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橋とトンネルに秘められた日本の土木 [仕事の小ネタ]

びっくり! すごい! 美しい! 「橋」と「トンネル」に秘められた日本のドボク (じっぴコンパクト新書)

びっくり! すごい! 美しい! 「橋」と「トンネル」に秘められた日本のドボク (じっぴコンパクト新書)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/01/27
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
地形を克服し、物流・移動を確保して国土の骨格を造り上げる橋とトンネル。海を渡る橋から街中の小さな橋、流動に「風穴を開けた」長大トンネルから歩行用の小さなトンネル、無数にあるそれらは一見、無骨で味気なく見えるけれど、視線を向けてみれば個性がそこここに散りばめられ、そこに造られた必然性や個々の事情も見えてくる。橋やトンネルの発展の歴史も、世界や日本の産業史とも強く関わっていて、とてもドラマチックなのだ。この1冊で、橋とトンネルの見え方が変わります!

あまり頻繁にブログ更新すると、僕の仕事にまだ余力があると思われる読者の方がいらっしゃるようで、まだまだ働かせる余地があると思われているのか、結構手厳しいお言葉をいただいて気が滅入っているところである。普通のブータンの職場と違い、僕は平均すると朝8時には出勤し、夕方も18時30分過ぎまではオフィスに残っている。それでも「まだできるはず」と一方的に思われるのは残念である。

と愚痴から始めたこの記事だが、実は読み始めたのは2週間近く前なのに、読み切るのに時間がかかった。単純に読んでいる時間がなかったからである。この本を今読み始めた理由もご想像にお任せするが、何で忙しかったのかもご想像にお任せする。これ以上は時間捻出できないというギリギリのところでダラダラと読み進め、読了日のターゲットを見事に外してしまった。悔いの残る読書の仕方だ。

内容については、土木の素人にはちょうど良いぐらいの入門編の本だと思う。「日本のドボク」という言葉がタイトルに含まれているが、確かに橋梁やトンネル建設における技術とその変遷については理解しやすいものの、日本の土木のどこがすごいのかについては、必ずしも語られていない。取り扱っている事例が日本国内のものが多いので、「だから日本の土木はスゴイ」となるのだろうが、橋梁についてもトンネルについても、欧州の技術も結構スゴイという印象があり、日本と欧米の技術を比較して、日本のここがすぐれているという視点はあまり触れられていないような気がした。

繰り返しになるが工法や施工の留意点等については僕は門外漢なので、この本の深度についてどうこう言える立場ではないが、いくつか興味深かったポイントだけ以下で述べておきたい。

第1に、橋梁についてであるが、橋梁のタイプについての記述は勉強にはなったが、話がまっすぐな橋梁の話が中心で、最近ブータンで完成した国道一号線の3橋のような、橋桁がカーブしていて、かつ複雑な勾配が付けられているような橋梁の話が本書では出てこない。いや、上空から見たら蛇行している橋梁の話は出てくるが、全てフラットになっていて、勾配についての言及が全くない。日本には、ここまで勾配を設けている曲線橋梁はないということなのだろうか。

第2に、本書を読んでの収穫は、僕が以前ブログでも述べていたような「橋カード」を、既に日本国内で導入した地方があるというのを知ることができたこと。そこで書かれているカードの引渡しの方法は、例えばこの国で日本の無償資金協力で架け替えられた橋梁が既に22橋も完成していて、しかも全国に広がって分布しているという状況の中で、どんな形で「橋カード」を運用することができるのかは大きな検討課題だったが、本書を読んでヒントをもらったような気がした。

第3に、トンネル工事に関する記述の中で、地元の住民に対して工事現場の見学会を設けて、住民のオーナーシップを高める取組みが日本では行われていると書かれていたことである。このことはトンネル工事に限らずどこの土木工事であってもある程度は意識しておいた方がいいポイントだと思うので、住民関与を高める一助として、工事現場を周辺住民に見てもらうというのはあってもいい。僕がかねてから主張しているような、「インフラも観光資源」という概念も、工事が行われている間に並行して地域住民と話し合いをして、どういう形ならできるのかを、施主側がもっと考えるべきだと思う。引渡しが済んだあとから検討していては遅いかも。

あまり長々と書くと、「お前は暇か」と思われかねないので、本日はこれくらいにしておく。

それにしても実業之日本社さん、タイトルの付け方が長すぎやしませんか?

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