、プラゴミのニーズは個人消費財ではない、他のところにあるような気がしている。

タグ:ティンプー
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