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予測性の大問題 [ブータン]

ブータン企業家祭り始まる
Druk Tshongrig Gatoen begins in Thimphu
Kuensel、2018年10月26日、Rinchen Zangmo記者
http://www.kuenselonline.com/druk-tshongrig-gatoen-begins-in-thimphu/

2018-10-25 Kuensel02.jpg

【ポイント】
初めての「ブータン企業家フェスティバル(Druk Tshongrig Gatoen)」が25日からティンプーで始まった。若者や興味ある人びとをつなげるプラットフォームとして、起業を妨げる課題について議論する場として期待される。主催はローデン財団。協賛団体として、労働省、国連、経済省、ティンプーITパーク、ブータン商工会議所(BCCI)、農村企業開発公社(REDCL)、ブータン女性企業家連合会(BAWOE)等が名を連ねる。

ローデン財団のカルマ・プンツォ代表によると、昨年まで11月に開催されてきた「グローバル企業家週間(Global Entrepreneurship Week)」は効果がなかったという。「そこで、国内企業家にフォーカスしたイベントを行うことにした。」

こうした背景から開催されたフェスティバルには3つの目的がある。1つめは企業家精神というコンセプトに明るくない人々を助けること、2つめは、やりたいことはあるけれどもスキルや支援を必要としている人々を助けること、そして3つめは、企業家同士をつないで新しいビジネスのカルチャー――社会的責任があり、倫理的にも、環境的にも、伝統文化の保全にも配慮したビジネスカルチャー――を作ることだという。

主催者発表によると、このフェスティバルはティンプーだけではなく、国内各地の教育機関でも開催されるのだという。ブータンの若者を企業家精神に触れさせ、国中にスタートアップ(起業)のエコシステムを形成するのに貢献することを目指しているという。

フェスティバルには、企業家や起業を考えている人、政策立案者、それにNGOが集まり、企業家精神に関する啓発をはじめ、新たに生まれてくる潜在的な企業家のエンパワーメントや教育がプログラムとして行われるという。同時に、時計塔広場では30人の企業家がその商品を紹介する展示ブースが設置される。また、25日のオープニングでは、約90人の企業家の起業に至るまでの歩みをまとめた本「Entrepreneur Stories」が公開された。これまでこの国には企業家になりたくてもそのロールモデルになれる人がいなかった。本書はそうしたロールモデルになり得る人々の経験をまとめたものだ。

◇◇◇◇

この国にいて悩ましいのは、前年の経験が参考にならないことである。この時期にはこれが行われたので、今年もこの時期にはこれがあるだろうと思っていたら開催されず、かと思うと突如として今年は新たなイベントが開催される。

今回ご紹介したフェスティバルなんて良い例である。記事の中でも触れられている通り、去年までは2年間、11月中旬に「グローバル企業家週間」という形で行われていたイベントである。去年のイベントも、なんで「グローバル」なんて銘打っているのかと首を傾げるくらいにローカルなイベントだったので、この記事でローデン財団の代表が述べている理由にはあまり納得するところはない。今年のフェスティバルの目的だって、去年までのイベントと異なるところはそれほどない。唯一の新味は、国内各地の教育機関でも開催するというところぐらいだろう。

今年はグローバル企業家週間は行われないという話だけは4月頃には既に聞いていた。多分国政選挙の影響なんだろうから、来年はまた再開されるのだろうと思っていたら、この記事を読む限り、グローバル企業家週間が来年以降に行われることはないというのがわかる。フェスティバルという形で吸収されたのだろうから、来年の11月はブータン企業家フェスティバルとして開催されると思っておいた方が良さそうだ。

ブータンで2年半以上暮らしていて、毎年確実に開催されていた行事といったら、ツェチュと12月17日の建国記念日、8月下旬の「マウンテンエコー文学祭」、10月下旬にラヤで開催される「ロイヤル・ハイランド・フェスティバル」等、宗教関係及び王室肝煎りの行事ぐらいではないだろうか。でも、花博は2016年、2017年と6月の王妃様の誕生日周辺で行われていて今年もそうなるのかと思っていたら、なんと2018年4月下旬であった。また2月の王子様の誕生日も、2017年の1歳のお誕生日の時は政府はやたらと報告書だの何だののローンチングをセットにして大々的にお祝いをやったが、2018年は一転して非常に静かだった。

これ以外のイベントで、確実に3年連続開催されたのは世界のアスリートも参加する「ツアー・オブ・ザ・ドラゴン」(9月)と、名前ど忘れしたけどティンプー・パロ往復MTBレース(4月)、「ブータン国際マラソン」(3月)、それにブータン観光評議会(TCB)のカレンダーに載っている「ハ・サマーフェスティバル」(7月)のような、外国人観光客狙いである程度の「予測性」を確保しておかないと外国人観光客が旅行計画を立てにくいイベントだろう。

もう1つは、純粋にブータン側主催ではないイベント。国連とその専門機関がやたらと協賛している「国際なんちゃらデー」というのは、ブータン政府は国際社会のイニシアチブに対しては非常に忠実なので、必ず何か式典を行う。「国際エイズデー」(12月1日)、「国際障害者デー」(12月3日)等。特に、世界保健機関(WHO)は疾病毎に「なんちゃらデー」を決めているから、年がら年中やっている感じになる。日本国内ですら国際なんちゃらデーの式典など誰も見向きもしないのに、人口73万人のブータンであまりに忠実に式典をやっていたら、駆り出される関係者もさぞかし大変だろう。

でも、WHOなんかと違ってこの国では影響力が少し落ちる農業食糧機関(FAO)あたりが12月5日に「世界土壌デー」をやろうとしても、年中行事にするには至っていない。ここまでは国連の話ばかりだが、10月にハで行われる「メラ」も、主催は駐留インド軍(IMTRAT)だから毎年確実に開かれる。

逆にブータン側団体が主催で想定参加者もブータン人という場合は本当に読めない。2016年10月1日に保健省とブータン保健信託基金はファンドレイジングを目的としたマラソン大会を開いたが、これは1回きりでその後2017年、2018年と開催されていない。障害を持つ若者向けに職業訓練機会を提供しているNGOダクツォもファンドレイジングを目的にチャリティウォークを開催するが、2016年9月はクエンセルポダンだったのが2017年は8月にメモリアルチョルテンになり、2018年はとうとう開催されなかった。資金がショートしてきそうになったら急にファンドレイジングをやろうという話になるので、イベントとしての予測性が犠牲にされている。

毎年この時期には必ずこれがあるというように決まっていないと、本当に動きが取りにくい。

話はこのブータン企業家フェスティバルに戻すけど、恥ずかしながら僕は知りませんでした。でも、クエンセルの挿入写真に写っている国連常駐代表が手に取っている木箱を製作しているDurba 3D Worksは、僕は昨年4月以降何度か訪ねている企業で、ここの創業者を有名にするのに僕も一役買っている。多分、レーザー加工機の使用に関して最も知見のある企業家である。デジタル工作で起業しているブータン人企業家の中では多分第一人者だろう。いかに協賛団体である国連の常駐代表であろうと、なんだか僕自身の手柄を横取りされたようで、この写真のアングルは見ていて気持ちがざわつく(苦笑)。

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