So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

『フィールドワークの技法』 [仕事の小ネタ]

フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

  • 作者: 佐藤 郁哉
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 2002/02/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
失敗、苦渋、挑戦をつぶさに再吟味し、行きつ戻りつしながらデータを収集、分析、民族誌へと結実してゆくフィールドワーク。マニュアル化できない勘所を説きつくした、読めて使えるフィールドワーク入門。

僕のブータン積読蔵書圧縮計画、ある程度はゴールが見えてきたので、8月にうちの長男が一人旅でブータンを訪れた際、2冊ほど追加の書籍を持って来てもらった。いずれも東京の自宅で積読状態になっていた本で、放っておけばあと半年はその状態が続く見込みだった。こちらに持って来た方がすぐに活用できそうだと思い、2冊ご指名した。

その本を今読んだということは、今まさにフィールドワークの復習をしておきたかったからだ。佐藤先生の著書は、『組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門』(有斐閣)というのをこのブログでも二度にわたって紹介している。僕にとっては座右の書といえる。勿論、ブータンにも携行している。本来だったら、今フィールドワークの復習をするならこちらの著書を読み直すべきなのだが、その前により大部な『フィールドワークの技法』の方にチャレンジした。
https://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2011-10-22
https://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2012-07-28-1

実はこの本、有斐閣から出ている著書を購入した際、ほぼ同時に購入していたのだが、元々大部だったことと、事例で用いているのが暴走族や劇団を対象としたフィールドワークだったので、ちょっと親近感を得ることができず、それで敬遠した。有斐閣の著書の方は、中で何冊もの参考文献を紹介されていて、そちらを読了した後、派生的にそれらの参考文献の方を読み込む方に向かってしまった。それがここまで約6年間も積読で放置してしまった理由である。

読んだ上での感想を言うと、読みものとして捉えれば面白かった。座右に置いて何度も読み返すなら、有斐閣の著書の方がいいが、少なくとも著者自身のこれまでの失敗談やそこから編み出してきた様々な工夫については惜しみなく開陳されており、しっかりとしたエスノグラフィを書くつもりなら本書は一度は読んでおいた方がいいと思う。

今回、参考になったのは、フィールドノーツ(フィールドノートと言いたいところだが、ノーツとするのは著者のこだわりの部分)の書き方と書くタイミングに関する記述であった。著者が主張するほどしっかりとしたフィールドノーツを僕自身が付けていないので、このレベルまでやる必要があるのかというところで多少の戸惑いは感じたが、誰が読んでも追体験が可能なぐらいの詳細とか、場所の見取り図まで付けて、これだけの詳細なフィールドノーツを付けていたら、現場に出ている間、夜のほとんどの時間はこれに費やされるんだろうなと思った。ブータン人とアラを飲んで酔っ払って寝てしまうのではダメだということだ。僕自身は地方に出張に行く際にもたいてい毎日日記は付けているが、そうした「フィールド日記」と「フィールドノーツ」は別物。第三者も読むことを前提として記録しておけということのようだ。

このへんは、10月以降に地方に行く際には注意したいところだ。個人的には、離任するまでのあと半年以内のうちに、休暇取ってでも行っておきたいところがブータン国内に2カ所ある(いずれもペマガツェルで、収穫期もあるのでひょっとしたら行くタイミングを逃すかも…)。また、今既に着手している国内産石灰石のバリューチェーンの調査(下写真)でも、インタビューは必須となっている。今週ティンプー近郊の石灰鉱山は2カ所調査したが、そこから出荷された石灰石の行き先を追って、いずれ南部へと調査を展開させていく予定。しばらくはこうした本を参考にしながら、インタビューの仕方、フィールドノーツのまとめ方等、試行錯誤を繰り返していくことになると思う。

2018-9-28 Khariphu.jpg2018-9-28 Khariphu02.jpg

今取り組んでいる調査を、エスノグラフィにまで仕上げるかどうかはわからない。せめてポリシーブリーフぐらいにはしたいと思うけど。仕事の合間を見ての作業なので、ここから南部に調査の網を広げるとなると、ちょっと時間もかかりそう。その間にできることとして、本書の示唆は、「既存資料で調べられるものは徹底して調べておく」ということなので、資料の収集と読み込みだけは地道にやっておくつもりではいる。

nice!(3)  コメント(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント