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事前に知っていればな~2 [ブータン]

「温厚」なブータンに向けて
Towards a well-tempered Bhutan
Kuensel、2018年11月10日、Phurpa Lhamo記者
http://www.kuenselonline.com/towards-a-well-tempered-bhutan/

【ポイント】
11月7、8日の2日間にわたり、ティンプーで開催された会議において、居住者が負担可能な住宅開発と都市緑化に向けた総合的開発戦略が議論の中心となった。会議には100人を越える政府関係者が出席。都市開発にまつわる諸問題が話し合われた。

米国の有名な不動産デベロッパーで都市プランナーでもあるジョナサン・ローズ氏が基調講演を行い、その中で同氏は、ブータンが急速に都市化しており、担応能力(affordability)が新たな課題として浮上している現状を指摘した。

ブータン生活水準調査報告書2017年版によると、ブータンの家賃の月額平均は約4,800ニュルタム。これは1世帯当たりの月平均所得の34%を占める。国連人間居住センターが1991年に定めた基準では、住宅費が月平均所得の30%を越えないことが担応能力の目安となっている。公共事業省人間居住局のタシ・ペンジョル首席都市計画官は、都市部ではこの住宅費支出が月平均所得の50%を超える傾向が見られるのが大きな課題だとの認識を示した。

2018-11-10 Kuensel03.jpg

低所得住宅分析の2013年版によると、ティンプー市内には6,656棟の民間建築物があり、合計5万3,320の居住世帯があるという。1世帯当たりの構成員が4.1人であることを考えると、ティンプー市は14万人を収容可能であることになるが、実際は14万人もの人は未だ住んでいない。それなのに住宅不足問題は深刻化している。

ローズ氏は、構造計画の実施能力不足と詳細が不明であることも課題だと指摘する。「ティンプーにはファンタスティックなタウン開発計画と原則があるが、実際には誰もそれを遵守していない。必要なのはもっと精緻でより訓練された実施体制で、さらに街路の景観整備計画や街路樹をどのように植え、歩道はどのように整備するかと言ったアイデアがないのも問題だ。」氏は、住民が負担可能な全国住宅開発戦略の策定がブータンには求められるという。戦略策定にあたっては、様々な人々のグループと様々な世代の人々のニーズに応える姿勢が必要だとも。「自分は、住民が負担可能な住区を作るよりも、負担可能な家屋を配分することが必要だと思っている。住民が負担可能な住宅を住区単位で設ければ、スラム化する可能性がある。」

ノルジンラム大通りを歩行者専用道路にする件については、ローズ氏は、このような計画は家族や個々人の感じるストレスを無くし、よりゆったりと過ごせるスペースとして期待され、早期に実施されるべきだと支持した。

◇◇◇◇

もう1つ、11月上旬に開催されたのに、事前告知が全くなされず、開催されていたのを後になって知ったというイベントについて紹介しておく。人間居住局なんて普段から接点も多かった部署なのに、日本人とは違う別の外国人有識者が来られる話になると、途端に「日本」というのは頭からスポッと抜けてしまうようで、何かイベントがあれば当然呼んでもらえるだろうと思って高をくくっていたら、手痛いしっぺ返しを食らうことがよくある。気付いてみたらあとの祭りだったりする。

ジョナサン・ローズ氏ってちょうど1年前にも来られていて、その時もメディアで取り上げられていた。住宅政策においてブータン政府が頼みにするブレーンの1人のようで、来れば特別講義も企画されたりする。今年も11月8日(金)夜に開催されたRIGSSフォーラムで特別講義をされていた。同日は朝はジェ・ケンポのインド・ブッダガヤご訪問の空港見送りのためにパロにいらしていた新首相も、夜はお忙しい中RIGSSフォーラムには来られて、最前列の主賓席で講義を聴いておられた。RIGSSフォーラムは僕には縁遠い行事で、一度も呼ばれたことがない。

ローズ氏には昨年発刊のこんな著作があるので、この本の売り込みのために昨年は来られたのだと承知している。今年もネタの出所はこの本だろうと思うが、有名人なんだから直に拝見したかったなと思う。

The Well-Tempered City: What Modern Science, Ancient Civilizations, and Human Nature Teach Us About the Future of Urban Life

The Well-Tempered City: What Modern Science, Ancient Civilizations, and Human Nature Teach Us About the Future of Urban Life

  • 作者: Jonathan F. P. Rose
  • 出版社/メーカー: Harper Wave
  • 発売日: 2016/09/13
  • メディア: ハードカバー

ただ、クエンセルの記事が言っているような「ブータン全体が急速に都市化」しているとは僕にはどうしても思えない。ティンプーだけを見ていればそんな気もするが、地方は人口流出している。ティンプーを住みやすい街にする努力が不要だというつもりはないが、この街で感じる不便をどんどん解消して住みやすい街にしていけば、もっと人口を吸引するのではないかと気になる。

タグ:住宅 都市化
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