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GSTがやってくる [ブータン]

「暫定予算が経済成長に影響」とIMF
Interim budget likely to affect GDP growth: IMF
Kuensel、2018年11月1日、Tshering Dorji記者
http://www.kuenselonline.com/interim-budget-likely-to-affect-gdp-growth-imf/

【ポイント】
国際通貨基金(IMF)は10月26日、憲章第4条に基づく対ブータン協議の結果を発表。これによると、2018/19会計年度のブータンのGDP成長率は、今年7月から12月までの暫定予算期に資本投資が行われなかった影響を受けて、4.8%に減速すると予想。一方で、マンデチュ水力発電事業が操業開始することで、2019/20年度の成長率は6%程度にまで回復し、さらに2021/22年度には残る2件の大規模水力発電事業が操業開始見込みであることから成長率はさらに高まるものと予想している。

一方、IMF理事会は、今後のブータンの資本投資は国内歳入と国内民間資金動員の増加を以って大規模に進められるべきとし、2020年7月までに施行が予定されている物品サービス税(GST)と、それに伴う免税措置の適用削減を歓迎した。免税措置は2017年のGDP成長率換算で3%程度の上乗せが行われた形となる。

物品サービス税2020年までに施行へ
GST regime to be implemented by 2020
Kuensel、2018年11月2日、Tshering Dorji記者
http://www.kuenselonline.com/gst-regime-to-be-implemented-by-2020/

【ポイント】
2020年7月のGST施行に向けて、IMFは実施体制整備に向けたブータン支援を行う。既にプロジェクト事務所は立ち上げられ、実施計画書も出来上がっている。IMF四条協議報告書によると、ITシステムを備えた租税実務能力は、GST施行に向けた足枷になりかねないと指摘。また報告書では、財政ポジションの強化と経常赤字による対外不均衡の解消にブータンは一層の努力を図る必要があるとも指摘している。そのためには国内歳入の強化が必要だとする。GST支援は国内歳入強化に向けた大きな柱となる。

売上税、関税、グリーン税、消費税といった間接税は、ブータンのGDPの5.5%を占める。売上税は2.5%、インドからブータンに輸出された物品サービスにかかっていた消費税(Excise Duty)のブータン側支払分に関する還付金収入は2%、残る1.5%は、国内消費税やグリーン税、関税収入となる。四条協議報告書によると、インド政府が既にGSTを導入して対ブータン輸出品への消費税課税が無くなったことにより、インド消費税の還付は2020年に実質的に終了予定。またブータンはインドと自由貿易協定を結んでいることから、関税引き上げによる税収確保には制約もある。このため、GSTのような課税対象を広範に捉えてより簡素な税率を適用する新たな租税体制の整備が求められる。

IMFはまた、税の減免措置を徐々に撤廃していくことを提言。減免措置適用はGDPの2%以上に及び、減免措置適用に伴い膨大な事務コストもかかっているため、減免措置撤廃により行政のスリム化にもつながると指摘している。

同プロジェクトは間もなく発足する新政権の最終承認を正式に開始予定。

◇◇◇◇

インドが昨年7月に突如GST導入を発表した時、僕の最初の印象は、「あれ?GST導入ってブータンの話じゃなかったっけ?」ということだった。ブータンでもGST導入が検討されているという話は、2017年3月に財務省関係者の方から聞いたことがあり、その時も国内歳入増の手段の1つとしてブータン政府が大きな期待を抱いているということであった。そのGSTが別の文脈で突如メディアを賑わせたので、僕は戸惑ったのである。

メディアがGSTを取り上げる時、過去1年少々の間、たいていの場合はインドのGST施行のブータンへの影響という話との関連であった。ブータン政府側のGST導入の話は僕が知る限りは紙面で取り上げられたことは一度もなく、今回、IMF四条協議に基づく理事会報告の中でこれがクローズアップされたことで、2日連続してブータン側のGSTがクエンセルの紙面に踊った。記事を書いたのは同じ記者であり、この2つの記事は同じ情報源をベースにしている。

ちなみにIMFのHPにもこのブータン四条協議報告書のことは掲載されている。

理事会、2018年対ブータン四条協議結果を承認
IMF Executive Board Concludes 2018 Article IV Consultation with Bhutan
2018年10月30日
https://www.imf.org/en/News/Articles/2018/10/30/pr18401-bhutan-imf-executive-board-concludes-2018-article-iv-consultation

◇◇◇◇

税金関連では先月末、もう1つ興味深い記事がクエンセルで掲載された。個人及び法人所得税の納税者数に関する記事で、人口が73万人程度ある国で、納税者が9万人弱って意外と少ないのだなというのがパッと見の印象だった。記事内容の詳述は控えさせて下さい。

2017年の納税者は8万7901人
87,901 taxpayers filed their taxes in 2017
Kuensel、2018年10月27日、Tshering Dorji記者
http://www.kuenselonline.com/87901-taxpayers-filed-their-taxes-in-2017/
タグ:財政 GST 租税
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